僕のマグノリアレーン

2012.10.05

【第86回】
暗闇ゴルフが教えてくれるもの ~その2~

僕のマグノリアレーン

「マスターズを目指す!」と宣言した元ジャーナリスト・上杉隆とレッスン担当・中井学。アラフォーふたりが夢を見る、大人のためのゴルフレッスンドキュメント「僕マグ」。今週も先週に引き続き、「ナイターゴルフ」ならではの上達法をご紹介!

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ナイターゴルフで中井も再認識!
「パットは打たなくては入らない」

中井 さて先週は、「ナイターゴルフ」ならではの上達法をご紹介したわけですが……。

上杉 「マスターズを目指す」というこの連載で「ナイターゴルフ」。あまりにもかけ離れてる気もしましたが、意外といい話でしたね。

中井 「意外と」が余計です、明らかに。今は冬でもナイターゴルフを楽しめるコースがありますからね。読者のみなさんも是非、一度試してもらいたいです。絶対に発見がありますから。

上杉 地平線の向こうに沈む夕陽が見られるのは、ナイターゴルフならではでしたね。コースがオレンジ色に染まって、まるでマスターズのサンデーバックナインのようだったなぁ。

中井 心はオーガスタに旅してたんですね。プレーしてたのは千葉県なのに……。

上杉 ただ、ひとつだけ不満があるんですよ。やっぱり、夜まで営業しているだけに、グリーンが荒れてますね。仕方ないけど。

中井 いいところに気が付きましたね。営業時間が長い分、たしかにグリーンの管理は難しいと思います。しかし、それ以上に、ほとんどのグリーンはこれくらい「デコボコ」なんです。

上杉 ええ~、本当に?

中井 本当です。普段、日光の下でプレーしていると気が付きませんが、その期間に合わせてピンポイントで仕上げてくるトーナメントの場合と異なり、通常営業のグリーンはボールマークにスパイク跡などで、日常的に傷んでいます。人工的な照明に照らされることで、それが“白日の下にさらされる”わけです。

上杉 人工的な光で白日の下にさらされるとは、なんとも皮肉な話です。

中井 ただし、視覚的にデコボコが見えるグリーンって、実はオーガスタのガラスのグリーン攻略にはもっとも適した条件とも言えるんです。

上杉 なにを言っちゃってるんですか、中井プロ。ナイターゴルフのグリーンは、夜露に濡れてるし芝は伸びてるしデコボコだしで、ガラスのグリーンとは大違いじゃないですか。

中井 それがいいんです。あの日の僕が、6~7メートルを入れまくっていたのを覚えていますか?

上杉 そうでしたっけ?

中井 覚えてないですよね。そうですよね。うん、いいんです。入ってたんですよ、自分でも驚くほどに。実は、ナイターゴルフを通じて僕自身再認識したんです。やっぱり、パットは打たないと入らない。ラインを薄く読み、しっかりとヒットする。なんだかんだいって、これが一番大切なんです。

上杉 私を上達させるという企画で、中井プロが上達してどうするんですか。

中井 僕の上達は上杉さんの上達です。いいですか、上杉さん。もっともよくないパットは、ラインを大きくふくらませて、なおかつアマライン(フックラインの場合カップ左側、スライスラインの場合カップ右側)に外れることです。これは、カップに「届いていない」わけですから絶対に何があっても入りません。しかしあの日の僕は、1メートルオーバーしてもいいから、直線的に強くヒットすることを心がけたんです。

結果だけで判断せず、自分なりの
「ナイスパット」の基準を作ろう!

086パッティングでは「タッチ」を意識するよりも「ヒット」することを意識するのが重要だ!
上杉 あ、そういえば私のもうひとりの師匠でもあるトップアマの田村尚之さんも、「2メートルオーバーしてもいいから、つねにワンパット狙いで打つ」と言っていました。

中井 それこそ、最強アマチュアの強さの理由ですよ。オールド・トム・モリスが言うように、「届かなければ入らない」わけですから。そして、その感覚をつかむには、ナイターゴルフの夜露に濡れて芝が伸び、数多くのゴルファーに踏まれた重いグリーンは最適だったんです。強くヒットしなければならない状況が、大切なことを思い出させてくれました。

上杉 なるほどな~。たしかに、麻雀でも振ってくる初心者の打ち手は怖いですもんね。

中井 麻雀とゴルフだとあまりにも違い過ぎて読者のみなさんが付いてこられるか心配ですが、まあ、そうですよね。

上杉 野球でも常にホームラン狙いのバッターは怖いし、サッカーでも……。

中井 あ、その話はそれ以上ふくらませなくて大丈夫です。

上杉 そうですか。

中井 大切なのは、常にしっかりとパターのヘッドでボールをヒットすること。「タッチ」ではなく「ヒット」。ここ重要です。上杉さんも、とくに下りのパットのときなどは、どうしてもダウンスウィングで減速してしまい、触れるような「タッチ」のパットになってしまうクセがあります。

上杉 うーん、たしかにそうかも。でも、つねに「ヒット」するって意外と難しいですよね。

中井 そのために必要なのが、自分なりの「ナイスパット」の基準を作ること。みんな、ショットではナイスショットを追求するのに、パットは入ったか入らなかったかばかりを気にして、肝心の「ナイスパット」の感触を追い求めていません。

上杉 「ナイスイン」、とか「ナイスタッチ」はよく聞くけど、「ナイスパット」って、あんまり聞かない言葉ですね。

中井 「ナイスイン」「ナイスタッチ」は、入ったとか寄ったとか、結果に対するコメントですよね。でも、「ナイスパット」は、もっと絶対的な基準です。ただ、実はこれ非常に抽象的な話なんです。手に伝わる感触が気持ちいいとか、ヒットしたときの音が心地いいといった、感覚的なものですから。でも、ココを追求しないと、結局は「入った、入らない」の話だけになってしまい、肝心の「どうやったら入るのか」という問題まで話が進まないんです。

上杉 で、どうやったら「ナイスパット」が打てるんですか?

中井 ひとつには、そもそも納得いくまでパターを選ぶということです。自分のストロークに合った形状、長さ、重さのものを見つければ、それだけでしっかり打てるし、自ずと「ナイスパット」の確率は高まります。あとはテンポとストローク幅を合わせること。具体的には、ゆっくりストロークしたい人は大きめ、速いテンポでストロークしたい人は小さめのテークバックが合います。自分のテンポとストロークイメージが合っていない人は、まずここから見なおしてもらいたいですね。もちろん、先に挙げた加速しながらインパクトを迎えることは絶対条件です。

上杉 たしかに、中学時代、近所の公園をゴルフ場に見立て、土のグリーンでパッティングを繰り返していた頃は、ナイターゴルフのグリーンなど比較にならないデコボコのグリーンで、直線的にヒットしていた気がします。

中井 そう! その感覚ですよ。

上杉 よし! じゃあ、中井プロ、近所の公園にパターを転がしに行きますか!

中井 40過ぎてそれをやったら、ただの不審者ですよ……。

 
速いグリーンでは、どうしても「触れる」パッティングになりがち。しかし、入るパットはつねに「ヒット」! これを忘れちゃいけません。というわけで、レッツナイターゴルフ! 目指せ、マスターズ!



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