僕のマグノリアレーン

2012.02.16

【第55回】
レイアップは「2連発」でお願いします!

僕のマグノリアレーン

「マスターズを目指す!」そう宣言した元ジャーナリスト・上杉隆と、それをサポートするプロゴルファー・中井学の二人三脚レッスンドキュメント「僕マグ」。今週は、上杉が立ち上げた「新メディア」の話題で盛り上がっているようですが……。

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ゴルフもメディアも
"ミドル"が大事!?

中井 新メディア、「NO BORDER」の立ち上げ、おめでとうございます。

上杉 ありがとうございます。新聞・テレビといったマスメディアと、twitterやYouTubeなどのマイクロメディア間の断絶を埋める、“ミドルメディア”を目指し、頑張ろうと思っています。

中井 ネットでは「マスコミは嘘ばっかり」という意見が聞かれるし、ネット以外では「ネットは嘘やデマだらけ」という意見が聞かれる。それではもったいないですもんね。両者の架け橋になることを、僕も期待しています。

上杉 ありがとうございます。日本の特殊で閉鎖的な言論環境を少しでも打破する一助になりたいですね、本当に。ゴルフでいえば、ドライバーとパターしかないのが日本のジャーナリズムですから。

中井 なるほど。新メディアはアイアンであり、フェアウェイウッド、ユーテリティの役割を担う、と。

上杉 よく分かりませんが、たぶんそうです。

中井 わからないんですか?

上杉 はい。なにしろNo Border。境界も、理由も、飛距離も分かりません。

中井 そうですか。よし。では、今週は「レイアップ」をテーマにしましょう。ゴルフでは、ドライバーを打って次がパター、という攻め方はよっぽどの飛ばし屋か、特殊なホールでなければ不可能ですからね。ミドルメディアならぬミドルクラブでどうつなぐか、そこが重要になってきます。

上杉 うーん、見事なこじつけです。

中井 えへへ。さて、では上杉さんは今400ヤードのパー4の2打目地点にいます。ティショットをミスして、残り距離は250ヤードもあるという状況。ここからどう攻めますか?

上杉 うーん、私にはマルマンの「メガブラッシー」という秘密兵器がありますからね。約230ヤードは飛ぶこのクラブで、グリーン手前までボールを運びます。そうすれば、寄せワンのパーの可能性が残りますから。

中井 うん、上杉さんはまさにそのように攻めています。しかし、それではダメなんです。

上杉 なんとなくそう言われる気はしていましたが、どうしてダメなんでしょう。

中井 単純に、コースがどんどん狭くなるからです。

上杉 ボールが飛んでいる間にそのような地殻変動が起こることはあまりないと思うのですが……。

中井 知ってます。多くのパー4では、コース設計家はミドルアイアンでセカンドショットを打つことを前提にホールをデザインします。つまり、セカンドショットは「ミドルアイアンで打ったときにちょうどいい」難易度にしている場合がほどんどなんです。つまりブラッシー(2番ウッド)で攻めるようには作られていないわけですよ。

上杉 ああ。なるほど。パー4のグリーン周りは、「2番ウッドで攻めるには狭すぎる」ってことか。

中井 言い換えれば、「ナイスショットしてもトラブルになる」わけです。もし仮に、300ヤードのパー4で、フェアウェイが20ヤードの幅しかなかったら、ティショットでドライバーは持ちませんよね。それと同じことなのに、ついつい「持っている一番長いクラブ」を使いたがってしまうんですよ、パー4だと。

OBのあとの打ち直しで
ナイスショットが出る理由とは?

055グリーン周りが難しい状況で、なおかつ距離的にも届かないならば、パー4でも「レイアップ」を視野に入れるべきだと中井
上杉 で、どうしたらいいんですか、そういう場合。

中井 方法はふたつあります。ひとつは、「トラブルにならない範囲でもっとも長いクラブを使う」方法。

上杉 え、それってさっきの私の攻め方と同じじゃないですか。

中井 「トラブルにならない範囲で」がポイントです。たとえばスプーンだとバンカーにつかまる可能性があるから×、クリークだとその手前の池に入る危険性があるから×、7番ウッドは引っかけるとOBに入るかもしれないから×、4番アイアンは苦手だから×、といったように、上からクラブを消していき、たとえば5番アイアンを選ぶ。そういう攻め方です。

上杉 なるほど、私は5番で170ヤードは飛びますからね。残りは80ヤード。うん、悪くないですね。

中井 ええ、悪くない攻め方です。しかし、ここからが今週のキモ。考え方その2、「残り距離を2で割って、同じクラブを2回振る」。これが僕のオススメなんです。

上杉 250ヤードを2で割ると125ヤード。9番か、ピッチングを2回続けて打つ、ということですね。なんか、工夫がない気がするんですけど。

中井 工夫がない、それこそがいいんです。上杉さん、コースで同じクラブを2回続けて使う状況って、ほかになにが考えられますか?

上杉 言われてみると、ほとんどないですね。まずはパターですよね。後はドライバーでOBを打った場合か……。

中井 ですよね。ミドルメディアならぬ、ミドルクラブを2回連続で使う状況って、ほとんどない。で、OBを打ったあとの打ち直しって、たいがい上手くいくじゃないですか。「これが1球目に出てればなあ」なんつって。そして、暫定球でナイスショットが出る理由、それこそが「2回続けて同じクラブを使ったから」なんです。

上杉 はあ。

中井 練習場ではいい球が出るのに、コースではナイスショットが続かない。それは、毎回違うクラブを「持たされる」から。ならば、意識的に同じクラブを2回使う状況を自分から作ればいいんです。ましてやショートアイアンなんて、はじめからミスの可能性が少ないわけです。それを2回続けて打てば、より重要な“2回目”、つまりグリーンを狙うショットでのナイスショット率が飛躍的に高まる。案外パーで上がれちゃったりするわけです。

上杉 しかし、レイアップというからてっきりパー5の話かと思いました。あるもんですね、パー4でもレイアップしたほうがいい状況が。

中井 アマチュアゴルファーにとっては、パー4でのレイアップはスコアを守る上ですごく重要な戦略なんですよ。ミスの後でなくとも、たとえば300ヤードのパー4なら、ドライバー→サンドウェッジといった、日本の言論環境のような攻めではなく、6番や7番アイアン2連発のほうがやさしい場合が多い。これぞ、ゴルフ業界のNo Border、ミドルメディア「僕マグ」ならではのクレバーな攻めです。

上杉 攻め方はともかく、「僕マグ」はミドルメディアではなくマイクロメディア、むしろNo order(依頼なし)な「弱小連載」と言ったほうがいい気がするんですけど……。

 
まさかの主人公から「No order」呼ばわり! それでも「僕マグ」は続きます。次週は、今週に引き続き、NO Borderなマネジメント術をお伝えします。というわけで来週も、目指せ、マスターズ!



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