僕のマグノリアレーン

2012.09.27

【第85回】
暗闇ゴルフが教えてくれるもの ~その1~

僕のマグノリアレーン

「マスターズを目指す!」と宣言した元ジャーナリスト・上杉隆とレッスン担当中井学。アラフォーふたりが夢を見る、大人のためのゴルフレッスンドキュメント「僕マグ」。今週は一風変わった環境でゴルフしています!

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忙しくてゴルフにいく時間がないという
ゴルファーにオススメなのが……

(都内某所で『僕マグ』打ち合わせ中)
担当 う~ん、なかなか上杉さんと中井プロの日程が合いませんね。これでは取材ができません。

中井 上杉さん、メディアカンパニー「NO BORDER」の社長業に、自由報道協会の代表業、執筆活動に講演にって、相変わらずワーカホリックですもんね。

上杉 日程が合う合わないの前に、そもそも空いている日がないんですよね、ははははは。

担当 ははははは、じゃないですよ。取材が出来なければ連載存亡の危機です。オーガスタの「オ」の字にも辿りついていないというのに……。

上杉 失礼な言い方ですね……あ、いいことを思いついた。

中井 なんですか? ちなみに、コンドリーザ・ライス元米国国務長官のように、オーガスタの会員になってプレーする、というのはナシですよ。

上杉 ふふふふふ、違いますよ。今からゴルフをすればいいのです。

中井 上杉さん、今は午後2時過ぎ。今からゴルフ場に向かったら、近いコースでも到着は4時頃になってしまいます。“薄暮プレー”も難しいのでは……。

上杉 「ナイター」ですよ、ナイター。

担当 お言葉ですが上杉さん、GDアプリはゴルフダイジェストのアプリであり、野球雑誌のアプリではありません。神宮球場でナイターを観たって、ゴルフが上手くなるわけではありません。

上杉 ナイター違いです。ナイターゴルフですよ、ナイターゴルフ。あれなら、太陽が沈んでもプレーできます。よし、そうと決まったら早速コースへ向かいますよ!
(千葉県某所のゴルフ場へ移動)
上杉 いや~、来てしまいましたね。現在時刻、午後4時5分。こんな時間から回れるんだから、ナイターって素晴らしいですね。

中井 まだ陽がありますが、4、5ホールで暗くなりそうですね。さっそくティオフしましょう。

上杉 そうしましょう!
(5ホール経過)
上杉 すっかり暗くなりました。しかし、すごいですね最近のナイターゴルフは。照明設備が充実し、ほとんど昼間と同じような環境でプレーできます。

中井 うん、涼しいし、これはナイスアイデアかもしれません。

インパクトの感触、打球音で
ボールの行方がわかりますか?

085ナイターゴルフには、昼間のゴルフとは違う様々な"効果"がある!
上杉 ここまでワンオーバー。なんか、いつもより集中できている気もします。

中井 鳥かご練習場と同じ効果ですね。周りの景色が見えにくい分、自分のスウィングだけに集中できる。練習場ではナイスショットが連発できるけど、コースにいくと途端にダメという人は、ナイターゴルフだと上手くいく、自信が持てるというケースがあるかもしれません。さて、このホールは2オンが狙えるパー5。思い切ってグリーンを狙ってはどうですか?

上杉 ティショットが飛びましたからね。よし、ここは秘密兵器の2番ウッドで狙います。とりゃーっ(と、打つ)。あっ、ちょっとトップした。

中井 少しオーバーしたかもしれませんが、まだまだバーディが狙えますよ。グリーンに行ってみましょう。

上杉 ……ありませんね、ボール。中井プロが狙えっていうから狙ったのに……。

中井 フェアウェイから残り230ヤード。グリーン周りに池やOBはない。今の上杉さんなら当然「GO」です。しかし、まさにナイターの罠。ボールの行方を見失うと、ロストの確率がハネ上がりますね。

上杉 冷静に分析している場合じゃありません。よくてバーディ、悪くてもパーの簡単なパー5で、一転ボギー、あるいはダボのピンチです。あ~あ、ほんのちょっとのミスだったのになぁ。

中井 たしかに、ナイターでなければ今のボールはロストになっていません。しかし、ここでちょっと考えてみてください。

上杉 何をですか?

中井 昼間と、夜。違うのは「明るさ」だけですよね? コースレイアウトやグリーン周りの状況は、昼と夜では一切変化していません。ロストになる確率は「程度問題」だということです。

上杉 まあ、そりゃそうでしょうけど、納得がいきません。

中井 フェアウェイやグリーンにボールを置いておけば、絶対にロストしません。何がなんでもフェアウェイキープ最優先! と言いたいわけではありませんが、ボールがロストしない位置は、イコール「次のショットが狙いやすい位置」でもあるわけです。現に、一緒に回っている担当編集者はティショットを左のラフ、セカンドを右のラフに打ち込み、見てください、1ホールで2ロストボールで放心状態ですよ、気の毒に。さらにもうひとつ。

上杉 なんですか。

中井 今、上杉さんは「トップした」ことは自覚できていましたが、そのボールが右に行ったか、左に行ったかまでは、見えていませんでしたよね。そこを感じなくては、マスターズを目指すレベルには辿りつけません。ショットの手ごたえを球筋にフィードバックできる、この感覚もナイターゴルフで磨けることのひとつです。

上杉 ……あれは今から約30年前。私は真夜中の某・河川敷ゴルフ場にいました。

中井 はぁ。

上杉 仲間たちと暗闇の中、クラブ1本と数個のボールをポケットに詰め込んで、ティグラウンドに忍び込む。もちろんナイター設備などありません、近所の工場の光だけが頼りです。ああ、そのとき私は、手に伝わる感触から球筋を予測し、ボールの落下する音から着地点を割り出したものです。あの感覚ですね。

中井 まったくもって褒められた行為ではありませんが、まさにそうです。手に伝わる感触、そして打球音から球の行方を瞬時に感知する。こういう能力って、スコアに直接結びつくわけではありませんが、プロなら必ず備わっている能力でもあります。そして、この能力が、球筋の微妙な打ち分けやスピンコントロールといった高等技術に必須となるのです。

上杉 うーん、意外と奥が深いですね、ナイターゴルフ。太陽の下では見えてこなかった秘密が見えてくる感じがします。

中井 ええ、本当に発見が多いですよ、これは。というわけで、あと2週間くらいはナイターゴルフの話題を引っ張りたいと思います。

上杉 わかったっ!

中井 どうしたんですか、突然。

上杉 マスターズの本選終了後、暗闇の中で開催する「夜のマスターズ」を開催すればいいんですよ。それに備えて普段からナイターゴルフで腕を磨いておけば、上位に食い込むのは間違いありません。ふふふ、これだな。

中井 「夜のマスターズ」って、なんか卑猥……。

 
ナイターゴルフ、気が付かない“ゴルフの大事”が見えてくるんです、ホントに! 未体験の向きは、是非一度お試しを。というわけで来週も、目指せ、マスターズ!



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