僕のマグノリアレーン

2012.07.05

【第74回】
上杉隆「パブリックミッド」奮戦記

僕のマグノリアレーン

「マスターズを目指す!」そう宣言した元ジャーナリスト・上杉隆と、それをサポートするプロゴルファー・中井学。見果てぬ夢の第一歩、今週競技に挑戦です!

ミッドパブ関東予選、上杉は
最高のティショットでスタートした……。

――7月3日。上杉隆「全日本パブリックミッドアマチュア選手権」関東予選会(会場:オールドオーチャードGC)挑戦当日。これは、ひとりの男の戦いドキュメントである。

上杉 ――ついに来てしまいましたね、この日が。

担当編集者(以下、担当) ええ。予選当日。みるからに上手そうな人たちが集まっています。

上杉 うーん、おそろしい。さらに、およそ80名の参加者のうち、予選通過は13名と狭き門。あれ、そういえば今日、中井プロはどうしたんですか?

担当 今日はお休みです。代わりに私がしっかりと読者の皆様にレポートさせていただきます。

上杉 肝心なときにいないとは、仕方がない男ですね。まあ、見ていてください。私が目指しているのは遥かなるオーガスタ。このミッドパブ関東予選はその目標の前の前の前の前の前の前、くらいの通過点に過ぎませんからね。普段通りにプレーすれば自ずと結果はついてきます。ははははは。よし、ではスタートしてきます。

担当 ああっ! 上杉さん、キャディバッグにクラブが15本入っています。

上杉 なにっ! 危なかった~。あわや、最大4打罰、あるいは競技失格になるところでした。

担当 上杉さん、ボールはなにを使うんですか?

上杉 ワンボールですよね。

担当 そうです。競技だから、「ツアーステージでOB打ったから、暫定球はスリクソン」、とかそういうわけにはいきません。ともあれ、御武運を祈っております。

上杉 では、いってきます。同伴競技者のみなさんに挨拶して、ルール説明を受けて……っと。よし! とりゃーっ(と、ティオフ)。

担当 おおっ、ナイショー! いってらっしゃーい!

上杉 ははははは、朗報を楽しみに待っていてくれたまえ!
<およそ3時間後>

上杉、OUTを痛恨のトリを含む「43」でハーフターンし、後半の9ホールに向かう。その後、続々と上がってくる早い時間スタートの各参加者。およそ半分の組がホールアウトした段階で、予想予選通過ラインは、9オーバーの「81」――。INを「38」で回れば予選通過の可能性が広がるという微妙な状況に追い込まれる。
担当 ……しかし、上手い人ばかりだからもっと進行が早いかと思いきや、意外と時間がかかるんですね。

スタッフ ええ。やはり普段のゴルフよりもみなさん慎重になりますからね。その分プレー自体は若干時間がかかります。でも、後半は前半に比べてプレーが速くなるケースもありますよ。

担当 どうしてですか?

スタッフ 雰囲気に慣れてくるのもありますし、前半で叩いてしまった選手は、投げやりというわけではありませんが、前半ほど時間をかけてプレーしなくなる傾向があるんです。

担当 なるほど、そういうものですか。あっ、18番ホールに上杉さんの組が来た。あれっ、上杉さん、やけにプレーのリズムが速いな……。

上杉 ……。

担当 上杉さん、おつかれさまです。いかがでしたか、後半は?

上杉 ……取材は事務所を通してください。

担当 上杉さん、事務所に所属してないじゃないですか。

上杉 いや、自由報道協会かNO BORDERに……。そうだ、思い出した。そうだ、思い出した。このあと私は東京のラジオ局に行く用事があるんです。では、さらば。

担当 さらば、じゃないですよ、どうだったんですか、スコアは。

上杉 ……42です。

担当 あら~。38で上がってくればチャンスがあったのに……。

上杉 ずっとワンオーバーで耐えていたんですが……うーん、無念。

競技ゴルフに再び目覚めた上杉。
連載も新展開に突入!?

