僕のマグノリアレーン

2012.01.26

【第52回】
「上下のリズム」と「回転のリズム」

僕のマグノリアレーン

「マスターズを目指す!」そう宣言した元・ジャーナリスト上杉隆と、それをサポートするプロゴルファー・中井学。一進一退、一喜一憂、日進月歩、一日千秋ゴルフレッスン、2年目突入です!

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上杉のマスターズ出場とともに、
目指せレッスン・オブ・ザ・イヤー!?

上杉 (『週刊ゴルフダイジェスト』を読みながら)おっ、中井プロ、今年も「レッスン・オブ・ザ・イヤー」候補にノミネートされているじゃないですか。中井 ええ、おかげさまで。これで5年連続ノミネートです。

上杉 ……おかしいな。

中井 えっ? なにがですか。

上杉 だって、中井プロがノミネートされているのに、私がノミネートされていないのはどう考えてもおかしいじゃないですか。ちょっとゴルフダイジェスト社に電話して苦情を言います。

中井 僕のノミネートまで取り消される気がするので、やめてください。大体上杉さんはレッスンを「受ける側」であって、レッスン「する側」ではありません。さらには、先日上杉さんが同じ組で回った初心者の方にゴルフを教えている姿を拝見しましたが、「頭を残せ」と「大きく振れ」しか言ってなかったじゃないですか。

上杉 初心者にはそれで十分でしょう。それに、どちらもゴルフの基本中の基本です。

中井 「頭を残せ」は、この連載で繰り返し繰り返し「悪しきレッスン」であると指摘しているのですが……。

上杉 あっ!

中井 あっ! じゃないですよ、もう。

上杉 違うんですよ、中井プロ。私が言いたいのは、中井プロのレッスンはたしかに分かりやすし、効果も出る。しかし、それも私という極上の「素材」あってのことだということです。どんなに料理人の腕が良くても、素材が悪ければいい料理は作れない。違いますか?

中井 いったいなんなんですか、その説得力は。でもたしかに、僕と上杉さんの「チーム僕マグ」で受賞出来たら最高ですね。

上杉 そうですね。

中井 気がつけばこの連載もけっこう長く続いていますしね。

上杉 そうか~。連載がはじまってかれこれ……あれ? どれくらいだっけ。

中井 実は先週でちょうど1年です。

上杉 なにっ。ふつう、連載一周年といったら特別企画とかをやるものじゃないですか。

中井 担当編集者いわく「完全に忘れていました」とのことです。

上杉 どうしようもない編集者もいるところにはいるものですね……この調子じゃレッスン・オブ・ザ・イヤーも夢のまた夢です。

中井 大丈夫。上杉さんがこの連載を通じてマスターズ出場を決めれば、文句なしに受賞です。たぶん、その日を夢見て、今日もレッスンをはじめましょう。

上杉 そうしましょう。今日のテーマはなんですか?

中井 ズバリ、「リズム」です。上杉さん、リズムのいいプレーヤーというと、誰を思い浮かべますか?

上杉 そうですね~。いろいろ思い浮かびますが、ルーク・ドナルドなんかはいいリズムでスウィングしている気がします。

中井 お、史上初の米欧同時賞金王ですか。たしかに、ルークのスウィングはリズム、バランスが実にいいですね。

上杉 彼は決して大男ではないし、飛距離もたいして出ない。それでも世界ランク1位ですからね。彼はミズノのアイアンを愛用していますが、私も一時期ミズノのマッスルバックを使用していましたし、私と彼はともにtwitterを活用しているという共通点もあります。

中井 へ~、意外と共通点があるんですね。

上杉 ルークは絵を描くのが趣味。私は恥をかくのが日常、という相違点もありますが……。

中井 うまいこと言わなくていいです。とりあえず、1球打ってみてください。

上杉 了解。

下半身を使った回転のリズムが
スウィングのリズムを作る

052ゴルフのスウィングでは、骨盤45度、腰椎10度、胸椎30度の順に「腰45度、肩90度」体を回す
上杉 ほりゃっ(と、打つ)。あらま、低いスライス。ま、冬ですからね、仕方ない。

