僕のマグノリアレーン

2013.05.16

【第117回】
ナイスインへの「狭き門」

僕のマグノリアレーン

ゴールデンウィークに訪れた「小名浜オーシャンGC」で、スコアは「79」なのに、パット数「43」というわけがわからないゴルフを展開した、マスターズを目指す男・上杉隆。さすがにそのパット数はひどすぎるということで、中井学のパッティングレッスンが始まった!

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今週からパッティング編スタート!
まずは中井プロから上杉に質問

中井 さて、今週からはパッティングのレッスンを開始します。

上杉 先日1ラウンドで43パットも叩いてしまいましたからね。これでは到底オーガスタのガラスのグリーンを攻略できそうにありません。

中井 間違いない。というわけで、まずはパットに関して「問診」をしていきたいと思います。まず、上杉さんの平均パット数はどれくらいでしょうか?

上杉 平均パット数。うーん、どうでしょう。30パットくらいかな?

中井 1ラウンドで43パットもしてしまう人が、平均30パットとは思えませんが……。続いて、好きなラインは?

上杉 好きなラインか~。「箱根スカイライン」とかいいですよね、この季節。いやっ、芦ノ湖スカイラインも悪くないですね。

中井 誰が有料道路の話をしろと言ったのですか。ワインディング・ドーロじゃないですよ本当に。この2つの質問でハッキリしました。上杉さんは、パットに対する意識があまりにも低すぎる!

上杉 なんて失礼なことを言うんですかっ。そんなことありません。

中井 そんなことあったら平均パット数と好きなラインくらい答えられます。いいですか、パットで大切なのは、まずは己のパットの傾向やデータをしっかりと把握することなんです。それをしないと、すべてのパットが「偶然」になってしまうんですよ。

上杉 なんですか、偶然って。

中井 カップ(ホール)って、直径108ミリの穴ですよね。

上杉 セント・アンドリュースの水道管の直径と同じってやつですね。

中井 そうそう。そんな穴がグリーン上にあるわけです。空中の的に当てるわけではないので、はじめてゴルフ場に足を踏み入れた人が打っても、100回打てば1回は入るんです。タイガー・ウッズと「どっちが先に入るか対決」をして、勝つ可能性だってあります。

上杉 それはまあ、そうかもしれません。

中井 でも、それって実力ではなく偶然ですよね。自分のパットの傾向を知り、それに基づいて対策を立てる。その努力なくしてパット力の向上はないんです。よく、「右にも左にも外れるし、ショートすることもオーバーすることもある」っていう人がいるじゃないですか。

上杉 私には考えられませんが、そのような人物が存在することは否定できません。

中井 でも、そういう人でも、しっかりデータを取れば「スライスラインは左に外し、フックラインは右に外れる。下りのラインではショートが、上りのラインではオーバーのミスが多い」とか、確実に傾向はあるはずなんです。

上杉 私にもそのような傾向がある気がしてきたなぁ。

中井 その傾向を知るために、今日はとっておきの練習法をお伝えしましょう。

上杉 お願いします。

あなたのパッティングの傾向と
対策がわかる方法を紹介!

117ボールのワングリップ先にティを2本刺して打ってみよう!

中井 やり方はかんたん。あの1メートル先のカップを狙う感じで構えてみてください。

上杉 はい(と、構える)。

中井 OKです。そうしたら、ボールのワングリップ先くらいの位置に、ゴルフボールがギリギリ通るくらいの幅でティを2本刺して、そのティに当てないようにボールを打ってみてください。

上杉 うわ~、本当にギリギリですね……(と、打つ)。おっ、ティに当たらずに打てた。

中井 ナイスです。これは、「自分の狙ったところに打ち出す」ためのドリル。それに加えて、この練習を行うことで、「ライン」か「タッチ」か「ストローク」か、自分の欠点がどこにあるのかも分かってしまうんです。

上杉 そうか。狙ったところに打ち出せているのに入らなかったらラインの読み間違えだし、ショートやオーバーしたらタッチが悪く、ティにボールが当たってしまったらストロークに問題があるということですね?

中井 お~、大正解です。

上杉 ふふふふふ。ティにも当たらず、なおかつカップインさせましたから、私のパッティングはまさしく完璧と呼ぶほかないということですね?

中井 じゃあ上杉さん、今は2メートルでしたが、今度は5メートル先のカップを狙ってみましょうか。ワングリップ先にティを2本刺すのは同じです。

上杉 お安いご用です(と、打つ)。ああっ、ティに当たってしまった!

中井 このように、上杉さんはショートパットでは狙ったところに打ち出せるけど、5メートルのミドルパットでは狙ったところに打てていないことが白日の下にさらされたわけです。

上杉 知らなかった……。

中井 仮に5メートルのパットが本番のラウンドで入ったとします。しかし、上杉さんは狙ったところに打ち出せていない。ならば、「5メートルを入れた」という結果は、厳しい言い方をすれば偶然に過ぎないわけです。

上杉 偶然でもいいじゃないですか、入れば。

中井 競技の18番グリーンであれば、その通りです。しかし、平均ストロークを減らすには、いかに「偶然」を減らせるかがカギになります。そのためにも、このドリルは効果的なんですよ。

上杉 そうか~。よし、このドリルをフランス文学を代表する作家のひとり、アンドレ・ジッドの「狭き門」になぞらえて、「狭き門ドリル」と名付けましょう。パットも人生も、「狭き門より入れ」ってことですね。

中井 まさにその通りです……たぶん!

 
ちなみに、今週のレッスンは鶴舞GCのパッティンググリーン上で行いました。この練習をする際は、他のプレーヤーの迷惑にならないように、気を付けましょう。効果のほどは保証します! というわけで来週も、目指せ、マスターズ!



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