074肩を落としながらホールアウトする上杉。予選通過はならなかった……

担当 「敗因」はどこにあったのでしょうか。

上杉 ドライバーですね。とにかく、1球もマトモに当たらなかった。池に入れたり、林に入れたり……。あとパターですよ。後半、2メートルの下りのバーディパットを3パットのボギーにしてしまって、一気に流れが悪くなりました。ああ、あれが入っていればなぁ。

担当 ちょっと、中井プロに報告します(電話する)。中井プロ、おつかれさまです。上杉さん、残念ながら「85」で予選落ちです。アイアンは絶好調だったのに、ドライバーがダメだったそうです。え? 「ドライバー不調、アイアン好調」は、悩んでいる人が多いわりに、意外とスコアには関係がない?

上杉 そんなわけないでしょう! 林や池に入れたら、それだけで1打を失ってしまいます。

担当 ミスショットは絶対に出るし、タイガーや遼くんだって林や池に入れる。ドライバーはいちばんミスが出やすいクラブなので、それは仕方がない。それよりも、直接の敗因は2メートルのバーディパットをボギーにした点だそうです。

上杉 仕方がないじゃないですか、絶対にバーディがほしい場面だったんだから。

担当 「3パットは“人為的OB”。たとえ狙いにいくとしても、その距離であれば絶対にパーが確保できるタッチで狙わなければなりません」とのことです。

上杉 うーん、たしかに、あのボギーで心が折れ、そのあとは粘れずにボギーやダボを重ねてしまったのは事実です。

担当 そもそも出場選手のなかで、おそらく上杉さんがもっとも練習していない。それが一番の原因です、ともおっしゃっていますが……。

上杉 ぐぐぐ。うーん、悔しい。実に悔しい。でも不思議ですね。悔しい気持ちはありますが、それ以上に清々しいというか、適度な緊張感のなかでプレーする18ホールが、ものすごく楽しかったというのも偽らざる気持ちです。しかも、予選通過に足りなかった4打は、ひとつ歯車がかみ合えば、容易に埋められた4打です。

担当 「おかえりなさい、競技ゴルフの世界へ。足りなかった4打を埋めるためにこれからも頑張りましょう」とのこと。でも、たしかに4打なら、すぐに埋められそうですね。

上杉 もちろんですよ。

担当 えっ? そんなことより上杉さんが予選落ちしちゃって、この先の連載はどうするんだ? あ、電話が切れちゃいました。たしかに中井プロの言う通り。この先どうしましょう、上杉さん。

上杉 そうですね……。もちろん、競技には再挑戦しますが、現状ではパブリック選手権、ならびにパブリックミッドくらいしかオーガスタに通じる試合は出られません。決めましたよ、来年以降、関東アマ予選、東京都アマ予選といった試合に挑戦します。

担当 そのためには、まずはハンディキャップを取得しなくちゃですね。

上杉 よし、では来週からは「僕のマグノリアレーン ――ハンディ取得編」にしましょう。

担当 なんか、マスターズがどんどん遠ざかっていく気がするんですけど……。

上杉 大丈夫。今日届かなかった4打の先に、緑に輝くマグノリアレーンが待っているんです。

担当 上杉さん、大変です。

上杉 どうしたんですか。

担当 そうこうするうちに、最終的な予選通過ラインが、「78」になってしまいました。ですから、届かなかった「4打」ではなく、届かなかった「7打」です。正確に言うと。

上杉 4打も7打も同じです。

担当 大丈夫かなぁ……。ともあれ、読者のみなさま、上杉さんの次なる競技挑戦に、是非ご期待ください!

 

というわけで結果は無念の予選落ち! しかし、連載一年半が経過して、ついに動き始めた大きな夢への小さな一歩。来年こそは、予選通過。そしていつかは、目指せ、マスターズ!



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