僕のマグノリアレーン

2013.09.06

【第132回】
オーバーのミスにご用心

僕のマグノリアレーン

マスターズという夢の向かってゴルフに夢中な日々を送る元ジャーナリスト・上杉隆と、レッスン担当中井学のゴルフレッスンドキュメント、通称「僕マグ」。今週は、久しぶりに上杉と中井がラウンドレッスンをしております。

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ショットはよくなってきた上杉。
でも肝心のスコアは……。

中井 今日は上杉さんのホームコース、鹿島の杜GCにお邪魔しているわけですが……上手くなりましたね、上杉さん。

上杉 どうしたんですか、中井プロ。いきなり褒め殺しですか?

中井 いや、本当に。ショットは本当にいいですよ。とくにドライバーの安定感は素晴らしい。飛距離も十分に出ているし。

上杉 そうなんですよ。自分で言うのもなんですが、この連載がはじまった2年半前と今では、ショットの飛距離、精度は比べ物になりません。で、ここからが問題なのですが、圧倒的にショットが良くなった割に、そこまでスコアが良くなってないんですよ。どういうわけですか、これは。

中井 たしかに、ショットだけ見たらパープレーで回ってきたっておかしくない。にも関わらずラウンドすると80を打ってしまう。その原因はひとつ。感覚のズレです。

上杉 なんですか、感覚のズレって。メディアカンパニー代表として、世間との感覚のズレはかなりまずいんですけど……。

中井 「世間との」ではなく「自分の中の」です。上杉さん、さっきからグリーンを狙うショットでオーバーのミスを連発しているの、気づいていますか?

上杉 あっ、たしかに。気が付くとグリーン奥からの難しいアプローチばっかりやってます。

中井 以前の上杉さんは、圧倒的にショートのミスが多かったんです。それが、今はオーバーのミスばかりになった。なぜかといえば答えは単純で、それは飛ぶようになったからなんです。そして、上杉さんは飛ぶようになった自分の感覚を信じ切れていない。どうしても、飛ばなかった頃の感覚で番手を選んでしまうから、結果的にオーバーしてしまうんです。

上杉 そうか~。「ゴルフは手前から」という格言もあるように、オーバーしてたらスコアがまとまらないのは道理ですね。

中井 ピッチングで100ヤードだった飛距離が、120ヤードまで伸びていますからね。そして、120を打てることは上杉さん自身分かっているんです。でも、手前に絶対に入れてはいけないバンカーがあって、そのバンカーを越えるにはキャリーで120が必要なとき、ピッチングを持つことにどうしても心理的抵抗を感じているのだと思います。

上杉 うーん、たしかにそうかも。

上達の過程で起こる"感覚のズレ"が
マネジメントを崩壊させていた!

132池やバンカーがある状況でも、上達した自分の飛距離を信じることができるか……
中井 奥からのアプローチは、基本的にしんどいですからね。いくら寄せることに成功してパーセーブできたとしても、精神的には苦しいから、次はもっとピンそばに寄せたくなる。そうなると、ミスの許容範囲がどんどん狭くなっていって、最終的には“マネジメント崩壊”になってしまいます。

上杉 “崩壊シリーズ”は私の代表的な著作群ですが、自らのゴルフマネジメントまで崩壊するのは想定外です。

中井 読者のみなさんにも言えることですが、ゴルフって、上達するなかで絶対にこのような感覚のズレが発生するんですよ。高原のゴルフ場に行くとアイアンが1、2番手余計に飛んだりして戸惑うことがありますが、そのような戸惑いがずーっと付いて回る時期。こういうときは、勇気を持って新しい感覚を信じるしかありません。手前に池がある状況で、「飛ぶようになった自分」を信じること。それを続けることでしか、感覚は更新されません。ましてや上杉さんは、マスターズ出場という極めて高い目標を掲げているわけですから。

上杉 そこなんですが、実はもうちょっと足元を見つめ直したほうがいいんじゃないかと思い始めたんですよ、最近。

中井 えっ、今さらですか?

上杉 マスターズの前に、やっぱりアマチュアとして「ナショナル・アマチュア」に勝たなければいけないだろう、と。

中井 ナショナル・アマチュアというと、つまりは「日本アマ」ですね。うーん、マスターズ出場というと漠然とした夢のイメージですが、日本アマ優勝というと、下手に具体的な分だけその難しさがリアルに感じられて、なんというか、大変ですね。

上杉 考えが浅いですね、中井プロ。私は日本アマに勝つなんて言っていません。目標はあくまでナショナル・アマチュア。そうだなあ、「カンボジアアマ」なんかどうでしょうか。

中井 ……一応、猫ひろしか! と突っ込んでおきます。

上杉 あるいは「モナコアマ」とか「バチカンアマ」とか。とにかく、国の名のつくアマチュア競技に勝って、自信を付けたいんですよ、私は!

中井 あるのかなぁ、「モナコアマ」に「バチカンアマ」……。

 

というわけで、今週は感覚のお話。オーバーのミスは腕前が上がった証拠、だけどそれがスコアを作る上では落とし穴にもなる。そのあたりの感覚の溝をいかに埋めるかは、いかに自分を信じ切れるかの問題でもあります。というわけで来週も、目指せ、カンボジアアマ、じゃなかったマスターズ!



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