中井 冬のせいばかりとは言い切れません。上杉さんは、「体の上下動」でリズムを作っている。それが、今のようにクラブが上から入るミスにつながっているんです。

上杉 体の上下動って、それはスウィングの問題じゃないですか。

中井 ええ。しかし、リズムはスウィングが作り出すもの。リズムとスウィングは、分けて考えてはいけません。

上杉 なるほど。困りましたね、それは。

中井 困ったものです。

上杉 「困ったものです」で終わりにしたら、レッスン・オブ・ザ・イヤーは夢のまた夢ですよ、中井プロ。どうしたらいいか、教えてください。

中井 フフフフフ。答えは、フィニッシュにあります。

上杉 リズムって言ったり、スウィングって言ったり、フィニッシュって言ったり、忙しい男ですね……。どういうことですか?

中井 本来、フィニッシュはスウィングの結果、惰性で作られるものです。しかし、上杉さんはニクラスやセベに憧れていた影響で、とにかく強引に「逆C字」フィニッシュを作りにいってしまう。逆C字フィニッシュは、体が浮き上がっては絶対にとれませんから、どうしてもダウンで体を突っ込ませる動きが入ってしまうんです。

上杉 ぎくっ。

中井 さらに、バックスウィングで体が浮き上がる悪いクセも相まって、バックスウィングで伸び上がり、ダウンでは沈み込むという上下動が生まれる。上杉さんだけでなく、多くのアマチュアに当てはまりますが、これでは上体を使った「上下のリズム」しか作れません。

上杉 うーん、なるほど。で、どうすればいいんでしょう。

中井 ほしいのは、下半身を使った「回転のリズム」です。スウィングとは、骨盤45度、腰椎10度、胸椎30度の順に「腰45度、肩90度」体を回し、ほどく作業です。このとき、捻転させた体を下半身からほどくことで、「回転のリズム」が生まれるわけです。こうすると、遠心力を最大限に活かした、飛距離が出て、かつ再現性の高いスウィングになります。

上杉 骨盤45度、腰椎10度、胸椎30度、ですか。うーん、そういうことなら日を改めてレッスンしてもらえますか?

中井 ええっ、どうしてですか?

上杉 急に言われても、今日は「分度器」を持っていません。

中井 骨盤、腰椎、胸椎、それぞれの角度を分度器で計測する必要はありませんよ、上杉さん。45度、10度、30度というのは、人体の構造上それ以上回らない角度。要するに、「目一杯体を回す」ということです。

上杉 最初からそう言ってください。

中井 では、股関節、腰、胸の順に目一杯回してバックスウィングしたら、先週お伝えしたように、股関節(ヒップ)を「ぽんっ」と戻すことでダウンスウィングしてください、と言い換えます。そうすれば自ずとリズムはよくなりますからね。

上杉 よし、じゃあちょっとそのように打ってみます。松山英樹くんのイメージで、ゆっくりテークバックして――。

中井 ちょっと待ったーッ!

上杉 どうしたんですか、中井プロ。男同士で懐かしの「ねるとん紅鯨団」ごっこをしても、楽しくもなんともありません。前にも言った気がしますが……。

中井 違います。僕の記憶がたしかならば先週もお伝えしたはずですが、上杉さんは松山くんではありません。

上杉 当たり前じゃないですか。

中井 だから、リズムも同じになるわけがないんです。いいですか、今年のテーマは「他人の真似をせず、上杉隆オリジナルのスウィングを作る」です。今日話した内容を踏まえて、来週は実践レッスンしますよっ。

上杉 ずいぶん気合が入っていますね。さては今年のマスターズになんとしてでも私を出場させ、レッスン・オブ・ザ・イヤーの獲得レースをリードしようという魂胆ですね?

中井 上杉さんが今年のマスターズに出場する可能性は、残念ながら0%です。

上杉 そうでした。よし、では来年。いや、再来年。うーん、3年後?

中井 ホントに自分がマスターズを目指したほうがいい気がしてきました……。

 
「リズムは『体』で生み出すもの。上下動や、手の振りでリズムを作っちゃいけません!」と中井プロからアドバイス。今年の4月は無理だけど、来年以降、目指せ、マスターズ! あと、レッスン・オブ・ザ・イヤー!



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