僕のマグノリアレーン

2013.07.12

【第125回】
曲げれるもんなら、曲げてみな。

僕のマグノリアレーン

マスターズ出場を夢見る男、元ジャーナリストの上杉隆と、プロゴルファー中井学。オジサンふたりのゴルフレッスンドキュメント、今週は「100ヤード」のおはなし。

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井戸木、松山に続き今週は、
"バッバ・ワトソン"ドリルです

上杉 気が付けば、「ゴルフダイジェストTV」(golfdigesttv.jp)で絶賛放映中の動画版「僕マグThe Movie」も、6回配信されているんですね。

中井 そうですね、パッティング編が終わって、先週からは100ヤード以内の精度を高める話になっています。

上杉 せっかく「文字」と「動画」と両方で連載をしているんだから、たまには連動したほうがいいんじゃないかと思うのですが――。

中井 あ、そりゃそうですね。よし、今週は「僕マグThe Movie」と連動するカタチで、ショートアイアンのレッスンをしましょう!

――コースへ移動――

上杉 ……あれ、100ヤードの練習じゃなかったでしったけ。なんで私はいまフェアウェイ左の林の奥深くにいるのでしょう。

中井 名付けて「バッバ・ワトソン式練習法」ですよ。2012年のマスターズ、ルイ・ウェストハイゼンとのプレーオフ2ホール目での、バッバのスーパーショットを覚えていますか?

上杉 もちろんですよ。グリーンまで157ヤードの林の中から、大きなフックをかけてグリーンをとらえ、優勝を引き寄せた、グリーンジャケットにふさわしい一打でした。

中井 あのときは「右の林」からでしたが、バッバはレフティですから、上杉さんの場合「左の林」から打つことで、あのときの状況を再現できます。バッバは157ヤードを52度のウェッジで打ったのですが、同じクラブを使うとしたら、上杉さんの飛距離はせいぜい100ヤード……。

上杉 ドライバーならともかくとして、ウェッジで50ヤード飛距離差があると、ほとんど絶望的な気分になりますね、しかし……。

中井 そこはおいておきましょう。世の中の99.99%のゴルファーは、あんな芸当はできません。さて、では早速この状況から、フックでグリーンを狙ってみてください。

上杉 ふふふ、曲げて狙うのは少年時代からの私の得意技。おやすいご用です(と、打つ)。あっ、真っすぐ飛んでしまった! うーん、やってみると難しい。おかしいな、普段はショートアイアンで引っかけのミスが出るのに……。

ショートアイアンの引っかけは、
カラダの回し過ぎが原因だ!

上杉隆 ゴルフ
引っかけないために、下半身をしっかり回すことを意識しているという上杉だが……

中井 そこが今週のポイントです。上杉さん、今のショット、どんなイメージで打ちましたか?

上杉 フックをかけるわけですからね。腰の回転を止めるようなイメージで、フェースローテーションを積極的に行って打ちました。

中井 では、引っかけがよく出るという普段のショットは、どのようなイメージで打っていますか?

上杉 引っかけないために、なるべく下半身をしっかりと回すようにしていますね。それでも引っかけちゃうんだけど。

中井 今の上杉さんの回答は、一見正解に思えますが、実は不正解なんですよ。

上杉 えーっ。納得がいかないな。ショートアイアンのミスは、ふつうカラダが止まって手打ちになった結果起こるものでしょう。

中井 それは完全に「思い込み」です。そのように打てば、当然手元が先行するはずですが、手元が先行すればフェースが開いてプッシュアウトになるはずなんです。そもそも、ウェッジやショートアイアンは、ドライバーなどの長いクラブに比べて、はるかに「曲がりにくい」はずです。

上杉 なんで?

中井 ロフトがあるからです。ボールが曲がるというのは、左、もしくは右に横回転がかかり過ぎた結果起こる物理現象。ロフトのあるクラブはタテ回転がかかりやすい分、横回転はかかりにくい。だから曲がりにくいんです。サンドでスライスを打つのって、考えるだけで難しいでしょう?

上杉 甘いですね、シャンクという手があります。

中井 狙ってシャンクが打てたら日本アマ出場は間違いなしですよ……。ともかく、ウェッジで球を曲げるのは実は難しい。だからバッバはすごいんですが、それではなぜアマチュアは100ヤードから左に曲げてしまうのかといえば、理由は簡単。「左に打ってる」だけなんです。

上杉 ん? そもそも左に打ち出しているってこと?

中井 その通り。左に打ち出してしまうということは、インパクトでフェース面が左を向いているということ。そして、フェースが左を向いてしまう理由としては、「カラダの回し過ぎ」が挙げられます。

上杉 どういうこと?

中井 ショートアイアンの場合「引っかけないようにカラダをしっかり回そう」と意識するあまり、上半身も下半身と一緒になって回ってしまうことがあるんです。そうすると、インパクトでは下半身はターゲットラインに対してオープン、上半身も同時にオープンな状態になります。いわゆる、ドアスイングってやつですね。

上杉 あ~、だからカラダを回す意識だと引っかけるのか。

中井 そうそう。理想はあくまで下半身オープン、上半身スクェア。ショートアイアンの場合は、むしろカラダを止めるくらいのイメージで、この状態が作りやすくなるんです。

上杉 なるほどな~。上半身と下半身の「差」が重要なわけですね。

中井 ちょっと高度な話ですけどね。そこを頭の中で意識するだけでも、結果は大きく変わってくるはずですよ!

 

残り100ヤード、絶好のライ。バーディチャンスにつけるぞ、と打った球が左に曲がってバンカーへ……そんな経験、誰にもある。それって実は、カラダを回す意識が強過ぎることで起こっていたんです。マジかよ~。ということで来週も、目指せマスターズ!



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