僕のマグノリアレーン

2012.01.06

【第49回】
新年早々! パター選びの落とし穴

僕のマグノリアレーン

ジャーナリスト休業と同時にオーストラリアへ旅立った上杉隆。オーストラリアまで取材に行く予算はないので、今週は上杉、中井、担当編集者をWEB回線で結んだスペシャルバージョンでお送りします。

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昨年のマスターズでタイガーの
パットが入らなかった理由とは?

中井 あけましておめでとうございます! 上杉さん、読者のみなさん、本年もよろしくお願いいたします。

上杉 こちらこそ、よろしくお願いします。

中井 拝見しましたよ、元日の「朝まで生テレビ」。ジャーナリスト休業前最後の仕事とあって、福島で被災している方に寄り添った立場から、舌鋒鋭くメディアや政府、東電を批判してらっしゃいましたが、ひとつだけ疑問を感じたのも事実です。

上杉 なんでしょうか。「元ジャーナリスト」として、なんでもお答えします。

中井 上杉さん、たしか「2011年12月31日」をもって、ジャーナリストを無期限休業する、っておっしゃってましたよね。ということは、元日だともう「休業後」だったのではないでしょうか?

上杉 甘いですね、中井プロ。東経135度を子午線とする「日本標準時」ではたしかにそうですが、グリニッジ標準時では、あの時点では「2011年12月31日」です。なにしろ私の2012年の目標は「世界へ」。よってすべてが世界標準で考えることにしたのです。

中井 言葉の意味はよくわからんが、とにかくすごい自信ですね……まあいいや。それで、どうですか? オーストラリアは。

上杉 いや~、晴れて「自由の身」となって、ゴルフ三昧。最高です。もうすぐ今日の2ラウンド目がはじまってしまうので、手短かに取材を終えましょう。

中井 はいはい。とはいえ、なにしろ新年一発目ですからね。やっぱり、まずは年頭の“所感”など聞かせていただかないと。

上杉 そうですね。つくづく思うのは、ゴルフは職業にするべきではない、ってことです。楽しくやる分にはいいけど、これを仕事にするのは大変だということに、ここオーストラリアで毎日2ラウンドする中で気がつきました。大変だなぁ、プロは。

中井 年頭所感でもなんでもない、ただの感想をありがとうございました。まあ、今年もその調子で頑張りましょうということで、レッスンいきますか。

上杉 そうしましょう。実は、オーストラリアにきてから、ショートパットが全部左に外れるんです。

中井 なんだ、そんなことか。

上杉 そんなことかとはなんですか! マスターズでショートパットが決められなかったら、予選落ちは確実です。現に、昨年のマスターズではタイガーがパットに苦しみ、優勝を逃したじゃないですか。

中井 では、上杉さんのショートパットが左に外れる理由の前に、まず昨年のマスターズでタイガーがなぜパットに苦しんだか、そこから解説しましょうか。

上杉 タイガーと同じフィールドを目指す私にとって、聞き逃せない話題です。なんでですか?

中井 昨年のオーガスタは、グリーンの仕上がりがイマイチだったからです。簡単にいうと、普段はない「目」があった。それによって、本来のラインと違う転がりをしてしまった――。だから、オーガスタのグリーンを熟知するタイガーが、熟知するからこそ、苦しめられたんです。

上杉 なるほど~。たしかに、昨年上位にきたのはシャール・シュワーツェル、ジェイソン・デイ、アダム・スコットなど、新鋭や、今までマスターズでそれほど活躍していなかった選手たちでした。

中井 その3人の共通点って分かりますか?

上杉 はっはっは、簡単です。全員アメリカ人じゃない! これですね?

中井 なかなか良い指摘ですが、不正解です。正解は、3人ともマレット系のパターを使っていたことです。

上杉 あれ? 優勝したシュワーツェルは私と同じ「ピン型」ではなかったでしたっけ?

