僕のマグノリアレーン

2013.05.02

【第115回】
松山英樹と、9番アイアンの「排気量」

僕のマグノリアレーン

いつの日か、マスターズに出る。そんな思いを胸にゴルフをエンジョイする男・上杉隆と、レッスン担当・中井学。話題はもちろん先週のあの試合!

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先週末は男子ツアーで
大きな出来事が続きました!

115プロ2戦目のつるやオープンで優勝を飾った松山英樹選手

上杉 先週、尾崎将司プロがつるやオープンで初日にエージシュートを達成。慌てて飛行機に飛び乗り、取材に行ってきました。

中井 ジャンボさんが「62」でエージシュートを達成。そして、最終日には松山英樹くんがプロ初優勝。ふたつの意味で、日本のゴルフ界にとって歴史的な一日でしたね。

上杉 ジャンボさんも凄いけど、松山くんも凄い。最終日ホールアウト後の記者会見に参加して、空気を読まずに質問を連発してきたのですが、なにしろ「ノー感じ」なんですよ。ふつう、プロ初優勝といったらもっと緊張したり、あるいは浮き足立ったりすると思うのですが、そういう感じが一切ない。うーん、さすがは大物ルーキー。

中井 ま、私は「松山くんは開幕から5戦以内に勝つ」とかねてから宣言していましたからね。

上杉 ……でましたね、“後出しジャンケン”が。

中井 ホントなんですって! ああ、もっと早く「僕マグ」で発表しておけばよかった。ただ、もっと正確にいえば、今週の「中日クラウンズ」で勝つと思っていたんです。

上杉 む、やけに具体的ですね。その根拠はなんですか?

中井 すごく単純な話です。飛ばし屋が有利だから。

上杉 ホントに単純ですね。

中井 だって飛びますもん、松山くん。あの飛距離は魅力です。

上杉 ……素朴な質問ですが、松山くん、いや、松山プロと中井プロではどっちが飛ぶんでしょうか。

中井 ドライバー平均飛距離が290ヤードの僕より、松山くんは1番手飛ぶと思います。もちろん、僕も無理をすれば300ヤードは飛ばせますが、松山くんは無理なく300ヤードが打てる。

上杉 私も無理なく300ヤード飛ばせますよ。2打で。

中井 そのネタ、ずいぶん久しぶりに聞いた気がするなぁ……。ともかく、松山くんの飛ばしをプロ野球の投手にたとえると、マックス160キロの剛速球も投げられるんだけど、ちょっと抑えて150キロでコントロール重視にしている感じです。

上杉 なるほどな~。しかし中井プロ。元・ヤクルトスワローズファンクラブ会員の私に言わせれば、ストレートが速いだけでは打者は打ち取れません。

中井 ストレートの球速が飛距離だとすれば、変化球は小技のタッチ。それも松山くんは抜群なんですよ。たとえば僕がマン振りをして300ヤードを超える飛距離を打とうとすると、引き換えに次のショットでのタッチが失われてしまうんです。しかし、彼は同じ力感、同じリズムで300ヤードも30ヤードも打てる。

上杉 むむむ、ダルビッシュ有投手のような男ですね。

中井 ……ところで、上杉さんの9番アイアンの飛距離って何ヤードのイメージですか?

上杉 120~130ヤードといったところでしょうか。

中井 上杉さんのドライバーの飛距離はだいたい240~260ヤード。9番アイアンの飛距離の2倍がドライバーの飛距離と一致しています。これって実は無理せずに飛ばしている証拠で、とてもいいことなんです。思うに、松山くんは無理なく9番で150ヤードを打てるはず。9番アイアンの飛距離は、ある意味ゴルファーの「排気量」の目安となるわけです。

飛距離と同様に大事な数値、
「打ち出し角」と「スピン量」

上杉 参考までに、私は9番アイアンで190ヤードを打てます。

中井 190ヤード!? それは僕にも打てません。いったいどういうことですか?

上杉 簡単ですよ。アイアンのリーディングエッジでボールの赤道をとらえればいいのです。真冬の赤羽ゴルフ倶楽部など河川敷コースでのワンクラブマッチでは必須とされるテクニックです。バラタボールを使用した場合、ただの一発でボールが引き裂かれるという問題点もありますが……。

中井 残念ながら、バラタボールは現在市販されていません。

上杉 ツッコミどころはそこじゃないんですけど……。

中井 いずれにしても、9番アイアンが排気量の目安だとしても、9番だけ飛べばいいってもんじゃないんです。たとえば、上杉さんの使用しているフォーティーンの「TC550」アイアンの9番のロフトは40度。しかし、世の中には9番で36度前後のクラブもあります。ロフトが立っていればその分飛びますが、だからといってドライバーの飛距離は1ヤードも伸びません。

上杉 そりゃそうですね。

中井 しかも、ストロングロフトのアイアンだと、その分スピン量が減り、打ち出し角も低くなるので、ショートアイアンなのに止められないということも起こり得ます。大切なのは飛距離の数字だけでなく、スピン量と打ち出し角との兼ね合いなんです。

上杉 スピン量に打ち出し角か~。たしかに、9番での“リーディングエッジショット”の打ち出し角はほぼ0度、スピン量も限りなく無回転に近い球筋です。でも、世の中には9番は飛ぶけど、ドライバーは飛ばないという人もいる気がするんですけど。

中井 スウィングに大きな問題がないとしたら、あるいはドライバーのロフト選びに問題があるかもしれませんね。上杉さん、僕のドライバーのロフトって何度だと思います?

上杉 中井プロは飛ばし屋ですからね。8度とか?

中井 11度なんですよ、これがまた。

上杉 11度!? そんなの、下手したら女性用クラブのロフトじゃないですか。まっ、まさか本当は女性だったんですか?

中井 (無視して)僕のドライバーの理想の打ち出し角は13度。スピン量は2000回転前後がもっとも飛びます。スウィングで2度分、インパクトでロフトが増えて、ロフトの11度+2度で13度。これが僕の理想のボールなんです。

上杉 うーん、ビックリした。これは意外です。

中井 アマチュアの人で、ドライバーよりスプーンやクリークが飛ぶっていう人、けっこう多いんです。そういう人は、ドライバーのロフトを疑ってほしい。もしかしたら、自分の排気量を下回る飛距離しか叩き出せていないかもしれませんから……。

 
さて前回「次週、発表あり」とお伝えしましたが、話が盛り上がり過ぎて字数オーバー! なのでここで手短かに。ご好評いただいております「僕マグ」ですが、近日中に動画版の題して「僕マグTHE MOVIE」が、ゴルフダイジェストTVで配信スタートとなります。詳細はまた追って。目指せ、マスターズ!



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