僕のマグノリアレーン

2012.12.06

【第95回】
ナイスショットは「順番」で。

僕のマグノリアレーン

「マスターズを目指す!」 そう宣言した元ジャーナリスト・上杉隆と、レッスン役を買って出たプロゴルファー・中井学。夢のオーガスタ目指して、二人三脚ゴルフレッスンドキュメント、今週はアプローチのお話のつづきです。

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前回教わったアプローチで
笑いが止まらない上杉……

上杉 ははははは! はーっはっはは。

中井 どうしちゃったんですか、上杉さん。

上杉 どうもこうもありませんよ。先週教えてもらった「左ひじを抜かない」アプローチ。これがまあ、寄ること寄ること。

中井 うーん、でもたしかにピタピタ寄ってますね。教えておいてなんですが、上杉さんって、教えたことをすぐに忘れちゃう代わりに、教えたことはすぐにできるようになりますよね。なんて器用な人なんだ……。

上杉 それにしても、いまだにこの世に左ひじを抜くアプローチをしている人がいることが、私には信じられません。インターネット時代に糸電話を使ってるようなもんですね、さしずめ。

中井 さしずめ、じゃないですよ。上杉さんがまさにそうだったじゃないですか。先週もお伝えしましたが、「体を止めて手を振りなさい」という教え方が主流だった日本のゴルフ界では、アプローチは左ひじを抜く打ち方が一般的でした。でも、それでは体とクラブが連動して動かないので、どうしてもミスが増えてしまうのです。

上杉 コミック誌「ボギー」で、この連載のマンガを描いてくださった秋本尚美先生も、だいぶ調子がいいみたいですよ。

中井 なんて宣伝臭い紹介の仕方なんだ……。

秋本 でも、本当にミスが減りますね。左ひじを抜かずに打つだけで。

中井 クラブが体の正面から外れませんからね。クラブヘッドと体の距離感がアドレスからフィニッシュまで変化しないので、腕さえ使わなければミスしたくてもできないんです。

上杉 素晴らしいですね~。イメージ的には、まさにルーク・ドナルドですよ。体の回転だけで球をとらえるこの感じ。よし、このアプローチを「ルーク打ち」と名付けよう。

秋本 ルーク打ち……。

中井 ダサい……。

上杉 センスのない人々ですね、この感性が理解できないとは。

アドレスはカタチだけでなく
構える「順番」も大事!

095ボール位置を右足寄りに構える場合、最初はスタンスを広げた状態で体の正面で構えてから右足を左足に寄せる
中井 ネーミングはともかく、左ひじを抜かず、体の回転だけで打つアプローチの利点は、クラブを鋭角に入れなくて済む点です。

秋本 鋭角に入れないと、なにかメリットがあるんですか?

中井 鋭角でなく鈍角にボールにコンタクトすることで、打点が一定になるんですよ。鋭角に入れ、左ひじを抜いて急激にクラブを持ち上げる打ち方だと、打点が上にズレればトップ、下にズレればダフリ、フェースの上っ面に当たると「ポッコン」とプロが呼ぶミスになります。

秋本 なるほど~。あと、もうひとつ質問があるんです。アプローチのときって、よく「ボールを右足寄りに置け」って言うじゃないですか。私、ボールを右足寄りに置いても、ダフってしまうことがあるんです。あれはなぜでしょうか?

上杉 ふふふ、秋本先生、いい質問ですね。お答えしましょう……中井学が。

中井 絶対そう言うと思いましたよ……。しかし、たしかに非常にいい質問です。これは、ボールの位置が問題ではなく、ボールのセットのやり方が間違っているのだと思います。上杉さん、ちょっとモデルになっていただけますか?

上杉 お安い御用です。で、どのようなポーズをとればいいでしょうか。

中井 そのモデルではありません。ちょっと、アプローチで右足の前にボールを置いて構えてほしいんです。

上杉 なんだ、そっちか。でも、そんなのどうやったって同じじゃないですか。はい(と、構える)。

中井 うん、ほとんどの人はそのように構えます。まずボールを右足の前にセットし、次にクラブをセットする――。

秋本 これじゃいけないんですか?

中井 正直に申し上げて、ダメなんです。実際に構えてみてほしいのですが、これではグリップの位置が体の正面より右足寄りにズレてしまう。つまり、構えた段階でクラブが体の正面から外れてしまうのです。

上杉 あ、ホントだ。

中井 これだとクラブが鋭角にしか上げられませんし、下ろせません。その結果、安全策のはずの構え方が、かえってミスを生む結果となってしまうのです。大切なのは、構える「順番」です。

上杉 順番、ですか。たしかに、10日後に迫った衆議院議員選挙でも、比例名簿の“順番”は極めて重要です。

中井 極めて強引な時事ネタをありがとうございます。さて、ではどのような順番で構えればいいのかですが、これは非常にかんたんです。まず、フルショットのときと同じように構えます。ウェッジであれば、ボール位置はほぼ体の正面にきますよね?

上杉&秋本 はい。

中井 そうしたら、右足だけ左足に寄せるんです。これで完成。

上杉 えっ? これだけ? さっきの構え方と全然変わってないじゃないですか。

中井 一見同じ、しかし中身は大違いなんです。いきなりボールを右足前にセットしてしまうと、体の正面はクラブよりも左(飛球線方向)にズレてしまう。つまり、体の正面から外れてしまいます。でも、一度体の正面にボールをセットしてから右足だけを左足寄りに移した場合、クラブは体の正面から外れないんです。これ、めちゃくちゃ重要です。

秋本 なるほど! 構える順番を変えることでボールを体の正面にセットして、体の動きだけで振れば、「ミスができない」状態になるわけですね。

中井 さすが先生。まさにその通りです。そしてもちろん、ボールを右足寄りに置くことで、どんなライからでも上手くボールを拾うことができるようになります。

上杉 ふふふ、このように構えて「ルーク打ち」することで、どんなライからでもピタリと寄せられるというわけですね。これはマスターズでも通用する武器になりそうですね。

中井 「ルーク打ち」というネーミングは決定なんですね……。

 
これは意外と目からウロコ! 構えるのは「カタチ」だけじゃなくて「順番」も大切なんです。芝が薄くなる季節となってきましたが、「僕マグ」読者諸兄におかれましては、ぜひ、このセットアップでピッタリ寄せちゃってください。「ルーク打ち」という言葉は果たして流行るのか!? というわけで来週も、目指せ、マスターズ!



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