僕のマグノリアレーン

2013.08.02

【第128回】
ゴルフを拡げる「縛りプレー」

僕のマグノリアレーン

マスターズを目指すという夢に向けて、まったりゴルフの日々を過ごす元ジャーナリスト・上杉隆とプロゴルファー・中井学。おじさんふたりのレッスン連載、今週はコース選びについて!

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コースマネジメントを学ぶ
中井プロおすすめの方法とは?

中井 今週はコース選びのお話をしたいと思います。

上杉 ちょっと待ってください、この連載の趣旨は「マスターズを目指す」というもの。マスターズの開催コースはオーガスタナショナルGCですから、その他のコースは論じるに値しません。

中井 いやまあ、そうなんですけどね……。そのマスターズを目指すために練習するのに最適なコース、という意味合いです。

上杉 なるほど、ならばいいでしょう。

中井 ありがとうございます。なんで感謝しているんだろう……。さて、今からお話しするのは、ラウンドの際にちょっと工夫することでより効率よく上達できる、というお話です。

上杉 どっちみちラウンドはするわけですから、ついでに上手くなれるなら大歓迎です。

中井 ですよね。まずオススメしたいのが、「縛りプレー」です。

上杉 縛りプレー!? なんという卑猥なことを言い出すんですか。

中井 違いますって。縛りプレーとは、ラウンド中に使用するクラブに縛りを設ける、すなわち制限するという意味です。

上杉 あ、そっちか。麻雀でいう「満貫縛り」みたいなものですね。

中井 そっちのほうがかえって分かりにくいです。

上杉 それで、どのような縛りを設けるんですか?

中井 僕がよくやるのは、「5番アイアン以下縛り」です。

上杉 5番アイアン以下の番手しか使わないということですね。しかし、それになんの意味があるんですか?

中井 ふたつの意味があります。ひとつは、5番、6番といったクラブの精度を高められること。もうひとつは、マネジメントを強制的に考えられることです。たとえば420ヤードのパー4があるとします。僕の5番アイアンのフルショットは200Yなので、絶対に2オンできません。すると、3打目をどこから何番で打つかを考えざるを得ないのです。

上杉 200ヤードを2回打って、その後短いアプローチを打つか、あるいは得意距離を残すかといったことですね。

中井 おっ、その通りです。このときのポイントは、ティグラウンドで考えるのが「3打目」になるということです。その結果、グリーン周りのハザードの状況を確認するクセが自然に身に付くんです。

上杉 あ~、たしかに、「行ってみたらハザードがあった」っていうことが、私の場合ままあります。無論、私が入れてしまうような場所にあるハザードは即刻撤去していただきたい旨、コースにお伝えしますが――。

中井 オーガスタでいつも邪魔になる17番ホールの木を切るように進言し、ついに受け入れられなかったアイゼンハワー大統領のような真似はやめてください。

上杉 以降、自粛します。しかし、たまに7本のハーフセットや10本のセットでラウンドするという人がいますが、5番アイアン以下という縛りは珍しいですね。

使用ティを変えてみると
新たな発見があるぞ!

128「5番アイアン以下縛り」など、使用クラブを制限することでマネジメント力が磨かれる

中井 たとえば7本だったら、とりあえずドライバーは入れるじゃないですか。仮に入れないとしても、スプーンやクリークは入れますよね。それだと、あんまり意味がないんです。普段のラウンドと大して変わりませんから。「ロングショットを打てるクラブがない」この状況が、マネジメントを磨いてくれるんです。

上杉 ちょっと話は変わりますが、私のアイドルであり、マスターズにも2回勝っているセベ・バレステロスは少年時代、3番アイアン1本でゴルフを覚えたんですよね。

中井 3番アイアンだからロングショット用のクラブではありますが、1本だけという極端な縛りを設けることで、俄然マネジメント力は磨かれるでしょうね。バンカー方向にはまず打てませんから、自ずとターゲットをより強く意識したゴルフになるはずです。

上杉 セベの場合、バンカーショットも3番アイアンで楽々と行ってしまいますけどね。

中井 ちょっと特殊です。セベは。もうひとつオススメは、いつもと同じコースでも使うティを変えてラウンドするやり方です。毎回レギュラーティだけでなく、たまにはバックティ、あるいはフルバックから回ってみる。これは、距離が長い=難しいというわけではないことが分かると思います。

上杉 ほほー、そういうものですか。

中井 ゴルフって、結局自分で体験しないと分からないですからね。レギュラーティからドライバーでOBを打ってダボ、トリをいつも打つホールで、フルバックから5番アイアンでティショットを打ってパーがとれたりして、はじめてマネジメントの大切さを学べるんです。

上杉 いや、たしかに距離でスコアは変わらないような気はしますね。

中井 そうそう、意外とそうなんですよ。「無理攻め」をしていいことなんて基本的にないですから。そのように、スウィングありき、ショットありきではなく、落としどころありき、マネジメントありきでゴルフを組み立てるのが、強いゴルファーになる第一歩なんです。

上杉 私はネット等で誹謗中傷を多く浴びますからね、強いゴルファーかどうかは分かりませんが、「打たれ強いゴルファー」であることは間違いありません。

中井 案外、メジャーの過酷なセッティングに向いているかもしれませんね……。

 

というわけで、いつもと違うティからプレーすると、ゴルフに新たな発見があるかもしれません。脱! ティショット=ドライバー発想! ということで来週も、目指せ、マスターズ!



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