僕のマグノリアレーン

2013.06.27

【第123回】
「松山フォロー」を手に入れろ!

僕のマグノリアレーン

夢のマスターズ目指して日夜ゴルフに励む元ジャーナリスト・上杉隆とレッスン担当・中井学。今週は、今もっとも気になるあの選手の技術をいただきます!

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今週は飛距離を伸ばすための
ドリルを紹介します!

中井 先週「ジャスティン・ローズ・ドリル」による、下半身リードの覚え方を紹介しました。今週は、続けてスウィングのレッスンでいきましょう。

上杉 トップで一回止まって、左ひざをアドレスの位置に戻すことによって切り返すというドリルでしたね、たしか。

中井 その通りでございます。読者の皆様、お試しいただけましたでしょうか?

上杉 その後、私はまだ試していません。

中井 なんてことを言うんですか……しかし、極度の練習嫌いでありながら、70台で回ってくるんだから大したものです、逆に。練習しないでマスターズに出場するのは不可能ですが……。

上杉 まあ、それはそれ、これはこれです。

中井 どれが「それ」でなにが「これ」なのかは分かりませんが、ともあれ下半身リードが習得できたら、次に狙うはさらなる飛距離アップです。

上杉 おっ、いいですね~。やはり飛距離は距離の長いコースを攻略する上では圧倒的なアドバンテージですからね。

中井 その通りです。ジャンボ尾崎プロが、ご自身のHPの中で、松山英樹くんを称して、「最近飛ばすプロも多くなってきているが、彼らと違うのは松山は飛ばさないようにスイングをして飛ばしているという事である」と述べていますが、飛距離あってこそのコントロールですからね。

上杉 私が飛ばさないようにスウィングすると、本当に飛ばなくなってしまうのですが……。

中井 ジャンボさんもおっしゃっていますが、それはまだまだスウィングの「排気量」が少ないということ。今週はその排気量を上げるレッスンをしたいと思います。

上杉 どうやればいいのですか?

中井 ジャンボさんも絶賛する松山くんのフォロースルーの良さ。それを実現するためのドリル――そう「ヒデキ・マツヤマ・ドリル」です。

上杉 ……なんか、大丈夫ですか? この連載。

中井 大丈夫です……たぶん、大丈夫です。ともあれやり方はかんたん。先週お伝えした要領で下半身リードで切り返したら、フォローで右手を離すだけ。

上杉 右手を離す?

中井 ええ。野球で、ホームランバッターがボールをとらえた後、右手を離しますよね。あのイメージで、打った直後に右手を離し、左手一本でフィニッシュまで振り切るわけです。試しに素振りでやってみてください。

上杉 了解です。えーと、構えたらみぞおちを右に向けるようなイメージで手を使わずにクラブを上げて……左ひざをアドレスの位置に戻すようにして下半身リードで切り返したら……フォローで右手を離す! うわわっ!

中井 いいじゃないですか!

上杉 うわーっ、ビックリした。なんか、手を離した瞬間に、ものすごい遠心力を感じましたよ。クラブヘッドがいつまでも加速していくような……。

左ひじを抜くクセを直すには
フォローで右手を離してみよう

123フォローで右手を離すと遠心力を実感できる

中井 多くのアマチュアに同じ動きが見られますが、上杉さんはインパクト以降、左ひじを“抜く”ように使うクセがあるんです。遠心力がターゲット方向にかかっているのに、左ひじを抜くように使うと、遠心力に対するブレーキになってしまうんです。

上杉 ほう。

中井 右手を離せば、遠心力に引っ張られて左ひじを抜くなんてことはできませんからね。今上杉さんが感じたのが、本来のヘッドのエネルギーなんですよ。そして、このフォローのエネルギーが、ひるがえってインパクトにも加算され、飛距離を伸ばすんです。

上杉 うーん、たしかに、今のスウィングは飛びそうですね。

中井 じゃあ、実際に打ってみましょう。

上杉 はい(と、打つ)。おーっ、軽い! まるでインパクトでピンポン玉を弾いているような感覚です。

中井 インパクトで当てにいくのではなく、大きいフォローでフィニッシュまで振り切っている証拠です。飛距離も出ていますね。

上杉 なんか、教われば教わるほど、力を入れなくて済むようになっている気がします。

中井 まさに、その通りです。ゴルフの飛距離って、筋力や体格の影響ももちろんありますが、それ以上に「いかにクラブを効率的に動かせるか選手権」ですからね。無駄な力を抜けば抜くほど、飛ぶようになるんです。

上杉 うーん、すごい。でも、これだとショットの安定度には欠ける気がするんですけど。

中井 そんなことないんですよ、実は。右手を離すと不安定に感じるということは、インパクトからフォローにかけて、必要以上に「自力で」クラブをコントロールしようとしているってことなんです。逆に、右手を離しても不安に感じないなら、それはダウンスウィング以降「なにもしていない」証拠です。

上杉 ああーっ!!

中井 どうしたんですか、突然。

上杉 思い出した! 今年、つるやオープンの最終日に取材に行ったんですよ。それで、優勝した松山選手に、記者会見で質問したんです。「今日は何度かショットの後右手を離していましたが、あれはミスショットだったのか?」と。

中井 うわ、すごい。まさに今週のテーマそのままじゃないですか。松山くんはなんと答えたのですか?

上杉 「え? 離しましたっけ?」って。すごいですよ。さすがの鈍感力です。

中井 そうですね、鈍感力もそうだし、松山くんにとっては「右手を離す」という動きが、まったく不自然でないということですよね。ダウンスウィングで、クラブを自分で無理にコントロールしていない証拠でもあります。うーん、素晴らしい。いい質問をしましたね。

上杉 ふふふ。ともあれ松山選手は初出場の全米オープンで10位ですからね。よし、私も彼の背中を追いかけますよ!

中井 年齢は上杉さんの半分以下ですけどね……。

 

……ちなみに松山プロは、右手を離したのはおろか、その打球が左に曲がったことも覚えていなかったとか。おそるべし、松山英樹! 今後、マスターズの常連になるに違いない若武者を見習って、目指せ、マスターズ!



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