僕のマグノリアレーン

2011.08.11

【第30回】
砂の中にはゴルフの基本が埋まってる!?

僕のマグノリアレーン

マスターズを目指す! そう宣言したジャーナリスト・上杉隆と、それをサポートするプロゴルファー・中井学による二人三脚ゴルフレッスンドキュメント「僕のマグノリアレーン」、通称「僕マグ」。『ショートゲーム編』第4回です!

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バンカーに入れないためには
バンカーショットの練習!?

中井 それにしても、よく日焼けしていますね、上杉さん。

上杉 ええ。東京電力本店での記者会見や民主党内の動きをさぐるための国会内での取材活動など、日焼けの要素はたくさんありますからね。まぁ、いわゆる、「取材焼け」のひとつですね。

中井 なんで、建物内の取材でそこまで焼けるんですか。しかも、左手首から先だけが妙に白い。明らかに「ゴルフ焼け」に見えます。

上杉 不謹慎な発言はやめてください。私のストイックな取材者のイメージが風評被害にあうじゃないですか。

中井 ツイッター等で、北海道で頻繁にゴルフを楽しんでいると自ら発信しているじゃないですか。風評ではなく、ご本人からの一次情報です。

上杉 なんと……。まるで人のあら捜しばかりしているジャーナリストのようですね。

中井 こう見えても私はアメリカに留学した際、ジャーナリズムを学んでいましたからね。まあ、でも上杉さんは今年の前半、震災に伴う昼夜を分かたぬ取材活動の影響で、ゴルフする暇もなかったから、仕方ないか。

上杉 そうそう、そうですよ。あのときは、情報の速度が人命を左右しましたからね。私にとって重要なのは1に人命、2にゴルフですから。

中井 2がゴルフなんですね……さすが、本業はゴルフ(をプレーすること)と言うだけあります。まあいいや、ともかく今週もレッスンを始めましょうか。

上杉 お願いします。今週はなんですか?

中井 今週もショートゲームレッスンなのですが、アプローチではなく、バンカーショットのレッスンです。

上杉 バンカーかぁ~。なんか、地味ですね。

中井 そんなことありませんよ。石川遼くんの初優勝シーンを思い出してください。最終日、17番ホールでバンカーからの奇跡のチップインなんて、劇的だったじゃないですか。それに、オーガスタには14番ホールを除いてすべてのホールにバンカーがありますから、避けては通れません。

上杉 知ってます。だからこそ14番の攻略にはバンカーの練習は不要だと……。そもそも、他のホールもバンカーに入れなければいいじゃないですか。

中井 バンカーに入れないで済むくらい、ショットの精度を高めればいい、という発想ですね。そう思うなら、なおさらバンカーショットの練習が必要です。

上杉 バンカーに入れないためにはバンカーの練習が必要。中井プロ、ちょっと休憩しましょうか。この暑さです、頭脳に変調を来たしても不思議ではありません。単身赴任生活も長いし……。

中井 それこそまさに風評被害です。第一、単身赴任は関係ありません。断言します。バンカーショットにはショットの「基本」が詰まっているんです。

上杉 ええ~、本当ですか? だって、バンカーショットは直接ボールを打たない特別なショットじゃないですか。

中井 たしかに、セットアップの段階でボールに直接当たらないよう、構え方は変えます。しかし、腕とクラブのローテーション、しゃがむようなバックスウィング、みぞおちの位置を左右に向けるボディスウィングと、スウィングの基本動作はすべて同じです。

上杉 たとえそうだとしても、動作が同じだとしたら、芝の上から打ったほうがショットの精度は高まる気がします。

中井 まあ、ここから先は論より証拠、ちょっとバンカーショットしてみてください。

上杉 いいでしょう。私は少年時代、セベ・バレステロスに影響を受けてミドルアイアンでのバンカーショットを繰り返し練習した者です。ロフト26度前後のアイアンでバンカーショットをしていた私にとって、58度のウェッジでのバンカーショットは児戯に等しいと言っても過言ではなく、また……

中井 ああ、面倒くさい。いいから早く打ってください。

上杉 了解です(と、打つ)。あっ、ホームランだっ。

中井 草葉の陰でセベが泣いてますよ、上杉さん。

上杉 慙愧に堪えません。ペルドン(ごめんなさい)、セベ。

バンカーショットは
特別なショットではない!

030バンカーショットであっても、しっかりフェースをローテーションさせるのがコツだと中井プロ
中井 上杉さん、いまのショット、どういった意識で打ちましたか?

上杉 早めにコックを入れて、上から下にヘッドを動かし、砂を叩くイメージですかね。

中井 ですよね。やはり、ご自分で言うとおりにバンカーショットを「特別なショット」にしてしまっています。ここで思い出してもらいたいのは、前に教えた、強烈なスピンをかける「クレイグ・スタドラーアプローチ」やフワリと上げる「マジェスティック・ロブ」のことです。

上杉 了解です……えーと、なんでしたっけ?

中井 ……。上杉さんは、アプローチのときになるべくフェース面を変えないように振っていたんです。でも、どちらのショットも、いや、すべてのショットにおいてフェースローテーションが必要だ、というお話をしました。

上杉 そうでした。

中井 バンカーだからって、上から下に打ち込んでしまうと、リーディングエッジが砂に突き刺さり、大ダフリになります。それをとっさに嫌えば、今のショットのようにホームランになってしまう。通常のショット同様にフェースをローテーションさせれば、構えたときのライ角どおりにクラブが戻る。あくまで、「いつも通りに振る」のが最善なんです。

上杉 なるほど~。バンカーでもフェースを返すわけですね。

中井 そこなんですよ、ポイントは。フェースを返すわけではないんです。フェースを返すっていうと、「ロフトを立てる」イメージになりますよね? そうではなく、肩の付け根を動かして、腕ごとフェースを「回す」。これにより、ロフト角が変わらないまま、フェースがローテート(回転)するんです。

上杉 そこのところが今イチ難しいんだよなぁ。

中井 ご自分のことをウェーターだと思ってください。トレイの上にはアイスコーヒーのグラスが載っています。手を「返す」動きだと、コーヒーはこぼれてしまいますよね。しかし、肩の付け根から腕を「回す」動きなら、トレイは回転するけれど、飲み物はこぼれません。

上杉 ああ、なるほど。私もウェイター経験なら負けません。富士屋ホテルでも鍛えましたし。

中井 そうですか。ではなおさら。これは、すべてのショットに共通する動きです。ですから、「バンカーショットが苦手」という人は、「ショットが苦手」なんです、本当は。よし、もう一度打ってみましょうか。

上杉 (打つ)ありゃ、ものすごく簡単に出た。しかも、スピンが適度にかかっています。

中井 でしょ?

上杉 しかもなんというか、感触がいいですね。そうか、バンカーからは「普通に」アプローチ、もしくはショットすればいいのか。

中井 そうなんですよ。もちろんフェースは開きますし、オープンに構えますけど、あとは普通。そして、バンカーはボールを直接打たないから、「当てにいく」動きがなくなり、結果的に芝の上からのショットにも好影響を与えるんですよ。

上杉 なるほど~、そういうことか。

中井 というわけで、ショートゲーム編はひとまず終了。来週からは……

上杉 来週からは?

中井 すみません、とくに考えていません。

上杉 中井プロ、やっぱり、少し休んだほうがいいんじゃないですか?

 
来週以降いったい何をレッスンするのか!? 夏の空より気まぐれな連載、「僕のマグノリアレーン」は来週、お盆休みをいただきます。みなさま、良い夏休みを。というわけで目指せ、マスターズ!



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