僕のマグノリアレーン

2013.04.25

【第114回】
全ホールドライバーという罠。

僕のマグノリアレーン

「マスターズを目指す!」と宣言し、中井学の指導の元、現在鋭意アマチュア競技参戦中の元ジャーナリスト・上杉隆。そういえば、先日なにか試合に出てたような……。

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関東アマ予選に出場したはずの
上杉の結果は……?

中井 ところで上杉さん、先日の関東アマ予選の結果はどうだったんですか?

上杉 関東安馬予選? なんですか、それ。横綱・日馬富士の昔のしこ名でしょうか。

中井 違います。関東アマチュアゴルフ選手権予選のことです。

上杉 ああ、そういえばありましたね、そういった試合が。ははは、遠い過去の記憶です。

中井 ……すべてを察しました。

上杉 違うんですよ、中井プロ。たしかにスコアは85とかなり悪かったのですが、その日は日本列島を春の暴風が襲った日。80台前半で予選通過は可能だったんです。ああ、一発のOBが私の運命を変えてしまった。

中井 またしてもOBですか。上杉さん、勝負どころでOBが出ますよね。ちなみに、どのクラブでOBを出したんでしょう。

上杉 ドライバーです。

中井 やはり。通ってましたね、予選。

上杉 なぬっ。どういうことですか?

中井 はっきりいって、上杉さんは「ティショット=ドライバー」という固定観念が強過ぎるんですよ。極端なドッグレッグホールくらいですよね、上杉さんがティショットでドライバーを使わないのって。

上杉 ふふふ、やはりドライバーはゴルフの華ですからね。

中井 その思想を持ち続ける限り、OBはなくなりません。

上杉 しかし、2年この連載を続けて、ドライバーの飛距離アップに成功し、正確性も以前よりも増しました。この上、さらにドライバーの精度を高めるのはなかなか大変な気がするんですけど……。

中井 技術的にはひとまず十分。僕が言いたいのは、技術ではなく考え方の部分です。先日、いつものセベ・バレステロスGCで一緒にラウンドしたじゃないですか? そのときの僕のプレーを覚えていますか?

上杉 残念ながら、ひとつも覚えていません。

中井 ……そうですか。あの日の僕のスコアは「69」。白ティから回ったのでスコアはどうでもいいのですが、ポイントはティショットです。あの日、僕はティショットでドライバーを4、5回しか使っていません。

上杉 情けないですね~。まったく男らしさに欠けたプレー態度と言わざるをえません。

2打目のベストプレースを考えて
ティショットの番手を選択しよう!

114ティショットだからといって、無条件にドライバーを握るのは大きな間違いだ!

中井 だから違うんですよ。よく考えてみてください。上杉さん、パー5のセカンドで必ずスプーンを持ちますか?

上杉 持ちません。私の飛距離をもってしてもパー5で常に2オンが可能なわけではありませんし、刻んだほうが有利な場合も多々ありますからね。

中井 ですよね。ティショットもまったく同じなんですよ。上杉さんの飛距離が大体250ヤードとして、すべてのホールの250ヤード地点が、セカンドショットを打つのに最適な場所だと思いますか?

上杉 むむむ。そう言われてみると……。

中井 そんなわけないんですよ。もちろんティから250ヤード地点がベストプレースな場合もあるでしょう。しかし、250ヤード地点にバンカーがあったり、極端な傾斜地だったりする場合なんていくらでもあります。さらに、その地点に限ってフェアウェイが右に傾斜していて、その先にOB杭が待ち構えている、なんていう状況もゴルフ場ではザラにあります。

上杉 そうそう! そういうOBに往々として打ち込むんですよ、私は。

中井 まずはそこを見極めることです。ホールによって、ティから200ヤード地点がベストプレースな場合もあるし、中には180ヤード地点がベストということもある。反対に、250ヤード地点がワーストプレースな場合だってあるんです。そしてもうひとつ、はっきり言って、上杉さんはドライバーよりもむしろフェアウェイウッドのほうが上手い。

上杉 あ、言われてみると最近フェアウェイウッドでミスらしいミスをしていないかも。

中井 でしょ? さらに、ロングアイアンを抜いてユーティリティを入れたことで、170~200ヤードの距離は、かなり得意になっているはずなんですよ。だから、たとえば400ヤードのパー4ならティショットを5番ウッドで220ヤード、セカンドはユーティリティで180ヤードという風に組み立てれば、ミスの確率は意外と少ないんです。

上杉 でもな~、刻むのってやっぱり男らしくないでしょう! 男はドライバーですよ、やっぱり。

中井 むしろ逆ですよ。飛距離の出ない女子プロは、ティショットでドライバーを持たざるを得ない。対して、飛距離の出る男子プロほど、ティショットでフェアウェイウッドやユーティリティ、アイアンを多用します。全英オープンでドライバーを一回も持たず、すべてアイアンでティショットしたタイガー・ウッズは男らしくないですか?

上杉 ぐぬぬ。

中井 僕は、上杉さんは「全ホールドライバー」をやめた瞬間、関東アマなどのエリートアマチュア競技で予選通過ができると思っています。曲がった結果のOBは仕方ないんです。でも、上杉さんは打つ必要のないOB、番手を下げてベストプレース狙いのショットをするだけで出ることのなくなるOBを打って、スコアを失っているわけですから。

上杉 ……エリートアマチュア。うーん、いい響き。中井プロ、もう一回言ってもらってもいいですか?

中井 だから、全ホールドライバーをやめたら、の話です。そして「俺には関係ないや」と思っている読者のみなさん、突然ですがこんにちは。今週のテーマは、上杉隆さん個人の問題ではなく、すべてのゴルファーに言える話。いいスコアで上がりたいなら、全ホールドライバーという選択肢は、「やめたほうがいい」ではなく、「ありえない」。それを頭の片隅において、次回ラウンドしてみてください。

上杉 まったく、今どきいるんですかね? 全ホールドライバーと決めている愚かなゴルファーなんて。

中井 ええ、そう思っている人が早く間違いに気づいてくれるといいなあと思いますよ、本当に……。

 
うーん、耳が痛い! でも、たしかに14本のクラブすべてを使ってコースと戦うのがゴルフ。ティショット=ドライバーという固定観念を壊すのも、ひとつの立派な上達法なのです。というわけで来週も、目指せ、マスターズ! ちなみに来週、僕マグに関する新発表をする予定ですよ!



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