僕のマグノリアレーン

2012.03.15

【第59回】
ゴルフスウィング2.0 ~上杉隆の覚醒~ <後編>

僕のマグノリアレーン

「マスターズを目指す!」そう宣言した元・ジャーナリスト上杉隆と、それをサポートするプロゴルファー・中井学。連載開始から1年超、ついに上杉に“開眼”の瞬間が訪れる。上杉隆のスウィング覚醒編、最終回です。

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急遽、"飛ばし屋"に変身した
上杉だったが……。

中井 さて、先週に引き続き、「ゴルフスウィング2.0」の感覚をつかみかけた上杉さんが、仮想オーガスタとして訪れた東京・江戸川区の「ロッテ葛西ゴルフ」の1階1番打席でボールを打っているわけですが……。

上杉 やばいな~。

中井 どうしたんですか。

上杉 ものすごい飛ぶんですよ、球が。困ったな~。どうしよう、ゴルフメディアから「飛ばし屋」として取材依頼がきたら。

中井 今、まさにこの瞬間「僕マグ」という名のゴルフメディアが取材していますよ、上杉さん。

上杉 あ、そうだった。

中井 いやしかし、今回のレッスンは教えた僕がビックリするくらいハマりましたね。

上杉 自分でもビックリですよ。なんか、軽く振ってる感覚だし、腕ではなく腕の付け根を動かすイメージなので、スウィングもすごい小さい感じなのに、驚くほど飛んでいます。

中井 こればっかりは言葉でいくら説明しても理解してもらうのが難しいんですけど、プロの振ってる感覚と、アマチュアの振ってる感覚って、驚くほど違うんです。

上杉 そうですね。私にもアマチュアがどういう感覚でスウィングしているのか、それを理解するのは難しいです。

中井 この短期間に随分とまあ強気になったものですね、上杉さん。でも、上杉さんが言ったように、99%のアマチュアにとって、あくまで感覚のなかでスウィングはもっと小さくていいし、軽く振っているイメージでいい。このことは強く言いたいですね。

上杉 諸君、分かったかな? 力んではいけないのだよ。ちょっと読者にお手本を見せましょう(と、打つ)。あれっ、全然飛ばない。

中井 「力まな過ぎ」です。ここですね、ポイントは。ゴルフスウィング2.0は、腕ではなく腕の付け根を動かし、体の回転と右手首が甲側に折れた角度を維持するヒンジ&ホールドがもたらすライ角の維持によってクラブヘッドに遠心力を働かせ、飛距離をアップさせる打ち方ですよね。

上杉 はい。

中井 これは、腕の上下動及び腕の旋回によって球をとらえるゴルフスウィング1.0と比べると、感覚的には力を入れていないように感じます。ただし、ゴルフスウィング2.0を行うときに、単純に脱力してはいけないんです。

上杉 力を入れてないように感じるのはいいけど、力を抜いてはいけない、ということですか。

中井 まさにその通りです。上杉さん、ちょっとウェッジを打ってもらえますか?

上杉 突然ですね。なるほど、飛ばし屋に変身した私は、おそらくゴルフ場でセカンドショットをウェッジで打つだろうと想定しての練習というわけですね?

中井 まあ、ともかく1球どうぞ。

上杉 了解。では、仮想オーガスタの17番のグリーンに向けて、スピンの効いたセカンドを放ちましょう(と、打つ)。あっ、トップしたっ。

中井 うーん、残念。やはり、上杉さんはゴルフスウィング2.0を完全にモノにしたわけではありませんね。

ドライバーショットのすぐ後に
ウェッジで打ってみよう!

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手で上げたトップ(写真左)と、「腕の付け根を動かす意識」のトップ(写真右)の比較。体の回転量は同じなので、手で上げた分はミスにつながる無駄な動き。飛距離もかえって出ない
上杉 心外ですね。今のはたまたまミスになりましたが、その前には250ヤード先のネットに突き刺さる球を連発していました。

中井 それは間違いのない事実です。しかし、本当に腕に頼らないスウィングをしているかどうか、それをテストするのに最適なのが、今のようにドライバーを打ったあとにウェッジを打つことなんです。ボディだけでスウィングできていれば、ドライバーでもウェッジでも、テンポ、すなわちスウィングの速度は変わっても、スウィングのタイミングは変わりませんからね。

上杉 そういうもんですか。

中井 そういうもんです。今のように、ドライバーでナイスショットを連発しても、直後にウェッジでミスをしてしまうというのは、まだ手が悪さをしている証拠。具体的にいえば、上杉さんの場合、左に体重移動し過ぎです。

上杉 体重移動って、手じゃないじゃないですか。それに、左への体重移動は飛ばしの絶対条件のひとつでしょう。

中井 正しいスウィングをした結果起こる体重移動は飛ばしの絶対条件ですが、「当てにいく体重移動」はNGです。上杉さんのスウィング、バックスウィングはすごくいいんです。腕の付け根を動かす意識だから、手の位置はコンパクトに収まっているにも関わらず、肩は以前よりしっかり回っている。

上杉 えへへ。

中井 問題はその後。やはり、以前の当てにいく意識から、左サイドに強く踏み込む動きが見られるんです。その結果、腕の通り道がなくなり、腕をボール方向にブツけるような動きが出てしまう。つまり、体重移動の結果、手の余計な動きが生まれていたわけです。やり過ぎは厳禁ですが、インパクトではほんの少し右足に体重が残っているくらいの感じでスウィングしてみてください。

上杉 ウェッジで?

中井 いや、ドライバーで。ほんの少し右足に体重を残す。それだけで、後は全部さっきの感じでOKです。

上杉 了解です。ネットを突き破るような打球を披露しましょう(と、打つ)。

中井 ――完璧なナイスショットです。今度はネットの一番下ではなく、そこからさらに7、8メートル上に当たりました。

上杉 インパクトの感触がないですよ、今の。しかも驚くほど球が高かった。

中井 当てにいく左への体重移動が減ったぶん、手の動きが減りました。今のはゴルフスウィング2.0がほぼ完ぺきにできていました。これが、上杉さんの「本当の飛距離」です。

上杉 「本当の飛距離」に出会うのが、約30年、遅かった気がしています。

中井 大丈夫、まだ間に合いますよ、たぶん。第一、この飛距離なら、オーガスタの13番で2オンが狙えます。

上杉 それ、オーガスタの中でいちばん短いパー5じゃないですか。

中井 まあいいじゃないですか、細かいことは。そうだ、今の感覚でウェッジも打ってもらえますか?

上杉 よしきた(と、打つ)。あ、今度は上手に打てた。

中井 いいですね。左に体が突っ込んでいない。腕の付け根が動いて、手の上げ下げがない。ヒンジ角が保たれている……これで、「ゴルフスウィング2.0」にアップグレード完了です!

 
「力を抜く」ではなく「力を入れていないように感じる」。そして、感覚的には驚くほど小さいトップでOK。なのに、飛ぶ! みなさんも是非、ゴルフスウィング2.0へのアップグレードを。というわけで来週も、目指せ、マスターズ!



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