僕のマグノリアレーン

2013.09.20

【第134回】
「スウィング迷子」になっていませんか?

僕のマグノリアレーン

マスターズという夢に向かってゴルフに夢中な日々を送る元ジャーナリスト・上杉隆と、レッスン担当中井学のゴルフレッスンドキュメント、通称「僕マグ」。今週は、ラウンド中の上杉に異変が起きたようです……。

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自分のスウィングを取り戻す
秘密の方法とは?

上杉 あ~、もう、なにがなんだか分からないっ。

中井 一体どうしたんですか、上杉さん、ラウンド中に突然。

上杉 ご覧の通りですよ。ついさっきまでいい感じのショットを連発していたのに、急にショットが曲がり始めたんです。右ひじの動きを確認したり、トップの位置を意識したりしているのですが、一向に改善しない。むしろ酷くなる一方です。

中井 ありますよね、そういうときって。チーピンが出たからスライス目に打とうとしたらなぜかテンプラした、みたいな。あれ? オレってどうやって打っていたっけ? とか思ったりして。

上杉 中井プロ、のんきに解説していないで、なにかこういう場合の特効薬的な“秘密道具”を出してください。

中井 僕は「ドラえもん」ではないので秘密道具はありませんが……そうだな、今、上杉さんは林の中にいます。

上杉 今、私がいるのはティグラウンドですが……。

中井 そういうイメージを持ってくださいということです。木が生い茂った林の中、唯一脱出できるルートは幅1メートルの木と木の間だけ。しかも、目線より高い球を打ったら枝にボールが叩き落される状況。そんなとき、どうやって打ちますか?

上杉 そりゃまあこんな感じですよ。低いフックを打つようなイメージで――(と、打つ)。あっ、ものすごくいいショットが出た。なんですか、これ。私の実力でしょうか?

中井 (無視して)イメージによって、感覚がリセットされたんですよ。上杉さんは、「悪くなる=アオる」タイプですから、感覚が迷子になったときは、林の中から低い球を打つイメージが効くんです。

上杉 へ~、そういうもんですか。

中井 上杉さんの場合は、悪くなるほどアオリ打ちになるタイプなので林の中からの脱出をイメージしてもらいましたが、逆に悪くなると突っ込むタイプのゴルファーも多くいます。そういう人は、目の前の木を越すために普段よりも高い球を打つイメージで打つと、感覚がリセットできます。

フィーリングを鍛えるには
目をつぶって打つのがいい!

134アオリ癖のある上杉は、林の中から低い球を打つイメージを持つといいと言う中井プロ

上杉 なるほどな~、しかし珍しいですね。なにかにつけて理詰めで考える中井プロが、感覚論を語るのって。どちらかといえばなにごとも考えすぎて石橋を叩き壊すタイプな気がするのですが……。

中井 いいじゃないですか、僕の性格は。それに、フィーリングを重視しないプロなんてこの世にいません。レベルの差はあれど、やっぱりラウンド中にスウィングを見失うときって絶対にありますから。本当は普段の練習から意識的にフィーリングを鍛える必要があるんです。

上杉 フィーリングを鍛える? そんなことが可能なんですか?

中井 もちろんです。やり方は至極カンタンです。目をつぶって打つ。それだけ。

上杉 目をつぶったら当たらないじゃないですか。

中井 一度試してみてください。念のため、短いアプローチとかでやるのがオススメですが、絶っっっ対に当たりますから。そして、そのときのフィーリングを強く覚えておくんです。

上杉 どういうことですか?

中井 ゴルファーって、ナイスショットのフィーリングを頭で記憶しようとするじゃないですか。今のはトップが深かった、とか、今のは左ひざが流れなかった、とか。でも、それって感覚的なものじゃないから、多くの場合“勘ちがい”なんですよ。だから、「今のショット、左ひざが流れなかったのに曲がった……」なんてときに、一瞬で迷子になってしまうんです。

上杉 心当たりがありすぎますね、それは。ついさっきまでその状態でした。

中井 さっきは林の中からの脱出イメージで元に戻ることができましたが、やはりナイスショットの感覚、フィーリングはしっかりと刻んでおきたいんです。目から入る情報は圧倒的ですから、それを遮断するだけで途端に身体のフィーリングが感知できるようになるんです。そして、頭で考えた記憶より、身体で感じた感覚のほうが、はるかに再現性が高いわけです。

上杉 うーむ、まさに「考えるな、感じろ」。マトリックスのモーフィアスみたいなことを言いますね、今週の中井プロは。

中井 渋いネタですね。ともかく、読者の皆様、ラウンド中に「スウィング迷子」になったら、チーピン持ちに多いアオるタイプの人は林の中から低い球で脱出するイメージを、スライス持ちに多い突っ込むタイプの人は目の前の高い木を越えるイメージを持ってスウィングしてみてください。同時に、普段の練習に目をつぶって打つ練習を取り入れることも忘れずに。

上杉 よし、分かりましたよ! さっそく次のショット、林の中から脱出するイメージで目をつぶってグリーンを狙ってみます!

中井 球の行方が見えなくなるので、やめたほうがいいですよ、それは……。

 

というわけで、目をつぶって打つのはあくまで練習場で! 周囲の安全を確認し、まずは短いアプローチから。錆びないスウィングフィーリングが、必ず身に付くはずですよ。というわけで来週も、目指せ、マスターズ!



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