中井 さすが、よく覚えてますね。たしかにピン型っぽい形ですが、あれはナイキのメソッドパターのベントネック。実はフェースバランス(シャフトを支えたときにフェース面が空を向く)に近いモデルで、実際の機能はマレット的なんです。

上杉 へ~。

中井 昨年のマスターズは、グリーンの仕上がりの不備により生じた目のあるグリーンに対し、ラインに対して“鈍感”なマレット系パターを使用した選手が上位に入った。そういう大会だったんです。

パットを左に外す原因は
「クランクネック」だった!

049以前はショートネックのパターを使用していた上杉だが……
上杉 でも、それが私のショートパットの不調と関係あるんですか? たしかに、私は今、スコット、デイらの出身地であるオーストラリアの大地、通称「風の大地」にいますが……。

中井 これはゴルフダイジェストの連載ですよ、上杉さん。オーストラリアの大地はともかく、今日のレッスンはいたって簡単です。上杉さん、パター換えたでしょ?

上杉 ぎくっ。なぜそれを知っているのですか。まさか、秘密裏に私を追ってオーストラリアに潜入……?

中井 してません。去年の12月に一緒にラウンドしたときに見たんです。それで、今まで上杉さんはショートネックのパターを使っていたのに、急にクランクネック(いわゆるピンの“アンサー型”)に換えましたよね。それが原因です。

上杉 なに~! では、品質の悪いパターをつかまされたわけですね。分かりました。日本に帰ったらゴルフショップに怒鳴り込んで、返品ならびに謝罪を要求します。

中井 パターは悪くありません。ヘッドが同じ形状でも、ショートネックとクランクネックでは、クランクネックのほうがオフセットがある(ネックが途中で直角に右に曲がる)分、フェース面が後ろにズレます。そのため、ショートネックよりフェースターンの量が増え、つかまり過ぎて、左に外れるんです。このように、安易なパターの変更は思わぬ結果を招く場合が多いので、気をつけましょうね、読者のみなさん。

上杉 でも、プロだってその日の気分でパターを換えたりするじゃないですか。

中井 もしそれが、自分のパットのクセと、パターの特性を見極めたものならプロアマ問わず、いいと思います。押し出すクセがあるからクランクネックでつかまえようとか、左右両方にミスが出るから大型マレットにしよう、とか。ただ、「なんとなく」で換えるのは、いけません。あと、ゴルフ前日にゴルフショップに行ってパターを衝動買いしたりするじゃないですか。あれ、絶対ダメ。

上杉 なんで?

中井 全部とはいいませんが、多くのショップのパターコーナーのカップって、直径が規定の108ミリより大きいんですよ。気持ち大き目のカップに対し、平らなラインから繰り返し打てば、何を打ったってポコポコ入ります。それで「ついに出会った、運命のパターに」とか思っちゃいけないんです。

上杉 なに~! 恐ろしい話だ。それでは、詐欺に等しいじゃないですか。ま、いずれにせよ、オーストラリアまで来てしまったので、パターを元に戻すことはできません。ほかに何かアドバイスはありませんか?

中井 パット不調時に試すのは、ボール位置、ハンドファーストの度合い、ストロークのイメージ(タップするかストロークするか/フェースの開閉を意識するかしないか)です。まあ、元のパターに戻したときに感覚が変わってしまっては意味がないですから、とりあえずボール位置だけ調整してみたらどうでしょう。

上杉 了解です。では、2ラウンド目、通算6ラウンド目に行ってきます! これで入らなかったら、現地のショップで新しいパターを買うしかないですね。では、ご機嫌よう、諸君!

……
……
……

担当編集者 あ~、オフラインになっちゃった。

中井 なんか最後、思いっきり僕の話を聞いてないような発言をしてましたよね……。これじゃ入るラインも入らない。これがホントのオフライン、なんちゃって。

担当編集者 ……。

中井 ……。まあ、ともかく、みなさま本年も「僕マグ」をよろしくお願いいたします!

 
というわけで、パター選びは慎重に! 右に外すならつかまるパター(クランクネック等)。左に外すならつかまらないパター(センターシャフト等)、どちらにも外すなら大型マレット! これを忘れずに。というわけで今年も目指せ、マスターズ!



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