僕のマグノリアレーン

2012.02.03

【第53回】
リズムとフィニッシュ保存の法則

僕のマグノリアレーン

「マスターズを目指す!」そう宣言してから早1年以上の時が過ぎた元ジャーナリスト・上杉隆。無謀な夢をサポートする中井学と二人三脚、のんびりまったりゴルフレッスン、今週はリズムのお話しその2です。

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そろそろ結果を出さないと……
連載タイトルも変更の危機!?

中井 さて先週、上杉さんに自分だけのリズムを身に付けることが重要であると説きました。今週はその続きをお話ししたいと思っています。

上杉 いきなりレッスンですか。中井プロ、ちょっと焦り過ぎではないでしょうか。

中井 連載も2年目に突入しましたからね。そろそろ結果を求めたいんです、僕も。

上杉 そんな中井プロにピッタリの一冊があります。

中井 なんとなく予想がつきますが、一応聞きます。なんでしょう。

上杉 「結果を求めない生き方」(アスコム)という素晴らしい本です。これを読めば、きっと焦って結果を求めることの愚かさが見えてくるはずです。

中井 念のため伺いますが、その本の著者はどなたでしょうか。

上杉 誰でしたっけ? えーと、「上杉隆」って書いてありますね。あっ、私だ!

中井 私だ! じゃないですよ本当に。他社の媒体を使って自著を宣伝するのは勘弁してください。しかもその本、この連載が始まる前、つまり僕がただの上杉隆ファンだった頃に、人生で初めて「サイン」をお願いした本なんですけど……。

上杉 そうでしたっけ? まあ、ともかく結果はあとからついてくるってことですよ。結果を求めると、ロクなことがありません。

中井 なにがしかの結果を求めないと連載の存続が危うくなる可能性があるのですが……。

上杉 大丈夫。もし私が結果を出せない場合、中井プロが結果を求めればいいんです。

中井 どういうことですか?

上杉 つまり、中井プロがマスターズを目指す。私はキャディとしてそれをサポート。連載タイトルも、「僕のマグノリアレーン」ではなく、オーガスタナショナルGCの12番ホールに架かる橋、ホーガンブリッジをもじって、「僕らのホーガンブリッジ」に改名する。どうです?

中井 どうもこうもないですよ。アマチュアの上杉さんがマスターズを目指す。そこが面白いんじゃないですか。

上杉 そうですか……。ということは、連載タイトルを「結果を求めない打ち方」に変える、というのも――。

中井 無論、却下です。ゴルファーとは、1打でも少ないスコアであがりたい、1ヤードでも遠くに飛ばしたいと思うもの。つまり、結果を求める人種です。

上杉 ああ、強欲スコア主義。では、極めて遺憾ながら自著のタイトルに反して、結果を求めて頑張ります。

中井 ああ、結局またレッスン前に無駄話をしてしまった……。仕方ない、気を取り直してはじめます。

上杉 よろしくお願いします。

「イーチ、ニー、の、サーン」よりも
「イチ、ニ」のリズムがいいぞ!

053フィニッシュだけを意識するとスウィングリズムは勝手によくなる!
中井 先週、リズムはスウィングによって変化する。そして、自分だけのリズムを身に付けることが、スウィングを安定させるために必要だ、とお伝えしました。

上杉 そうでしたっけ。

中井 さくっと忘れないでください。とにかくそういうわけなので、今週はリズムについて、さらに深く考えていきたいと思います。実は、上杉さんには「これを言うとリズムが良くなる」魔法のワードがあるんです。

上杉 なんですか、それ。

中井 「フィニッシュだけ意識してください」です。ラウンド中、この一言を聞くと、上杉さんのスウィングリズムは一瞬のうちに変化します。

上杉 あ、たしかに。先日、中井プロと一緒にラウンドした際も、前半はボロボロでしたが、後半フィニッシュだけを意識するようになったら、見違えたようなゴルフができました。でも、なんで?

中井 これは上杉さんに限ったことではありませんが、多くのアマチュアはスウィング中に体が上下動してしまいます。体が上下動すると、リズムはどうしても「イーチ、ニー、の、サーン」というリズムになってしまう。そして、「の」という余計な動きが入る結果、ミスが出るんです。

上杉 ふーん。「の」がいらないんですね。

中井 そう。「の」があると、始動(イーチ)からバックスウィング(ニー)で伸び上がり、切り返し(の)で沈む込み、ダウン(サーン)からインパクト、フォローにかけてまた伸び上がる。えらく浮き沈みの激しいスウィングになってしまうんですよ。

上杉 浮き沈みの激しいスウィングですか。まるで私の人生のようです……。

中井 やはり、ゴルフスウィングはその人の生き様をも反映するのですね……まあいいや。しかし、フィニッシュだけを意識すると、このリズムが「イチ、ニ」に変化するんです。イチでバックスウィング、ニでダウン。それだけでスウィングが終了し、フィニッシュに至る。動き自体がものすごくスムーズになるんです。

上杉 フィニッシュをとることだけを意識すると、スウィングリズムが勝手に変化するってことですか。

中井 そういうことです。フィニッシュだけを意識すれば、頭残そうとか、腕を絞ろうとか余計なことを考えません。その結果、スウィングの贅肉が削ぎ落とされ、結果的にリズムがよくなるわけです。

上杉 最近、私の腹にも贅肉が目立つようになってきたのですが……。

中井 僕もなんですよ、それが……って、それはお互いなんとかしましょう。今はゴルフの話です。

上杉 そうでした。

中井 少し話がズレますが、フィニッシュだけを意識すると、リズムだけでなくフィニッシュの「形」も変化します。普段、上杉さんはすごく高いフィニッシュをとろうとするのですが、それが後ろから見てシャフトが肩のラインとほぼ平行な、フラットなフィニッシュになります。

上杉 え~、フィニッシュは高いほうがいいですよね。カッコいいし。

中井 それまた不正解です、残念ながら。上杉さんの「持病」とも言えるバックスウィングでの伸び上がり、それは、「高いフィニッシュをとろう」という意識の裏返しなんです。たしかに見た目はいいかもしれませんが、それはしょせんは作った姿勢。ナチュラルなスウィングで自然に出来たフィニッシュのほうが、ずっとカッコいいですよ。

上杉 まあ、とにかくフィニッシュだけ意識して振れば、なにもかも上手くいくってことですね。

中井 そういうことです。ただ、「なぜ上手くいくのか」だけはしっかり知っておかないといけません。根拠なきナイスショットは、根拠なきミスショットと表裏一体ですから。それに、「フィニッシュを意識するとリズムがよくなる」と、「リズムを意識するといいフィニッシュになる」は交換可能。その時々で上手くいくやり方を選べるようになります。

上杉 なるほどな~。「質量保存の法則」みたいですね。

中井 「リズムとフィニッシュ保存の法則」とでも呼びますか。読者のみなさんも、ラウンド中、スウィングが上手くいかないときは、フィニッシュだけを意識してみる。リズムだけを意識してみる。このふたつを試すことをオススメします。

上杉 それでも上手くいかない場合はどうしたらいいのでしょうか?

中井 そのときは、うーん、どうしましょう。

上杉 分かった、「結果を求めない生き方」(アスコム)を読めばいいんだ!

中井 まさか冒頭の宣伝ネタに戻るとは……。

 
実際にラウンドで試してみたら効きました! スウィングの細部をアレコレ考えるよりも、フィニッシュ、オア、リズム。寒い冬場のゴルフは、これくらいシンプル思考のほうがいいみたいです。というわけで来週も目指せ、マスターズ!



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