僕のマグノリアレーン

2013.01.17

【第100回】
コース選びは「M気質」が上手くなる!

僕のマグノリアレーン

元ジャーナリスト・上杉隆が、プロゴルファー・中井学とともにマスターズを目指す! が趣旨の本連載。先週に引き続き、オーストラリア編をお送ります!

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コースマネジメントの意識に
潜む落とし穴とは……

上杉 日本のみなさまこんにちは。今週も、先週に引き続き「僕マグ」オーストラリア編をお送りします。いや~、寒いんだろうなあ、日本は。

中井 だから、なんでわざわざ読者を敵に回すようなことを言うのですか。

上杉 しかし、さすがに疲れますね、1日2ラウンドを毎日続けるのは。

中井 そうですね。先週お話ししたように、疲れたときこそ「スウィングアークを大きくしない」ことを忘れないでください。

上杉 疲れてショットが飛ばなくなると、つい「スウィングアークを大きくしよう」と思ってしまうというアレですね。

中井 そうです。スウィングアークは腕の長さ+クラブの長さ+肩甲骨の可動域の和で決定し、その大きさは人それぞれ決まっている。「スウィングアークを大きくしよう」とすると、必ず手打ちになってしまうと説明しました。スウィングアークは、つねに一定に保つことが重要です。今週は、それプラスαで、ラウンド中に気をつけてもらいたいことを説明します。

上杉 なんでしょう。

中井 それを説明するのに、今回合宿しているパラダイスパームGCは最適です。

上杉 難しいですよね~、このコース。

中井 6番ホールなんて、パー4なのに距離表示は394メートル(オーストラリアのコースはヤードではなくメートル表示)、すなわち約430ヤードと長く、それなのにティグラウンドから250ヤード地点には川が流れていて、ティショットはレイアップせざるを得ない。たとえば上杉さんならこのコース、どのように攻略しますか?

上杉 支配人に交渉して、この川を埋め立ててもらいましょう。そうですね、あとはレディースティからプレーする、という方法も考えられます。

中井 上杉さんに聞いた僕が馬鹿でした。たとえば僕はこのホール、初日は4番アイアンでティショットし、セカンドで5番ウッドを持ちました。こういう、変則的なクラブ選択を迫られるのです。

上杉 日本のコースのように、ティショットはとにかく飛ばせばいいという感じではないですよね。まったく、飛ばし屋の私には不利と言わざるをえません。

中井 変わっちゃったなぁ、上杉さん……。でも、おっしゃる通り。「飛ばすゴルフ」ではなく、「止めるゴルフ」。各ショット、次打を打ちやすい点を見極めてしっかりと球を置く、プレースメントの意識が絶対に必要になります。

上杉 それが私の言いたかったことです。

中井 それで、ここからポイントです。このように攻略のほうに意識が向いたとき、ゴルファーってあっさりスウィングへの意識がなくなってしまうんですよ。

上杉 スウィングへの意識がなくなる? どういうことでしょう?

中井 たとえば上杉さんであれば、「バックスウィングでしゃがむ」という一言を念頭に置いておくだけで、バックスウィングで前傾角度が保たれ、ナイスショットが出る確率はぐぐっとアップします。しかし、コース攻略に意識がいくと、その意識がなくなってしまうんです。それでバックスウィングで伸び上がり、ミスしてしまう。

上杉 あ、それはあるかも。

普段のラウンドから難しいコースで
プレーすることを心掛けよう!

100コース攻略に意識がいくとスウィングがおざなりになるので注意が必要だ

中井 多くの日本のゴルフ場の場合、フェアウェイは広く、グリーンも大きく、ほとんどのショットをさほどプレッシャーを感じずに打つことができます。だからこそ、スウィングに意識を集中させることができるんです。でも、海外のコースや、日本でも競技のセッティングとなったらそうは言っていられない。なにより、上杉さんが目標としているコースは、プレースメントゴルフの極致を求められるコースです。

上杉 うーん、困りましたね。たしかに、オーガスタは飛距離やショット力はもとより、正確にボールをコントロールし、狙った場所に止めることが求められます。

中井 コース戦略だけ考えていてはスウィングがおざなりになる。ではスウィングだけ考えればいいかというと、それではスコアメークができません。ではどうすればコース戦略とスウィングへの意識を両立させることができるのか、です。これにはふたつの方法があります。

上杉 なんでしょう。

中井 まずひとつめ。それは、普段から「難しいコースでプレーする」ということです。月イチゴルファーであれば、たまのゴルフをいいスコアでプレーしたい気持ちは重々分かります。しかし、それでは競技で戦えるレベルに辿りつくのは極めて困難。練習場でいくらいい球が打ててもコースに出ればあまり関係ないように、左右どちらに曲げても次のショットが問題なく打てるコースでは、コース戦略なんて考えるようにはなりません。コース選びは、「M気質」がいいのです。

上杉 あ、そういう意味ではこのコースはバッチリですね。いやでもコース戦略を考えさせられますから。

中井 宣伝じゃないですけど、僕がお世話になっている千葉の鶴舞CCなんか、いい例ですよ。コースが難しいから、自然とメンバーのレベルも高く、各ゴルフ場のメンバーがチームを組んで戦う倶楽部対抗でも成績がいい。上杉さんが言ったように、自然と「考えさせられる」環境って、すごい大事です。

上杉 うーん、ますますオーストラリアに来てよかった。

中井 さて、スウィングへの意識とコース戦略を両立させる方法、ふたつめは「ひとつの打ち方を極める」ということです。究極は、完全なる無意識でスウィングできる状態なのでしょうが、それはなかなか難しいですからね。

上杉 たしかに。

中井 毎ショット違う打ち方を試したり、始動や切り返し、ダウンなど違うパートに意識を向けるのではなく、毎回毎回、同じ打ち方を愚直に繰り返す。それを心がければ、自ずとコース戦略を考えられますし、同時にスウィングへの意識も消えなくなります。

上杉 なるほど。ところで、話が少し戻りますが、コース戦略とスウィングへの意識を両立させてくれるコースと聞いて思い出したのですが、私が所属していた箱根山GCは、まさにそういったゴルフ場でしたね。

中井 ん? 聞いたことのないゴルフ場です。

上杉 中学生時代、近所の公園を勝手にそう呼んでいただけですからね。植込みの中からのショットや、壁に当てないと絶対にピンに寄らないホールなど、まさに毎ショット「考えざるを得ない」状況しかありませんでした。

中井 なるほど……読者のみなさま、公園でゴルフをするのは大変危険なので、やめましょう。

上杉 読者諸君、私の中学生時代の「草ゴルフ」に関しては、拙著「放課後ゴルフ倶楽部」に詳しいので、是非読んでくれたまえ。

中井 って、結局宣伝かいっ!

 
ゴルフ場を予約するとき、ついつい難しいコースは避けたい気持ちになったりしませんか? 駄目! それじゃ! 自ら困難に身を投じる“M気質”が上達には必要なのです。たぶん。というわけで来週も、目指せ、マスターズ!



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