僕のマグノリアレーン

2011.10.20

【第39回】
完治せよ! グレッグ・ノーマン症候群

僕のマグノリアレーン

「マスターズを目指す!」そう宣言したジャーナリスト・上杉隆と、それをサポートするプロゴルファー・中井学の二人三脚レッスンドキュメント、「僕マグ」。先週、「ヘッド・ビハインド・ザ・ボールは意識してはいけない」と言われた上杉だったが――。

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マスターズの出場資格を
おさらいしてみよう!

上杉 いや~、面白かったですね、日本オープン。

中井 上杉さん、現地に行かれていたんですよね?

上杉 ええ。例年通り「週刊ゴルフダイジェスト」の取材で行ってきました。やっぱり違いますね、メジャーの雰囲気は。

中井 日本オープンは、すべてのゴルファーにとって特別な試合ですよね。まあ、もっとも上杉さんの目標はさらに上にあるわけですが……。

上杉 そうでした。あれ? 日本オープン優勝者はマスターズに出られるんでしたっけ。

中井 マスターズの場合、日本オープン優勝の資格では招待されません。全英オープンには、「前年度日本オープン優勝者」の枠がありますけど。マスターズの場合、日本からは前年度の日本ツアー賞金王が“慣例的に”招待されるだけですね。

上杉 そうだ、前田新作さんの例がありますもんね。日本ツアー賞金王の招待は、明文化されているわけではないんですよね。

中井 そうなんですよ。そうだ、もっのすごく「いまさら」ですが、マスターズの出場資格をおさらいしておきましょうか。

上杉 それはいいですね。読者、ならびに私の頭の中を整理する ためにも。

中井 まず、有名なのは前年末の段階での世界ランク50位以内の選手ですよね。

上杉 石川遼くんはじめ、日本のプロが年明けに記者会見を開きますよね。マスターズから招待状が届いた、って。ああ、困ったな~、今年、ついに僕にもその仕事がやってくるのか~。いつ届くのかな?

中井 今のところ、届く可能性があるのは僕からの年賀状くらいです、残念ながら。続いては、マスターズ歴代優勝者。

上杉 ニクラス、パーマー、プレーヤーのビッグ3などは、この資格で出場していたわけですね。

中井 そうそう。その他のメジャーは、過去5年の優勝者が出場でき、前年の成績上位者にも門戸が開かれます。あとは米ツアーの賞金ランキング上位者など、いくつかのカテゴリーがあります。ただ、肝心なのはアマチュアの出場資格のほうですよね。

上杉 たしかに。年内でジャーナリストを休業するとはいえ、今のところ私はプロゴルファーに転向する予定はありませんからね。

中井 無難な考え方です。アマチュアの場合、全米アマ、全米ミッドアマ、全米アマチュア・パブリックゴルフ選手権、全英アマ。これらの試合で優勝すれば、無条件で出られます。全米アマは、2位でも出られるのかな。あと、なんといっても見逃せないのが「アジアアマチュア選手権優勝」の資格です。

上杉 今年、松山英樹くんが2連覇して、2年連続でのマスターズ出場を決めた、あの試合ですね。

中井 正直言って、可能性が一番高いのがコレです。まあ、可能性が高いといっても、ゼロコンマ以下の話ですけど……。

上杉 なんという弱気、なんという敗北主義ですか、中井プロ。やってやれないことはありません、たぶん。でも、どうすればアジアアマに出られるんでしょうか?

中井 「各国のアマチュアランク上位2名」プラス、「世界アマチュアランク上位者」みたいですね。つまり、日本の場合、松山くんや、上杉さんも仲のいい広島のスーパーアマチュア・田村尚之さん、日本ツアー最年少予選通過記録を持つ伊藤誠道くん、ほかにも凄い選手がいっぱいいますが、彼らに匹敵する成績を残す必要がある、ということですね。

上杉 田村さんなら、勝ったことがあります。1ホールだけですけど。そうだ! 先日、私の担当税理士さん主催のコンペで、隠しホールが上手くハマって準優勝したんですが、その資格での出場権は――。

中井 無論、ありません。

上杉 では、5月に私が主催した被災地でのチャリティコンペでの優勝はどうでしょうか?

中井 論外です。

上杉 では、沖縄で開かれた議員秘書主催のコンペでの優勝は? あるいは北海道で開催されたテレビキャスター主催のコンペでの準優勝は?

