僕のマグノリアレーン

2013.06.07

【第120回】
井戸木さんになろう!

僕のマグノリアレーン

夢はマスターズ! 元ジャーナリスト・上杉隆と、プロゴルファー中井学が、今週は井戸木鴻樹プロのメジャー優勝を、若干タイミングを逃し気味に語っております。

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このところ何かと話題の多い
男子ツアーですが……

中井 いや~、我々がパターの特訓に明け暮れている間に、ゴルフ界では様々なニュースがありましたね。

上杉 そうですね。なんといっても「ゴルフダイジェストTV」のサイトリニューアル及び、動画版「僕マグ」の配信がスタートしました。

中井 いや、まあ、それもそうなんですけど。ほら、井戸木プロのメジャー制覇とか、松山くんの今季2勝目とか……。

上杉 なんと! 中井プロは僕マグが動画になったり、ゴルフダイジェストのサイトがリニューアルされたのは、取るに足らない些末な問題だと?

中井 んなこと言ってないじゃないですか。とくに、井戸木プロのゴルフは上杉さんにも大いに参考になると思いますよ。

上杉 私は現在45歳ですが、井戸木鴻樹プロは51歳と、6歳差。松山英樹プロは22歳で、23歳差ですからね。たしかに生物学的には井戸木プロにより近いと言えます。

中井 全米プロシニア優勝、アジア人初のシニアメジャー勝利ですからね。本当にすごいことです。もちろん、メジャーとして認定される直前に全英シニアオープンで勝利した須貝昇プロのことも忘れてはいけませんが……。

上杉 しかし、松山くんにできるなら私も、とはなかなか思えませんが、井戸木プロにできるなら私も、とはうっかり思えてしまうから恐ろしいですね。

中井 というわけで、今週は「井戸木さんになろう」をテーマに、レッスンしてみましょう。

上杉 なるほど。井戸木プロのゴルフって、一言でいえばどんな感じなんですかね。

中井 徹底的に「ラクをする」ゴルフです。

上杉 ラク!? 中井プロ、ラクしてメジャーに勝てれば、今ごろ私の自宅のクローゼットにはグリーンジャケットが溢れ返っています。

"ラク"してメジャーに勝った
井戸木のゴルフの秘密とは?

120"しんどい"状況を作らないのが井戸木流のマネジメント

中井 ちょっと説明します。井戸木プロって、よく「飛ばない」って言われますよね。たしかに、数字を見ればそうです。でも、僕は井戸木プロは「飛ばない」ではなく「飛ばしてない」と思うんです。

上杉 え~、飛んだほうがゴルフはラクじゃないですか。

中井 一概にそうは言えません。飛んでもラフや林に入ったら「しんどい」ですよね。多少飛ばなくても、フェアウェイにあったほうがはるかに「ラク」です。

上杉 そりゃそうですね。

中井 井戸木プロのスウィングも、すごい「ラク」なんです。言ってしまえば、構えて右を向き、次に左を向くだけのスウィング。これって、実は僕が上杉さんに教えてきたボディスウィングの考え方とまったく同じなんですよ。

上杉 さっそく、メジャーチャンプの威光にあやかろうという作戦ですね?

中井 違いますって。だってホントにそうなんだモン。

上杉 「くまモン」みたいな言い方をしても無駄です。

中井 とにかく、難しい打ち方をしていない。そして、ウッドを6本も入れている。ロングアイアンを打つのは「しんどい」けど、ショートウッドは「ラク」ですからね。なおかつ、ピンを狙わない。

上杉 ピンを狙わないと、なんでラクなんですか?

中井 下りや横の難しいパット、奥からのアプローチといった「しんどい」状況が激減するからです。上杉さんも痛感していると思いますが、試合では1メートルのパットが必ず「ラク」なわけじゃないですよね?

上杉 たしかに、神経をすり減らすような1メートルってありますよね。

中井 井戸木プロの攻め方は、つねに手前から。だから、ファーストパットがラクに打てる。セカンドパットはラクなパーパット。つねにラクなパットを打っているから、全米プロシニアの最終日のように、ハマればパターが入りまくるわけです。

上杉 うーん、すごい。そうか~、ラクすることを考えればいいのか。

中井 その通り。ティショットは300ヤード飛ばなくていいから、フェアウェイに置く。セカンドショットはピンの手前狙い。この2点を徹底するだけでも、ラフや林からのトラブルショット、グリーン横や奥からのアプローチ、下りのロングパットといった、「しんどい」状況は大いに減りますからね。

上杉 なるほどな~。

中井 単純に、ピン横10センチに突き刺さるような、イチかバチかのスーパーショットを打つのは「しんどい」。逆に、やさしいクラブでそこそこ寄せるのは「ラク」。井戸木プロは、外国人選手たちと力勝負をせず、徹底的に「ラク」を追求する頭脳戦でメジャーに挑んだから、勝てたんだと思います。ある意味、プロ野球の監督みたいなイメージですよ。ベンチには背番号1のドライバーから抑えのパターまで、14本の選手がいる。その選手、もといクラブを状況に応じて使い分け、仕事は彼らにやらせるわけです。

上杉 それ、大事ですよね。自分が動くより、いかに周りを動かすか……。最近はじめた「NO BORDER」の社長業で、私がもっとも頭を悩ます部分です。

中井 仕事も、ゴルフも「ラク」ができたらいいですよね……。

 
人生ラクありゃ苦もあるさー! ですが、ゴルフは「ラク」をしたほうがスコアも良くなるみたいです。井戸木プロにあやかって、ラク~にゴルフしていきましょう。それでは来週も、目指せ、マスターズ!



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