僕のマグノリアレーン

2013.12.06

【第145回】
「次の次」を考える。

僕のマグノリアレーン

マスターズを目指してゴルフに夢中な日々を送るジャーナリスト・上杉隆とレッスン担当のプロゴルファー・中井学。今週も二人はラウンド中ですが、飛距離が伸びた上杉にコースの罠が……。

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「目の前の一打に集中する!」は
実は大きな間違いだった!?

上杉 ――さて、次のホールは右ドッグレッグの短いパー4ですね。先週までのレッスンでだいぶ飛距離アップに成功していますからね。ドライバーを持って、とりゃーっ(と、打つ)。

中井 あ……。

上杉 ふふふ、完璧なショットですね。この一打が常時打てれば、マスターズだって夢ではない――と思ったらナイスショット過ぎて正面の林に突入したーッ。

中井 見事な説明をありがとうございます。ナイスショットが突きぬける。ドッグレッグホールの罠にあざやかにハマりました。うーん、むしろお見事。

上杉 せっかくのナイスショットだったのに……。

中井 こればっかりは、レッスンもなにも、「打つ前にコース図をしっかり見ましょう」としかアドバイスできません。よし、せっかく林に入ったことだし、今週は林のなかからの脱出をテーマにしましょう。

上杉 とほほ……。

※林の中へと移動

上杉 なんか……微妙な感じですね。土の上とはいえライは悪くない。横に出すのは安全ですが、木と木の間を狙えば、確率は少し下がりますがグリーン方向も狙えないことはありません。

中井 上杉さん、今どんなことを考えていますか?

上杉 安全に横に出すか、確率はやや下がりますが、思い切ってグリーン方向を狙うからですね。うーん、悩ましい。

中井 つまり、目の前の一打に集中しているわけですね?

上杉 そりゃそうでしょう。なにしろピンチですからね。

中井 目の前の一打の結果はともかく、長い目で見たら、その発想ではストロークは守れません。

上杉 なに!? どういうことですか?

ピンチのときに考えるのは、
「次の次」のショットだ!

145林の中に入れたときは、次のショットも考えた上で、安全策かチャレンジかを選択するべきと中井プロ

中井 アマチュアゴルファーの発想は、つねに「目の前の一打」に限定されます。今の上杉さんがいい例。横に出すか、グリーン方向を狙うかだけを、上杉さんは考えています。しかし、林の中に入れたときなど、ピンチのときに本当に考えるべきなのは「次の次」なんです。

上杉 「次の次」? つまり、3打目ってことですか?

中井 そうです。

上杉 なるほど、横に出してボギーで良しとするか、グリーン方向を狙ってパーへの可能性を残すかを考えろと。

中井 うーん、それもちょっと違うんですよ。林の中のボールを打つ前に、「次の次」のショットに臨む上杉さん自身をイメージしてもらいたいんです。たとえばこの状況。真横に出せば、残りは100ヤードちょうど。ライも平坦になるでしょう。一方で、グリーン方向を狙えば、ピンまで残り40ヤード地点まで運べますが、そこは左足下がりになっている。フラットなライからの100ヤードちょうどか、左足下がりからの40ヤードか、どちらがピンに寄せやすいと思いますか?

上杉 むむむ。圧倒的にフラットな100ちょうどですね。

中井 ですよね。このケースは、たとえグリーン方向が開けていたとしても、横に出す「一択」なんです。

上杉 うーん、しかもよく見ればピンポジションもグリーン手前。左足下がりからだとものすごく寄せにくいピンポジですね。

中井 そこに気が付いたのは素晴らしいですね。「次の次」を想像するときに、ピンポジまで計算に入れられたらパーフェクト。リスクをとってグリーン方向を狙ったのに、3打目地点は逆目のラフからバンカー越えすぐのピンを狙う破目になる、なんてことになったら目も当てられませんからね。

上杉 なるほどな~。今のケースでいえば、横に出して100ヤードから打ったほうが、むしろパーの確率は上がるわけですもんね。

中井 その通りです。林からの脱出、いわゆるパンチアウトの際は、「次の次」を考える。これが基本。その上で、どこを狙えば確実に出せるのか、そのためにはどのような番手で、どのように打てばいいかを考えるわけです。

上杉 じゃあ、普通にアイアンで横に出します。よいしょっ(と、打つ)。

中井 ナイスアウト! 今のは完璧です。言い忘れましたが、パンチアウトの際は、「自分が出球を管理できる番手と打ち方」で打つことがマストです。

上杉 ふふふ、見えてきましたよ。オーガスタナショナルGCでティショットを曲げ、パインツリーの林の中から華麗にパンチアウトするニッポンの上杉隆選手の姿が!

中井 ま、そもそもティショットを曲げなければいいんですけどね……。

 

うーん、なるほど。林の中で考えるべきは「安全策か、チャレンジか」の前に、「次の次」のショットのことだったんですね。これでマスターズに出場したとき、どれだけ曲げても安心! というわけで来週も、目指せ、マスターズ!



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