中井 はい。よかったですね。それでは、千里の道も一歩から。今週もレッスンをはじめましょう。

上杉 う~ん、仕方ない、よろしくお願いします。

ノーマン症候群を矯正する合言葉、
「体は回す」「足は倒す」

039体を回し続けつつ、右脚を思い切って倒す。これがコツだと中井は言う
中井 まずは簡単に、先週のおさらいをしておきましょう。先週は、「ヘッド・ビハインド・ザ・ボール」は意識してはいけない、と説明しました。では、どうすれば「ヘッド・ビハインド・ザ・ボール」の状態で球をとられることができるのか。それを今週は説明します。

上杉 はい。

中井 ポイントは、「脚」です。

上杉 脚、ですか。たしかに最近よく「脚で打て」なんて言いますが、中井プロは「体で打て」と言いますよね。どうなってるんですか、その辺。

中井 たしかにその通りです。基本的に、僕の考え方は、構えたら手はまったく動かさず、みぞおちを右に向け、左に向ける動き、それだけでスウィングするというもの。しかし、ゴルフ経験ゼロの人を教えるならともかく、経験者の人を教えるのには、なかなかそれだけでは説明が難しいんです。

上杉 どうしてですか?

中井 やっぱり、10年、20年とゴルフをやってきた人は、体にクセが染み付いていますからね。上杉さんもまさにそうで、一言でいえば、「ヘッド・ビハインド・ザ・ボールにならない脚の使い方」をしているんです。名付けるならば――グレッグ・ノーマン症候群です!

上杉 グレッグ・ノーマン症候群! なんですか、それ。カッコいいじゃないですか。

中井 上杉さん、グレッグ・ノーマンお好きですよね。

上杉 ええ、もちろん。グレートホワイトシャーク、憧れたなぁ。グレッグノーマンレーベルのワインも飲みました。

中井 ワインはいいです。それよりもおそらくノーマンのモノマネをした影響だと思うんですが、上杉さんは、ダウンスウィングで右足が滑って後ろに引ける動きがみられるんです。

上杉 ええっ。全然自覚症状がないです。

中井 ダウンで右脚を後ろに引くと、ヘッド・ビハインド・ザ・ボールの状態になりやすいのは事実です。しかし、右足を後ろに引くと体の回転は止まってしまい、アオリ打ちになって、飛ばない、曲がるという状態になってしまいます。右脚は体の回転に伴って、体の左サイドに押し込まれていくのが自然です。これは上杉さんに限らず、多くのアマチュアがそうなんですが、右脚が前後にしか動かない人、あるいは全然動かないという人はすごく多いんです。

上杉 まずいですね、それは。どうすればいいんですか?

中井 あくまで対処療法的な処置ですが、ダウンで右脚を「倒す」ように使うことですね。ちょっと打ってもらいながら説明しましょうか。

上杉 はい。でも、「倒す」って今いちどうすればいいのか分かりません。

中井 上杉さんのスウィングは、右脚を「回す」イメージなんですよ。そうではなく、右脚を一本の棒だとイメージして、切り返したら体の左側に直線的に押し込むんです。

上杉 うーん、なんか難しいな(と、打つ)。あっ、チーピンだっ。

中井 脚につられて右肩まで直線的に突っ込んでしまっています。「体は回す」「脚は倒す」。このふたつのイメージだけをもって、もう一度!

上杉 体は回す、脚は倒す、体は回す、脚は倒す……とりゃーっ。

中井 ナイス! おおっ、凄い球が出たじゃないですか。

上杉 うーん、今のは我ながら凄い。まさにグレッグ・ノーマンのような高弾道で力強い打球です。

中井 今のスウィングは、結果的に見事なヘッド・ビハインド・ザ・ボールの状態になっていました。意識しなくても、正しいスウィングをすればこのような状態になる。この感覚を忘れないでください。最終的には、脚を倒すイメージもなくなれば、完全なるボディスウィングの完成はもうすぐそこです。

上杉 中井プロ、この球が打てればマスターズも夢ではありませんね。

中井 可能性が0.05%くらい上昇した気がしますね。

上杉 まだまだ先は長いようですね……。

 
今回のレッスンはかなり即効性が高いので、皆さん是非、お試しを! カッコいいヘッド・ビハインド・ザ・ボールのスウィングで、来週も目指せ、マスターズ!



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