僕のマグノリアレーン

2013.06.20

【第122回】
「ジャスティン・ローズ・ドリル」!

僕のマグノリアレーン

夢のマスターズを目指して日夜ゴルフに励む元ジャーナリスト・上杉隆とレッスン担当・中井学。今週は、大熱戦となった全米オープンの話題から!

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ジャスティン・ローズは、
中井理論でスウィングしていた!?

122今年の全米オープンはジャスティン・ローズの優勝で幕を閉じた

中井 うーん、面白かったですね、全米オープン。

上杉 面白かったですね~。

中井 僕が「次、メジャーに勝つ選手」筆頭に挙げていたジャスティン・ローズがついに勝ちました。いや~、よかったなぁ、ジャスティン。我がことのようにうれしい。

上杉 17歳で全英に4位になったのが、いつだっけ。1998年か。もう15年前なんですね。

中井 その直後にプロ転向して、プロ入り後21戦連続予選落ちですからね。ああ、恐ろしい。想像するだけで怖い。

上杉 約4カ月にわたり各地を転戦して賞金はゼロ。それ以上に精神的に苦しかったでしょうね。私も東京都アマでの予選通過以来、試合で成績が残せていませんが、この当時のジャスティンに比べれば、なんのこれしきといった心境です。

中井 しかも、45歳の上杉さんと違い、当時彼は18歳の少年ですからね。その挫折感、絶望感たるや、本人以外には分からないと思います。そこから少しずつ勝利を重ね、世界ランクでも上位に上り詰め、テーラーメイドの看板プロとなり、ついにはメジャーに勝った。うーん、感動です。

上杉 またスウィングがキレイなんですよね。

中井 いいところに気が付きました。ジャスティン・ローズは「中井理論の体現者」と言っても過言ではありません。

上杉 過言な気がするんですけど……。

中井 ま、もちろん僕が教えたわけではありませんけどね……。ただ、彼のスウィングが僕の理想のカタチに近いのは事実です。なんていうのかな。「右を向いて、左を向くだけ」なんですよ。

上杉 シンプルすぎますね、それは。

中井 構えたときの両腕のカタチを崩さず、みぞおちを右に向けるようにテークバック、骨盤が十分にターンし、クラブが上がり切ったタイミングで、下半身リードで切り返す。要するに、僕が今まで上杉さんに教えてきたスウィング、そのままです。

上杉 つまり私にも全米オープンチャンピオンになる可能性がある……?

中井 ……とは言っていません。

上杉 しかしながら、方向性は間違っていないということですね。

中井 その通りです。

上杉 ただな~、どうもその「下半身リード」っていうのが分からないんですよ。

中井 どきっ。うーん、たしかにそうなんですよね。僕らプロはなにより「下半身リード」が大切だって感覚的に分かっているんですが、それをアマチュアの方に伝えるのはすごく難しいんですよ、正直。

上杉 それじゃ、どうしたらいいんですか。

中井 仕方ない、とっておきのドリルをご紹介しましょう。名付けて――「ジャスティン・ローズ・ドリル」です。

上杉 明らかに今考えましたね? その名前。で、どういうドリルなんですか。

バックスウィングで一旦止めて、
左ひざを戻しながら打ってみよう

中井 これはこのコラムを読んでいるすべてのゴルファーに実践していただきたいドリルです。バックスウィングを普通に上げたら、そこで一旦止まってください。

上杉 止まる?

中井 ええ。完全に静止します。バックスウィングをとると、左ひざの位置がアドレス時よりも右足寄りになっていますよね? 止まった状態から、左ひざをアドレスの位置に戻す。それをきっかけにダウンスウィングを行うんです。

上杉 ちょっと、やってみます。バックスウィングしたら、一旦止まって……左ひざを戻す(と、打つ)!   中井 お~、ナイッショー!

上杉 あ、なんか勝手にカラダが動く感じがする。なんというか、自分でも納得のいくスウィングができたときの感覚です。

中井 でしょ? これは、すべてのゴルファーが「下半身リード」の感覚を得られるドリルなんです。通常のスウィングだと、ついつい手でクラブを引き下ろしてしまう人でも、一旦止まりさえすればこの感覚が味わえるわけです。

上杉 なるほど~。でも、スウィング中は止まらずに動き続けるのが基本じゃないんですか?

中井 もちろんそうです。これはあくまでドリル。実際のスウィングでは、止まらずに動き続けてください……とも言い切れないんですよね、実は。

上杉 どういうこと?

中井 正直、下半身リードの感覚が完全に身に付くまでは、トップで止まっていいんです。そのほうが結果がよくなるし、早く下半身リードが身に付く可能性は十二分にあるんです。極端なことをいえば、初心者はバックスウィングをしなくてもいいくらい。

上杉 ええ~、それはさすがに言い過ぎでしょう!

中井 僕も、15年前、アマチュアのみなさんへのティーチングを開始した頃は、決してこういう教え方はしませんでした。「邪道」に感じられたんですね。でも、トップで“一時停止”することでみなさんが下半身リードをより速く習得できるなら、そのほうがいいと最近では思うんです。言い過ぎではありません。「自分は手打ちだ」という自覚のある人は、もちろん練習場で試した上で、実戦でも一時停止して構いません。

上杉 そういうもんか~。しかし、つい先日は全米シニアオープンに勝った井戸木鴻樹プロを参考にし、今回はジャスティン・ローズを参考にして、なんというか節操がないですね、この連載は。

中井 寿司屋とゴルフの連載は、「旬のネタ」で勝負ですよ、上杉さん。ジャスティン・ローズいつ参考にするか……今でしょ! ということです。

上杉 そのネタ、既に「旬」を過ぎてる気がするんですけど……。

 

というわけで、下半身リードを覚えるにはトップで一時停止! これ、本当に有効です。目指せ、ジャスティン・ローズ。目指せ、マスターズ!



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