僕のマグノリアレーン

2012.07.19

【第76回】
「かかと」のスクェア

僕のマグノリアレーン

「マスターズを目指す!」突如そう宣言した元ジャーナリスト・上杉隆とそれをサポートするプロゴルファー・中井学の二人三脚レッスンドキュメント、「僕マグ」。今週は、上杉が「とある場所」に向けて出発する直前のお話です。

いよいよ今週は全英オープン。
セベが2度勝った地へ上杉が旅立つ!

上杉 いや~、ついにこの日が来ましたよ。

中井 「小沢新党」こと「国民の生活が第一」結党の瞬間、ですね。上杉さん、小沢一郎議員にはかなり取材していますから、感慨もひとしおでしょう。

上杉 まったく違います。この連載が更新される頃、私は全英オープンの取材のため、「週刊ゴルフダイジェスト」の特派記者として、イギリスにいるんです。

中井 あっ、そうか、今年の全英の会場は――。

上杉 そう、ロイヤルリザム&セントアンズ。私が敬愛してやまないセベ・バレステロスが2回も勝っているあのセントアンズ。とくに79年最初の優勝の際は最終日の16番ホールのティショットを大きく右に曲げ、簡易駐車場に打ち込み、絶体絶命の状況からバーディを奪って、奇跡的な勝利をもぎとった、あの伝説の舞台です。その地に立つことに比べれば、日本国内の政治の話題など、二の次、三の次、バタフライの息継ぎですよ。

中井 “炎上”の怖れのある発言は控えてください。でも、楽しみですね。上杉さんにとってセベはまさしくスーパーヒーローですから。

上杉 全英オープンには、超一流のプロゴルファーが出場するのはもちろん、世界中からトップクラスのアマチュア選手も集まりますからね。彼らはアマチュアとしてメジャーを目指す私のいわば“お手本”。つまり、全英を取材することは私自身がマスターズに出場する上でも、最高の教材となるわけです。セベの面影を追い、一流選手の技術を吸収する。ああ、なんて素晴らしい仕事なんだろう。ありがとうゴルフ、ありがとうゴルフダイジェスト、そしてありがとう、グラシアス、セべ! 「僕マグ」読者諸君も、来週発売の「週刊ゴルフダイジェスト」を楽しみにしてくれたまえ。

中井 僕も楽しみですよ。きっと、タイガーやルーク・ドナルド、マキロイや遼くんではなく、セベの話題ばっかりになるんだろうなぁ……(遠い目)。そういえば、今回の全英では、前回私も出演し、4万人超の視聴者を集めたニコニコ生放送の公式番組を再びやるとか。

上杉 ええ。今回は全英オープンの予選ラウンドまでを取材して帰国、日本時間で日曜日の夜、「上杉隆の勝手に全英オープン実況中継」と題した番組に出演します。今回は、えなりかずきさん、唐橋ユミさんという前回ご一緒したふたりに加え、私のかつての週刊ゴルフダイジェストの連載パートナーでトップアマ中のトップアマである田村尚之さん、さらには石川遼の先生としても知られる吉岡徹治さんがニコニコに再登場、飛ばし屋として有名な吉田一誉プロなど、豪華メンバーでお送りする予定です。

中井 うーん、すごい。

上杉 ふーっ。さて、駆け足で“告知”を済ませた後は、いざ、レッスンですね。

中井 日常会話と思わせて、しっかりと告知をするそのスタンス、勉強になります。あっ。

上杉 どうしたんですか、中井プロ。

中井 スタンス、で思い出しました。今週はアドレス時のスタンスの話をしましょう。

上杉 その結び付け、あまりにも強引なのではないでしょうか。

中井 いいんです。連載も一年半を超えれば、いい加減話の「枕」もネタ切れです。

上杉 たしかに。で、なんですかスタンスの話って。スタンスはスクェア。これは中井プロも認める常識で、それ以上話すことなんてないじゃないですか。

中井 ええ。でも、そのスクェアのつくり方を、上杉さんをはじめ多くのアマチュアゴルファーはきちんと理解できていないんです。上杉さん、ちょっとスタンスしてみてください。

