僕のマグノリアレーン

2012.09.21

【第84回】
「ボールまでの、ディスタンス」

僕のマグノリアレーン

「マスターズを目指す!」と宣言した元ジャーナリスト・上杉隆とレッスン担当・中井学。アラフォーふたりが夢を見る、大人のためのゴルフレッスンドキュメント「僕マグ」。今週は「距離感」がテーマであります。

第1回から読む   バックナンバー

今週のテーマは"距離感"。
どこの距離かと言うと……

中井 今週は距離感のお話をしようと思います。

上杉 距離感。大事ですよね~。アイアンでも、アプローチでも、果てはパッティングに至るまで、ゴルフにおいてもっとも重要なのは距離感だと言えます。それは政治の世界でも同様で、ある議員と別の議員の距離感に注目すると政局がよく見えてきたり……。

中井 え~、分かりにくい表現でごめんなさい。その、「自分とピンまでの距離感」ではありません。また、「人と人との距離感」でも、無論ありません。

上杉 なに~。あっ、分かった! 「自宅からゴルフ場までの距離感」ですね。たしかに、そこをしっかりと把握しておかないと、スタート時間に遅刻しそうになったりしますもんね。大切です。

中井 それも違います。

上杉 じゃあ、「インターからゴルフ場までの距離感」? ナビの表示だと近いのに、なかなか着かなくて焦る、みたいな話でしょうか。

中井 それ、ただの「ゴルフあるある」じゃないっすか。正解は、「自分とボールとの距離感」です。

上杉 はあ。

中井 これって、ゴルフでいちばん大切なことのひとつなんです。基本的に、ダフリ、トップといったミスは、すべて自分とボールの距離感のズレから生まれます。

上杉 どういうことでしょう。

中井 これには説明が必要です。クラブでボールを打とうとしたら、まずクラブを持ちますよね?

上杉 そりゃそうです。

中井 次に、前傾してアドレスし、クラブをボールにセットします。ここ! ここがもの凄く重要なんです。

上杉 クラブを持って、前傾してアドレスする。そりゃまあアドレスの姿勢が重要なのは分かりますが――。

中井 ここまでを、アマチュアの方は無造作に行い過ぎなんですよ。スウィングのことばかり考えちゃって。しかし、ショットを打つうえで重要なのは、むしろこの構えるまでの段階なんです。なぜなら、構えたらあとは体を右に向けて、左に向けるだけ。キチンと構えられていれば、それだけでクラブとボールの距離感は変化せず、必ずやナイスショットになるのです。

 

ライ角どおりに構えれば
オンプレーンスウィングになる!

084スウィング中に前掲角度が崩れると、ボールとの距離感も狂ってしまう

上杉 クラブとボールとの距離感が変わらないと、なんでナイスショットになるんですか?

中井 それには、クラブとボールとの距離感が狂うとはどういうことかを説明する必要があります。クラブとボールの距離が近づくとどうなるか。それは、ダフリです。反対に、クラブとボールが遠ざかると、トップ、もしくは空振りです。では、そのような距離感の狂いはどのように起こるのか?

上杉 ソコダイジナトコですね。

中井 なんか聞いたことがありますね、そのフレーズ。で、なぜ起こるかといえば、一つにはスウィング中に腕を使ってしまうこと。これをすると、ボールとクラブが近づきもするし、遠ざかりもする。あらゆるミスが起こり得ます。二つには、前傾角度が崩れること。たとえば、ダウンスウィングで前傾が崩れ、伸び上がってしまうと、当然ボールとクラブの距離も遠ざかってしまいます。三つめが、先に申し上げたアドレスのミス。ここで重要なのは、クラブのライ角通りに構えることです。

上杉 ライ角か~。クラブのソールとシャフトがつくる角度のことですよね。あんまり意識してないなあ。

中井 ライ角、超重要ですよ。クラブのライ角通りに構える。すなわち、ソールがビシッと地面と接地した状態、トウ側もヒール側も浮いていない状態のときにできるシャフトの角度通りにクラブを持ち、骨盤から前傾してアドレスする。これこそが、クラブとボールの距離感が適正になるアドレスなんです。

上杉 ソコイマイチワカラナイトコなんですよ。

中井 それはさすがに強引過ぎです。

上杉 失礼しました。ともあれ、そうしたら青木功さんのパッティングは理にかなってないってことになるじゃないですか。

中井 パッティングの場合はまた違います。パッティングに関しては一概に言えないんですよ。今回はショートゲームがテーマではないので詳しい説明は省きますが、パッティングや、一部特殊なアプローチの場合に限り、ライ角通りに構える必要はありません。でも、ショットの場合は“絶対”です。

上杉 そういうもんですか。まあそれはいいとして最初の質問に戻ります。クラブとボールの距離感が崩れないと、なんでナイスショットになるんでしょうか。

中井 いわゆるオンプレーンスウィングになるからですよね。僕がよくいう構えたときに腕とクラブがつくる三角形をキープしたまま振る、というのも同じことですが、クラブとボールの距離感が崩れないというのは、クラブヘッドが上下左右、どこにも移動しないという意味です。

上杉 インパクトがアドレスの再現になる、ってやつですか。

中井 まあ、そうです。正確には、体の動き自体で見れば、インパクトはアドレスの再現ではありません。アドレス時よりもインパクト時は腰がターンしていますし、右足もターゲット方向に押し込まれていますから。でも、クラブはアドレスの位置に戻っていなければならない。そのためには、スウィング中にボールとクラブの距離感をキープしていなければならないのです。

上杉 そのためには、まずライ角通りに構える必要がある、というわけですね。その上で、前傾角度を崩さずに、体の動きだけで振る、と。けっこう大変ですね、これ。

中井 ライ角通りに構え、体を左右に向ける動きだけでスウィングする。それができれば、クラブとボールの距離感は崩れず、必ずナイスショットになります。上杉さんのいうように、これは意外と簡単ではありませんが、意識するだけでミスの幅は減るはずです。まずは、構える段階でそこをしっかり意識すること。その上で、ライ角通りに構えたら、ボールとクラブの距離感を崩さないことを念頭において、スウィングしてみてください。必ずや、ミスの幅が減るはずですから。

上杉 タメスカチハアル、ってことですね。

中井 もはや片仮名にしているだけじゃないですか……。

 
【補足】ボールとの距離感を磨くには、高くティアップしたボールをサンドウェッジで打つ練習などが効果的! 距離感が狂うと上手く打てません。というわけで、来週も目指せ、マスターズ!



  • このエントリーをはてなブックマークに追加

運営会社 | プライバシーポリシー