僕のマグノリアレーン

2012.10.18

【第88回】
登場!強烈インサイドアウト打ちドリル

僕のマグノリアレーン

「マスターズを目指す!」そう宣言した元ジャーナリスト・上杉隆と、レッスン役を引き受けたプロゴルファー・中井学によるゴルフレッスンドキュメント連載「僕マグ」。今週は、先週に引き続きさらなる飛距離アップの扉を開きます!

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多くのアマチュアにも当てはまる
上杉のスウィングの悪癖とは?

中井 さて、先週は、インパクト前後で左ひざを伸ばすことにより、さらにインパクト効率を高め、飛ばせるという話をしました。

上杉 逆に、左ひざが伸びていないということは、多かれ少なかれ手を使って打っている、という話でしたね。最近ようやく、「手を使わないほうが飛ぶ」ということが実感できてきました。

中井 それは素晴らしい。実感としては、手を使って振ったほうがヘッドスピードが上がったように感じられる。しかし、それはあくまで主観であって、実際は手を使わないほうが飛びます。

上杉 たしかに。

中井 というわけで、今週はさらなる飛距離アップに向けてレッスンしていきたいと思います。まずは、上杉さんの課題である「オーバー・ザ・トップ」を直していきましょう。

上杉 シルベスター・スタローンが主演した腕相撲がテーマの映画ですね。なんだかんだいって飛ばしは腕っぷし、ということでしょうか。

中井 圧倒的に違います。上杉さんの悪癖である、インサイドにクラブを上げて、アウトサイドからクラブを下ろす打ち方のことを「オーバー・ザ・トップ」と言います。これ、上杉さんに限らず多くのアマチュアに当てはまります。左に出て右に曲がるスライスやチーピン、テンプラがよく出る人はよく聞いてください。

上杉 はい。

中井 基本的に、この打ち方って、「球をつかまえたい」という意識から生じるものなんですよね。ボールをつかまえるにはインサイドの軌道でボールにアタックしなければならない。インサイドに下ろすためには、インサイドに上げなければならないと考える。しかし、結果的にはトップから手で打ちにいってしまい、クラブがアウトサイドから下りてきてしまう……。

上杉 そうなんですよね~。この取材のたびに自分のスウィングを写真に撮ってもらうのですが、これだけがどうしても直らない。見た目にもカッコよくないし、なんとかしたいんです、切実に。

中井 長い間に染み付いたクセなので、これを直すにはドリルで体に覚え込ませるしかありません。その名も――強烈インサイドアウト打ちドリル、です。

上杉 説明を聞くまでもなく、内容が容易に想像できるドリルですね。中井プロのレッスンにはいつも感銘を受けていますが、そのネーミングセンスはなんとかなりませんでしょうか。

中井 そこは触れないでください。さて、オーバー・ザ・トップに振るクセのある人は、

球をつかまえたいからインサイドに上げる

トップで、そのままだと当たらない予感がする

フェースを真っすぐの状態に戻そうとして、アウトからクラブが下りる

オーバー・ザ・トップになり、フェースが開いてインパクトを迎える

という悪循環に陥っています。ただ、だからといって、クラブを思い切ってアウトサイドに上げればいいかというと、問題はそう単純ではありません。ならばいっそのこと、これ以上は無理というくらい思い切りインサイドにクラブを上げてしまえばいいのです。ダウンスウィングで外から下ろすことが不可能なほど極端にインに引く。さすればオーバー・ザ・トップは必ずや直ります。

アドレスのフェースの向きだけで
スウィングは大きく変わる!

088「オーバー・ザ・トップ」を直すには、極端にインサイドにクラブ引くドリルが有効だ!

上杉 なんというか、ヤケクソな感じのドリルですね……。しかしまあ、とりあえず試してみます(と、打つ)うーん、実に力弱い球が、悲しげにスライスしながら180ヤード付近に辿りつきました。

中井 ドリルなので、結果は気にしないでください。そして、今の上杉さんのスウィングは、全然極端にインサイドに上げるスウィングになっていませんでしたよ。もっともっと、自分のできる限界までクラブをインサイドに上げてください。

上杉 え~、今のだって、自分の中ではリッキー・ファウラーになった気分で思いっきりフラットに上げたつもりだったんですけど。

中井 もっとです。フラット&コンパクト、ダグ・サンダースにでもなった気分で上げてください。

上杉 「テレフォンボックス・スウィング」ですね。よし、やってみます(と、打つ)。あ~、トップした……。

中井 上杉さん、先週教えたインパクト前後で左ひざを伸ばす動きを早速忘れています。そして、前傾角度を維持することも忘れないでください。さあ、もう一球。

上杉 了解(と、打つ)。あ、ダフった。ちょっと、中井プロ! 結果は気にするなもなにも、さっきからマトモにボールに当たりません。

中井 ――肝心なことを言い忘れていました。上杉さん、アドレスでフェースをスクェアしてください。

上杉 言われるまでもなく、元からスクェアですよ。

中井 それが違うんですよ。上杉さんは、おそらく意識してはいないと思いますが、ほぼすべての番手でクラブフェースがほんのわずかにかぶっています。これも、つかまえたい意思の現れ。

上杉 怖ろしい……全然意識してなかった。

中井 だと思います。でも、フェースをかぶせて構えると、フラットに上げるのが難しいんです。クラブの重心が、フェースをかぶせることで「開きにくい」方向に移動してしまいますからね。しかし、ほんの少しオープンに構えれば、自ずとフェースも開く方向に動きやすくなり、スウィング自体もフラットに上げやすくなるんです。

上杉 アドレス時のほんのわずかなフェースの角度で、そんなに変わっちゃうんですか。

中井 変わっちゃうんです。「クラブの重心通りに構える」って僕は呼んでいるんですが、かぶせて構えると、シャットに上げて上から潰す打ち方になってしまいやすいのに対して、スクェアからややオープンに構えると、フラットに上がって払うように打てる。

上杉 試してみると、たしかにそうですね。低く長く引けるっていうか。

中井 その感覚が得られるということは、上杉さんが手だけではなく、体の動きでテークバックできるようになってきた証拠です。実際、手だけで振っている分には、こんなドリルをやっても意味はないんです。

上杉 意味がない。じゃあ、文字通りやっても意味がないじゃないですか。

中井 あくまで手だけで振っている分には、です。上杉さんは、間もなく2年になろうとしているこのレッスンを通じて、だいぶ体で振る感覚を身に付けてきました。だからこそ、このドリルも意味があるんです。このドリルを続ければ、上杉さんの悪癖である「オーバー・ザ・トップ」も大分改善されるはずです。見た目の問題はともかく、上から潰すような打ち方が、インサイドからフラットに払うような打ち方に変化することで、さらにインパクト効率がアップし、飛距離もアップするはずですよ!

 
というわけで、みなさんもぜひご自分のスウィングをチェックしてみてください。意外と多いです、「オーバー・ザ・トップ」になってる人。そんな人はぜひ「強烈インサイドアウト打ちドリル」を! というわけで来週も、目指せ、マスターズ!



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