僕のマグノリアレーン

2013.04.04

【第111回】
グリップ変えるや、変えざるや。

僕のマグノリアレーン

マスターズを目指してゴルフ界を右往左往する元・ジャーナリスト上杉隆とそれに伴走するプロゴルファー・中井学のレッスン連載「僕マグ」。重要な試合を目前に控えた上杉が、今週ひとつの“決断”を迫られます。

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大事な大会の前に中井から
上杉に新たな課題が……。

中井 先週は、グリップの新しい呼び方について考えました。今週は、その続きです。従来のフック/ストロンググリップ、ウィークグリップという呼び方は、実体にそぐわないといったものでしたね。

上杉 そうでした。フックグリップは「フックが出やすいグリップ」というわけではない、みたいな話でしたっけ。

中井 ものすごくザックリで言えばそうです。フックグリップは、あらかじめ腕を右に回した状態で握るやり方。そのぶん、スウィング中のアームローテーションを使いにくい。簡単にいうと、フェースの開閉がしにくいグリップなわけです。

上杉 反対に、ウィークグリップはフェースの開閉がしやすいわけですよね。

中井 その通りです。で、上杉さんのグリップは……。

上杉 パーフェクトグリップと呼ぶしかない、という話でした。

中井 え~と、そんな話はした覚えがありません。上杉さんのグリップは、左手甲がほぼ正面を向く、典型的なフックグリップ。そのため、スウィング中にフェースの開閉をしづらい。上杉さんの場合、この握り方がミスの原因となっています。

上杉 なんで?

中井 前にも言いましたが、上杉さんって、始動の直前にフェースをかぶせるクセがあるじゃないですか。

上杉 あれね~、意識しているのですが、なかなか直りません。

中井 で、フックグリップじゃないですか。つまり、フェースがかぶった状態をキープしたまま振っているわけですよ。だから当然、フェースがかぶった状態でインパクトを迎える。

上杉 で、結果、チーピンが出ると。ダメじゃないですか。

中井 そうなんですよ。都アマで上位に進出し、国体予選に歩を進めようと思ったら、今からでも遅くありません、もう少しウィークな握り方に変更するべきです。

上杉 え~! 試合目前で変えることないでしょう。再来週は東京都アマ決勝、その次は関東アマ予選と、連続で試合があるっていうのに。

中井 いや、試合の直前だからこそ、変える必要があるんです。上杉さんは、最近競技ゴルフの面白さに気が付いてきたとはいえ、まだ心のどこかに「ゴルフは楽しけりゃいいや」という意識があります。「マスターズを目指す」という連載を2年にわたり続けてきたにも関わらず。

上杉 むむむ。

グリップを変えることで
スウィングは大きく変わる!

111左へのミスを防ぐためグリップを少しウィークに変更する上杉

中井 「試合で結果を出す!」そういう強固な意識がなければ、グリップというスウィングの根幹部分はいじれない。グリップの変更はかなりの違和感を生じますから、覚悟がないとダメなんです。かつて、青木功プロはグリップを変更する際、両手とクラブをぐるぐる巻きにして固定し、食事の時は一緒に練習していた鷹素南雄プロに「あーん」して食べさせてもらったと言いますからね。

上杉 ……ということは、私も中井プロに食事を手伝ってもらうわけですか。うーん、なんか微妙ですね。

中井 そこまでしろとは言ってませんし、僕は基本的にはストロンググリップをオススメしたいと思っています。しかし、現状では、グリップを少しウィークにしたほうが、上杉さんが抱えているスウィングの問題を解決できる可能性があるんです。

上杉 ……どういうことですか?

中井 ここからは、多くのアマチュアゴルファーに共通する点ですから、読者のみなさんも参考にしてください。上杉さんのスウィングは、
1.ボール位置が右足より
2.フェースをかぶせて構える
3.上からブツけるように振る
という特徴があります。こういうふうに振るアマチュアは、実に多いんです。すべて「ボールをつかまえたい」という意識から来るものです。

上杉 それとグリップがどう関係するのでしょう。

中井 今挙げたスウィングの特徴は、すべてフェース面をなるべく変えずに振りたいという意識から生まれます。フェースをかぶせた状態をキープしたまま振れば、スライスしませんからね。ところが、ウィークに握ると、どうしてもフェースを開閉させざるを得なくなるわけです。

上杉 ほう。

中井 すると、ボール位置が右足寄りではフェースターンが間に合いなくなるため、ボール位置は左足寄りになります。さらに、フェースをかぶせて構えると、フェースターンが極端に大きくなりすぎてしまうので、スクェアに構えるようになる。フェースをかぶせずに構えると、自然とスウィング軌道がイン・トゥ・インになりやすいので、上からブツけにくくなるんです。

上杉 ええっ、グリップを替えるだけでそんなに変わるの?

中井 そういうもんなんですよ。本来であれば、アドレスを変えてグリップはそのままでもいいんですが、構えるときにフェースをかぶせるクセを修正するのは相当手ごわいと思うので、今回はグリップをマイナーチェンジして様子を見たい。

上杉 様子を見るより結果が欲しいんですけど。それに、海外のトーナメントを取材していると、むしろフックグリップで握っている選手のほうが多いような気がするんですけど。

中井 ゴルフはボクシングなどと違い、“階級別”ではありませんが、カラダの大きい選手が有利なのは疑う余地がありません。上背があってパワーのある選手であれば、フックグリップにして、フェース面をスウィング中に大きく開閉させずに打ったほうが曲がらず、飛距離も十分に出るんです。

上杉 分かった。マスターズを階級別にしましょう。来週はマスターズに取材に行くので、マスターズ委員会に交渉してきます。私はミドル級くらいかな?

中井 夢みたいなこと言ってないで、練習しますよ!

 
グリップを変えればアドレスが変わる。ゴルフにおいて、スウィングの一部分はつねにスウィングの全体につながっているのです。というわけでグリップの微調整は上杉のゴルフにどのような変化をもたらしていくのか? ともあれ来週、マスターズ開幕スペシャル!



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