僕のマグノリアレーン

2012.08.30

【第81回】
キミは「バックエッジ」を知っているか。

僕のマグノリアレーン

夢のマスターズを目指して日進月歩、3歩進んで2歩さがりながらも着実に上達を続ける元ジャーナリスト・上杉隆。今週も、プロゴルファー・中井学とのレッスントークが盛り上がる。

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このところ忙しい上杉のために
今週は頭の中のレッスン

中井 いや~、それにしても上杉さん、最近ものすごく忙しそうですね。

上杉 そうなんですよ。もうすぐ民主党の代表選もあるし、自民党総裁選もあるし、アメリカ大統領選もあるし、解散総選挙も取り沙汰されているし、原稿も書かなくちゃいけないし、自由報道協会代表としての仕事や、私が立ち上げた新メディア「NO BORDER」の仕事もあって、その合間にネット番組への出演や講演の予定もぎっしり。これじゃ、“本末転倒”ですよ。

中井 なぜですか? たしかに、忙しすぎるのは考えものですが、仕事があるのは社会のなかでやるべきことがある証拠。いいことじゃないですか。

上杉 いいや、違いますね。私にとってゴルフが「本」で仕事が「末」。仕事に追われてゴルフに行けない現状は、まさにこれこそ本末転倒。ああ、これでいいのだろうか、私の人生は。

中井 つい先週、「小樽カントリーなう」というツイートを拝見した気がしますが……。

上杉 あれ? そうでしたっけ。先週なんて、そんな昔のことは覚えていません。

中井 映画「カサブランカ」におけるハンフリー・ボガードの台詞のようなことを言う人ですね。

上杉 「昨日? そんな昔のことは覚えていない」ってやつですね。しかし、まずいですよ。これだけラウンド数が減少してしまうと、マスターズを目指して上達を図るのはおろか、現状の腕前を維持するのも難しい状況です。練習場にも行けないし……。

中井 以前から練習場にはほとんど行かないじゃないですか。

上杉 そうでしたっけ? そんな昔のことは――。

中井 そのネタはもういいです。とにかく、練習にもラウンドにも行けない上杉さんのために、今週は、頭の中をレッスンします。テーマはずばり、「フロントエッジとバックエッジ」。

上杉 フロントエッジに、バックエッジ。いったいなんのことですか?

中井 以前、グリーンを狙うショットでは、グリーンセンターまでの距離を基準に判断するのではなく、フロントエッジまでの距離を基準としたほうが、ショットの成功率が上がるという話をしましたが、覚えていますか?

上杉 そんな昔の――。

中井 ですよね、はい。繰り返しになるので詳細は省きますが、プロはつねに「エッジまでの距離」「エッジからピンまでの距離」を基準にショットを組み立てます。たとえば、同じ180ヤードの残り距離でも、「エッジからピンまで10ヤード(170+10)」の場合と、「エッジからピンまで25ヤード(155+25)」では、狙い方も、使う番手も大きく異なります。

上杉 なんとなく思い出してきました。距離が180ヤードだからって、180ヤード飛ぶクラブ、私でいえば4番アイアンを即座に選ぶのは間違いということですよね。

中井 そうです。もちろん一概には言えませんが、エッジからピンまで10ヤードの場合は短めの番手で手前に止めるように狙ったり、エッジからピンまで25ヤードもあるのなら、一番手大きいクラブで転がし寄せるイメージで振る、とかそういうことです。今回は、そこからさらに一歩進んで、バックエッジまでの距離も気にしましょう、というお話です。

「グリーンをオーバーしない」は
競技ゴルファーの鉄則です!

081コースでは必ずバックウェッジまでの距離を把握することが必要と中井プロ

上杉 バックエッジって、グリーンの“奥エッジ”のことですよね。うーん、普段はほとんど意識しないなぁ。

中井 重要ですよ~、バックエッジ。フロントエッジとはグリーンの入り口。バックエッジは出口です。その間に止めるのが、グリーンを狙うショットの目的。アマチュアの人がナイスショットしたのにグリーンをオーバーし、叩く必要のないボギーやダボを叩くのは、このバックエッジへの意識が低いからなんです。

上杉 ありますね~、グリーンをオーバーするミス。そういうときって、ショット自体はナイスショットだけに、ショックが大きいんですよね。

中井 詳しく解説していきましょう。まず、コースでは、バックエッジまでの距離を、キャディさんに聞いたり、ピンポジシートで確認することを習慣づけてください。フロントエッジまでの距離、エッジからピンまでの距離、バックエッジまでの距離は、つねに把握しておくこと。

上杉 はい。メンドくさいけど。

中井 がんばりましょう、そこは。ところで上杉さん、「グリーンを5ヤードショートした」と、「グリーンを5ヤードオーバーした」どっちがいやですか?

上杉 そりゃもちろん、オーバーのほうです。ショートなら寄せワン、あわよくばチップインが狙えますが、オーバーしたらほぼボギー確定ですから。

中井 ですよね。というわけで、グリーンを狙うショットでは、「ランも含めたトータル飛距離が、バックエッジまでの距離を超えないこと」、これがなにより大切になるわけです。

上杉 ん?

中井 たとえば、フロントエッジまで180ヤード、フロントエッジからピンまで15ヤード(打球地点から195ヤード)で、バックエッジまで210ヤードだとします。そのとき、絶対に210ヤードを超えてはいけない。そこから番手選びや狙い方を発想してほしいんです。

上杉 なるほど。ピンまで195ヤードだからといって、7番ウッドやUTで狙うと、ちょっと間違えると210ヤードを超えてしまう――。

中井 その通りです。ハーフトップしたり、フォローの風にあおられたり、グリーン面の傾斜次第では、簡単にグリーン奥にこぼしてしまう。ピンまでの195ヤード地点に止めることも大切ですが、それ以上に、ランも含めて210ヤード以上「飛ばさない」ということが大切なんです。これは、コースが難しくなればなるほど守らなければならない鉄則。競技ゴルファーの道を歩み始めた上杉さんには、是非とも押さえてもらいたいポイントです。

上杉 なるほど~。でも、よくよく考えると、200ヤードキャリーして、ランがゼロという球を打てればバックエッジなんて考える必要ありませんよね? 中井プロ、フェアウェイウッドでピタリと止まる球を打つ方法を教えてください。

中井 それは、150キロのフォークの投げ方を教えてくれ、と言ってるのと同じです。まったく、こんな調子ではマスターズなんて一体いつになることやら……。

上杉 「カサブランカ」におけるハンフリー・ボガードの台詞には続きがありますよ、中井プロ。「明日? そんな先のことはわからない」ってね。

中井 カッコよくまとめてもダメっ。

 

バックエッジまでの距離、気にしていますか? ささいなことだけど、知っておくとグリーンオーバーのミスは確実に減ります。しかも、キャディさんに「奥のエッジまで何ヤード?」って聞くと、なんだか上級者気分も味わえる。くれぐれもその後チョロしたりしませんように。というわけで来週も、目指せ、マスターズ!



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