 

スタンスはつま先ではなく
かかとをのラインをチェックしよう

076左足のつま先を開くと、スクェアに構えたつもりでも、かかとのラインはクローズになってしまう

上杉 まったく失礼な。まずターゲットラインをチェックして、と……そのラインに左右のつま先を揃えて構えれば、誰がどう見てもスクェアです。企画倒れですね、今回ばっかりは。

中井 ふっふっふ、果たしてそうでしょうか。上杉さん、今もそうですが、左足のつま先を開いて構えるクセがありますよね?

上杉 ええ、まあ。でも、つま先のライン自体は揃っているわけですから、問題はないでしょう。

中井 では、ズボンのすそを持ち上げて、「かかとライン」をチェックしてみてください。

上杉 かかとのライン? そんなの気にしたことありませんが、では、見てみましょう。ああっ! 左のかかとのほうがズレている。

中井 でしょ? みんな、つま先さえ揃えればスクェアだと勘ちがいしていますが、実際の足のポジションは実はかかとで決まります。上杉さんのスタンスは、一見つま先が揃ったスクェアスタンスに見えますが、かかとを基準に考えると、右足の引けたクローズドスタンスなんです。だから、アオリ打ちになりやすいし、それを嫌って巻き込むようなチーピンも出るんです。

上杉 ガーン。全然知らなかった。

中井 ここでクイズ。これって、スクェアスタンスでしょうか?

上杉 左のつま先が45度くらい左を向いています。誰がどう見てもオープンスタンス。でも……分かった! 実はこれでスクェアなんですね。

中井 残念、不正解。実はこれ、クローズスタンスなんですよ。背中側から見てもらえれば分かりますが、左足かかとのほうが、右足かかとのラインより前に出ているのがわかると思います。

上杉 あ、ホントだ。

中井 すごく大事なポイントなのですが、ターゲットに対するスクェア感というのは、つま先ではなくかかとで作るものなんです。つま先で合わせてしまうと、一見スクェアに立てているようで、実はクローズだったり、オープンだったりしてしまう。

上杉 それじゃあ、狙い通りに打ち出せないってわけですか。おそろしいですね~。

中井 おそろしいんですよ。この連載でも何度もお伝えしていますが、いいスウィングをしていてもミスになるケースは多々あります。スタンスの向きもそのひとつ。フェアウェイが広くて、左右どちらに曲げてもOBにならないようなコースでは気にする必要ないかもしれませんが、先日上杉さんが予選落ちしたパブミッドのような競技では予選を通るか落ちるかを決めるケースもあります。その先の全国大会レベルの試合や、ましてやマスターズの舞台では、このちょっとのズレが天国と地獄を分かちます。

上杉 なんだ、予選落ち前に言ってくれればトップ通過だったのに~。

中井 無意味に楽観的すぎます。とにかく、スクェアはかかとで作る。それを忘れないでください。

上杉 じゃあ、つま先の向きはどうでもいいんでしょうか。

中井 ちょっとフェードっぽく打ちたかったら左のかかとを開く、ドローが打ちたければ左つま先を閉じるなど、つま先の向きは体の回転方向の“味付け”として使うものというイメージですね。

上杉 よーし、いいこと聞いた。さて、じゃあ私はそろそろ全英の取材に行ってきます。あ~、楽しみだな~。到着したらコースに出るより先に駐車場の跡地に急行し、セベが打ったと思しき場所で記念撮影をしてきます。名誉会長、みたいな意味で“名誉セベ”と呼ばれる私にとって、それは欠かせませんからね!

中井 絶対、来週には忘れてるな、今日のレッスン……。

 

というわけで、今週末は全英オープン! ニコニコ生放送も、ぜひお楽しみに。なんでも、全英の会場に到着するや否や物販コーナーに駆け込み、自腹で「視聴者プレゼント」を買い込んだとか……。ともかく気分は全英一色ですが、あくまで目指せ、マスターズ!



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