僕のマグノリアレーン

2012.05.31

【第69回】
真のレイアップ

僕のマグノリアレーン

「マスターズを目指す!」そう宣言した元ジャーナリスト・上杉隆と、それをサポートする中井学。二人三脚ゴルフレッスンドキュメント「僕マグ」、今週は先週に引き続き、上杉が叩きだした驚異のハーフ「35」の秘密に迫ります。

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偶然やラッキーではなく、
上杉は「実力」でバーディをとった!

中井 さて、前回のお話を軽くおさらいしておきましょう。千葉県屈指の難コース、オークビレッヂGCでハーフ「35」という驚異的なスコアを叩きだした上杉さん(ちなみに18ホールのスコアは『75』)。先週の内容は、難コースでのハーフアンダーパーを生んだマネジメント術を解説する、というものでした。

上杉 たしか、「3つのターニングポイント」があるという話でしたね。

中井 ええ。先週ひとつ解説したので、あとは残り2つのターニングポイントについてお話しします。早速ですが、第2のターニングポイント、それは〇番ホールのパー5。ティショットに成功し、残りは230~240ヤード。そのセカンド地点で訪れます。

上杉 ああ、あの場面。ライが問題だったんです。沈んでいたんですよボールが。

中井 ボールの手前にボールの高さくらいの芝がある状況で、なおかつ軽い左足下がり。僕は遠巻きに見ていましたが、「よし、狙うぞ!」と言って構えた上杉さんが持っていたのは、フェアウェイウッドではなく、アイアンでした。あれは超・超ファインプレー。僕が見る限り、上杉さんがはじめて自分から「レイアップ」を選択した場面です。

上杉 そんなことないですよ。僕はしょっちゅうレイアップしています。ダフらせたり、トップさせたり。

中井 え~、それは断じてレイアップではありません。また、林の中からの脱出や、目の前に木があって何があっても絶対にグリーンを狙えない場面で刻むことも、レイアップとは呼びません。それは、「パンチアウト」。上杉さんのゴルフには、ダフリ、トップ、パンチアウトはあってもレイアップはなかったんです。

上杉 ぐぬぬ。たしかにそうかも。

中井 あの場面、左足下がりからの230ヤードは、3番ウッドで250ヤード以上飛ばせる飛距離があり、なおかつ左足下がりからカットに打てる技術がない限り、絶対にグリーンをとらえることはできません。しかし、今までの上杉さんなら確実に狙っていたはずです。なぜなら、「2番ウッドで平地から超ナイスショットすれば230ヤード飛ぶ」という、その場面とは実はなんの関係もない事実が一方であるからです。

上杉 しかし、中井プロ。あのときは悩んだ末にアイアンを選択しましたが、ときには果敢にグリーンを狙う「勇気」もゴルフには必要なのではないでしょうか。

中井 それは「勇気」ではなくむしろ「臆病」です。本当の勇気とは、100%ありえないナイスショットを夢見て冷静な判断を放棄することではなく、石にくらいついてもパーをとるために、脳細胞をフル回転させて、パールートをギリギリまで探ること。そっちのほうがはるかにしんどいですからね。「男の子!」とか「勇気!」とかいって、みんなラクしてるんですよ。考えることから逃げている。臆病者に待っているのは10回に1回のバーディと、残り9回のダボかそれ以上のスコアです。

上杉 なかなか耳が痛いことを言いますね、今週の中井プロは。

中井 なにしろアンダーパーの領域の話ですからね。厳しくもなります。

上杉 まあ、私は勇気を持ってアイアンを選択し、サードショットを5メートルにつけ、見事バーディを奪取したわけですが……。

中井 あれはお見事でした。あれは実力で「とった」バーディ。「バーディをとれた」と「バーディをとった」の間には、実は雲泥の差があります。偶然やラッキーで「とれた」バーディは見たことがありますが、上杉さんの実力で「とった」バーディは初めて見ました。まさに、上杉さん史上初の「届くかもしれない距離からの撤退」、すなわち勇気を持った真のレイアップの成果です。

上杉 えへへ。

 

いよいよマスターズ出場に向けて
"具体的な行動"を発表!

069
セカンドで万に一つのナイスショットを狙うのは勇気ではない。脳みそを振り絞って「3打目勝負」を選択する、それが勇気ある真のレイアップなのだ!

中井 さて、最後のターニングポイント、それは7番ホール、294ヤードの短いパー4で訪れました。

上杉 あ~、あのホール、ものすごく苦手なんですよ。ティショットの落とし所の左に池、右にはバンカー群。いつも左の池をいやがって、右のバンカーに入ってしまうんです。

中井 あのホール、上杉さんのボールは右のバンカーとバンカーの間に落ちました。

上杉 ええ、そうでした。で、なにがターニングポイントだったんです。

中井 だからその、右のバンカーとバンカーの間に落ちたことです。

上杉 たまたまじゃないですか、それ。

中井 ええ。ただの「運」です。しかし、そこまで1打1打にこだわってゴルフをしてきたからこその「運」だと僕は思うんです。「球に気持ちが乗った」とか「ゴルフの神様がほほ笑んだ」なんてオカルトじみたことを言うつもりはありませんが、運を引き寄せるゴルフをしていたのも事実です。

上杉 まさに運も実力のうちってことですね。

中井 それもあるし、それ以上に、「バンカーにさえ入れなければあのホールは簡単だ」ということを学んだことが大きい。はっきり言って、ティショットをドライバーではなく、ロングアイアンで行えば、あのホールはかんたんにパーで上がれますから。運任せの成功体験を次なるマネジメントにつなげる。これもマスターズへの道のひとつです。

上杉 たしかに。

中井 そうすれば、今度は「運」ではなく「実力」でパーがとれる。運を実力に変えるゴルフ、そして、運不運に左右されないゴルフができるようになれば、上杉さんのゴルフは“ホンモノ”です。

上杉 ……決めましたよ。

中井 え、なにをですか?

上杉 私、上杉隆は日本パブリックミッドアマチュアゴルフ選手権、通称「ミッドパブ」に出ます。そして、本気でマスターズを目指します。

中井 まあ、競技に挑戦するのは素晴らしいことですが、ミッドパブとマスターズはさすがに関係ないのではないでしょうか。

上杉 ふふふふふ。分かっていませんね、中井プロ。ミッドパブの優勝者とラナーアップ(2位)は、日本ミッドアマへの出場権が得られます。さらに、日本ミッドで優勝すると、日本オープンの出場権が得られます。日本オープンに優勝すると、「前年の日本オープン優勝者」の資格で翌年の全英オープンの出場権が得られます。その全英オープンで4位タイ以内に入ると……。

中井 あっ。マスターズに出られる。

上杉 そういうことなんですよ、中井プロ。つまり、2012年のミッドパブの先には、2014年のマスターズがあるんです。

中井 すごい。無茶苦茶な論理だけど、破綻はしていない。そして、ものすごく夢のある話だ。

上杉 目指せ、マスターズ。その言葉がついに現実味を帯びてきましたね。

中井 現実味を帯びているかどうかはともかく、やるだけやりましょう、上杉さん!

 

というわけで、上杉隆、ミッドパブ出場決定! 既にエントリーも済ませ、まずは関東予選に挑みます。マスターズの夢は見られるのか? 泡のように消えるのか? 乞うご期待! そろそろ本格的に、目指せ、マスターズ!



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