僕のマグノリアレーン

2011.10.13

【第38回】
高めよう! スウィングリテラシー

僕のマグノリアレーン

「マスターズを目指す!」そう宣言したジャーナリスト・上杉隆と、なかば強引にそれをサポートすることになったプロゴルファー・中井学。ゴルフ界きっての凸凹コンビが送る、ゴルフレッスンドキュメント!

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「メディアリテラシー」を訴求する上杉に
中井は「スウィングリテラシー」で対抗!?

中井 盛り上がりましたね、上杉さんの「放課後ゴルフ倶楽部」出版記念会。

上杉 本当に、みなさんに大感謝です。約1名、遅刻した人間がいたことを除けば、大成功でした。

中井 約1名って、上杉さんじゃないですか、遅刻したの……。

上杉 そうでした。いや~、6時半開式だったんですが、6時まで東京MXテレビの番組「5時に夢中」に生出演していましたからね。焦りました、久しぶりに。

中井 主役が会場に登場すると同時に謝罪する、という珍しいシーンを拝見しました。

上杉 あれには驚きましたね、私も。祝福の拍手を浴びながら頭を下げてお詫びする――なかなかできない経験です。

中井 しかし、上杉さんにとって、今回が初の「出版記念会」だったんですね。過去にもたくさん書籍を出しているのに、意外です。

上杉 今までの本は、メディアを批判したり、政治家を批判したりする内容ですからね。ジャーナリストとしては当然なんですけど、さすがにひと様を批判しておいて、自分はシャンパンを飲んでお祝いというわけにはいきません。その点、「放課後ゴルフ倶楽部」で批判しているのは、中学校の友人くらいなものですから、なんの問題もありません。

中井 中学校の友人のみなさんは批判してもいいんだ……。

上杉 その代り、出版記念会では彼らをトークショーの壇上に上げています。いわば「反論権」を与えたわけです。これぞまさしくフェアな報道です。

中井 なんとなく屁理屈なような気もしますが、上杉さんがよくいう「メディアリテラシー」の問題に通じますね。

上杉 ええ。ひとつの情報、たとえば新聞やテレビで報道された情報に触れたとき、それだけを信じるのではなく、それを批判する情報や反論、反証にも触れて、そのなかで自分なりの考えを導くことは、メディアを読み解く基本姿勢と言えます。

中井 そうすることによって、いわゆるメディアリテラシー、つまり情報を評価したり、識別する能力が高まる、と。

上杉 その通りです。

中井 しかし、メディアリテラシーの重要性を説く上杉さんをもってしても、「スウィングリテラシー」が高いとは残念ながら言えません――。

上杉 ……突然なにを言い出したんですか、中井プロ。

中井 実はついさっきスウィングリテラシー、という言葉を思いついたんです。それを使ってみたくて。

上杉 それで、強引にメディアリテラシーの話を持ち出したわけですね。なんという利益誘導、我田引水。おそろしい男ですね、中井プロは。

中井 なんとでも言ってください。私は批判を恐れません。

上杉 なんか、ジャーナリストみたいになってきましたね。プロゴルファーなのに。

中井 ふふふ、私はこう見えてアメリカの大学でジャーナリズムを専攻――。

上杉 その話は以前聞きました。で、なんですかスウィングリテラシーって。

「ヘッド・ビハインド・ザ・ボール」は
スウィング中に意識するな!

038出版記念会を開いた上杉に「スウィングリテラシー」が低いと言う中井プロ
中井 たとえば「ヘッド・ビハインド・ザ・ボール」っていう言葉がありますよね?

上杉 ええ。インパクト時に、ボールより後ろに頭がある状態のことですよね。いいスウィングの必須要素のひとつです。

中井 その通り。上杉さん、スウィング時にこのヘッド・ビハインド・ザ・ボールを意識していますか?

上杉 当たり前じゃないですか。ニクラス、セベ、ワトソン……私のヒーローたちはみな、この強烈なヘッド・ビハインド・ザ・ボールでもって球を飛ばしていました。

中井 やはり。ここでスウィングリテラシーの問題が登場するんですよ。ヘッド・ビハインド・ザ・ボールの状態でインパクトすることはたしかに重要。しかし、同時にヘッド・ビハインド・ザ・ボールは、スウィング中に、絶対に意識してはいけない動きなんです。

上杉 なに~。どういうことでしょう。

中井 インパクト時に頭がボールの後ろにある。この状態を作る方法は、実はふたつあります。ひとつは、体の動きを止め、手だけを振ること。こうすれば簡単にヘッド・ビハインド・ザ・ボールの状態になりますが、体のエネルギーを使っていないので、飛びません。そして、ヘッド・ビハインド・ザ・ボールをスウィング中に意識すると、この状態になりやすいんです。

上杉 では、どうしたらいいんですか?

中井 いつも言っているのと同じです。手を一切使わずに、体の回転だけで打つ。こうすれば、自然にヘッド・ビハインド・ザ・ボールの状態になるんです。つまり、ここまで上杉さんに教えてきたようなスウィングをすれば、自ずとヘッド・ビハインド・ザ・ボールになる。ただ、それを意識した瞬間に、いいスウィングそのものが出来なくなってしまうというわけです――。

上杉 なるほどな~。形としては正しくても、意識してはいけないってことか。

中井 そうそう。上杉さんのスウィングの最大の欠点、「オーバー・ザ・トップ」も、そこを意識しないだけで自然によくなると思いますよ。

上杉 なんですか? オーバー・ザ・トップって。

中井 バックスウィングの軌道よりも外側からクラブが下りてくるという症状のことです。手でクラブを引き下ろした結果、クラブがプレーンから外れてしまい、引っかけやスライスの原因となるものです。これも、「クラブを内側から下ろそう」という意識を持っては絶対に直りません。

上杉 困るじゃないですか。

中井 そこで、スウィングリテラシーが必要なんですよ。「ヘッド・ビハインド・ザ・ボールの状態でインパクトしたい」「オンプレーンなスウィングをしたい」と誰しもが思います。しかし、そうなるためにはどうしたらいいかはみんな知らない。そこを知ること、それがスウィングリテラシーを高めることなんです!

上杉 なんという自慢げな、俗にいうドヤ顔……。いずれにせよ、中井プロの言っていることは分かりましたが、具体的な方策がなければ絵に描いた餅。実際にレッスンしてください。

中井 もちろんです。しかし今週は紙幅が尽きました。次週、オーバー・ザ・トップを直し、ヘッド・ビハインド・ザ・ボールの状態で球をとらえるためのレッスンを、詳しく紹介します!

 
というわけで、今週は久しぶりの「座学」でしたっ。良かれと思って思い浮かべるイメージが、かえってスウィングを悪くする。これをなくすのが「スウィングリテラシー」であります。来週はガチンコレッスン。お楽しみに! 来週も、目指せ、マスターズ!



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