僕のマグノリアレーン

2012.12.20

【第97回】
できるかな? スプーンアプローチ!

僕のマグノリアレーン

「マスターズを目指す!」 そう宣言した元ジャーナリスト・上杉隆と、レッスン役を買って出たプロゴルファー・中井学。夢のオーガスタ目指して、二人三脚ゴルフレッスンドキュメント、今週は、ゲーム感覚で上達するお話です!

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スプーンのランニングアプローチで
150ヤードの看板を狙ってみよう!

上杉 いや~、やっと終わりましたね。

中井 衆院選と都知事選のW選挙ですね。ラジオやネットの選挙特番に多数出演、おつかれさまでした。

上杉 まったく、参りましたよ。私には、「選挙が始まるとゴルフに行けない」という呪われたジンクスがあるんです。

中井 ジンクスじゃなくて、普通に仕事が忙しいからですよね、それ。

上杉 そうとも言います。しかし、これでなんの気兼ねもなくゴルフに打ち込むことができます。

中井 さて、今週はちょっとゲームをしてみようと思います。

上杉 どんなゲームですか? インベーダーゲーム?

中井 また随分と古いですね、発想が。今やゲームも3Dの時代です。それはさておき、今日やっていただくのは、「スプーンアプローチ」です。

上杉 なんですか、それ。

中井 やり方は簡単。アプローチっていうと、ふつう10ヤードとか30ヤード、せいぜい50ヤードくらいまでのことを言うじゃないですか。そうではなくて、スプーンすなわち3番ウッドを使って、150ヤード先の看板にアプローチするんです。

上杉 なるほど、そういうことか。よし、担当編集くん、150ヤード先にこのバケツを持って立ちたまえ。

編集 一体全体、どうしてでしょうか。

上杉 ゴルフ編集者とは思えぬ愚問ですね。ベン・ホーガンが練習場にキャディを立たせ、そのキャディがほぼ一歩も動かずに球をキャッチしたという逸話を知らないとでも言うのですか? 今から私がそれを再現します。

中井 上杉さん、今の上杉さんがそれを真似すると死人が出る恐れがあるので、やめましょう。

上杉 うーん、残念。

中井 さて、このゲームにはひとつだけ条件があります。それは、「ランニングアプローチ」で寄せること。

上杉 そんなの簡単ですよ。そもそもスプーンはロフトが少なく、球が上がりにくいですから。私が以前取材した2009年のロイヤルトロフィでも、石川遼選手が最終日最終ホールでスプーンによる転がしのアプローチを披露していました。

中井 石川選手に限らず、タイガー・ウッズなども一時期多用していましたよね。

上杉 なるほど、遼くんにタイガーといったマスターズの常連選手の技を身に付けようという趣旨ですね。よし、やってみます(と、打つ)。あ、ダメだ。

中井 球が上がっちゃいましたね。もう一球。

難しいと思っていたスプーンが
やさしいクラブになる魔法のドリル

097スプーンのランニングアプローチで150ヤードの看板を狙う上杉。手先ではなく体の動きでスウィングしよう
上杉 あれ~、なかなか上手くいかないな。腰から腰くらいの振り幅に抑えているのに、どうしても球が上がってしまうし、200ヤード近く飛んでしまいます。意外と難しいですね、このゲーム。

中井 そうなんですよ。150ヤードの看板に転がして当てられたら、温かいコーヒーでもおごります。

上杉 むっ、中井プロ、それは買収、饗応、利益供与にあたり、公職選挙法に抵触するおそれがありませんかね?

中井 選挙は終わりましたよ、上杉さん。第一立候補もしてないし。

上杉 そうでした。しかしなかなか上手くいかないですね。もっと簡単だと思った(その後も何球か打つが、上手くいかない)。うーん、ダメだ~。

中井 残念ながらコーヒーはおあずけですね。さて、今のゲームを通じて、なにか感じませんか?

上杉 スプーンで転がすのって、意外と難しいってことですね。あーあ、マスターズは遠いなぁ。

中井 そう。スプーンで転がす、つまり低い球を打つのは難しい。でも、考えてもみてください。普段、スプーンって「上げるのが難しい」と感じませんか?

上杉 あ、言われてみるとたしかにそうかも。

中井 このゲーム、実は「上げるのが難しい」と思いがちなスプーンを、実は上がりやすく、飛びやすい、お助けクラブのように感じられるようになるドリルなんです。

上杉 なに~、だまされたっ。

中井 まあ、いいじゃないですか。サンドウェッジで50ヤードを打つような感覚で、200ヤード近く飛ばせることが分かって、まずは発想が変わる。しかも、上げよう、飛ばそうとしていないから、力みのとれたいいスウィングが身に付くんです。

上杉 なんか、不思議ですね。

中井 それだけ普段、球を上げよう、飛ばそうとしているってことです。スプーンはドライバーよりロフトがある分上がりやすく、アイアンやユーティリティ、ショートウッドに比べて長い分、飛びます。上がって飛ばせる、頼もしいクラブなんです。ただ、「飛ばしたい、上げたい」という気持ちだけが、クラブの機能を大幅に阻害してしまっているだけで。

上杉 そういうことですか。それにしても、200ヤードをアプローチ感覚で打てるって、考えてみれば凄いですね。

中井 その通りですし、マスターズに出場してくる選手は、そのような意識でプレーをしていると思います。さすがにドライバーは飛ばしにかかることもあるでしょうが、それ以外の番手ではすべてアプローチ感覚。そうでなければ、あれだけ「点」で攻めることを要求してくるコースでは通用しません。

上杉 では早速、担当編集くんに200ヤード先に立ってもらって……。

中井 だからそれは我慢してください。さて、このゲームというかドリルは読者のみなさんにも是非試してもらいたいのですが、その際ひとつだけ注意点があります。それは、何度も言うように、あくまでも体の動きだけでスウィングすること。手先の動きでこのドリルをやってもなんの意味もありませんし、そもそも手だけでアプローチしたら200ヤードなんて絶対に飛びません。

上杉 分かったかね? 読者諸君。200ヤード先に人を立たせようなんて思ってはいけないのだよ。

中井 それは上杉さんも同じなんですけど……。

 
ちなみに、上杉隆はスプーンを抜いて2番ウッド(ブラッシー)を入れているので、正確にはブラッシーアプローチ、をやっていました。それだとイマイチ分かりにくいので、便宜上スプーンアプローチにしてありますことをご理解くださいませ。そんな感じで来週も、目指せ、マスターズ!



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