僕のマグノリアレーン

2011.07.28

【第28回】
飛距離アップの「アプローチ」!?

僕のマグノリアレーン

マスターズを目指す! そう宣言したジャーナリスト・上杉隆と、それをサポートするプロゴルファー・中井学による二人三脚ゴルフレッスンドキュメント「僕のマグノリアレーン」、通称「僕マグ」。今週は、ショートゲーム編第2回!

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「スタドラーアプローチ」には
予想外の効能があった……。

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先週のレッスンで中井から伝授されたアプローチを実践する上杉だったが……

上杉 いや~、参りましたよ、中井プロ。

中井 どうしたんですか、上杉さん。

上杉 先週教えてもらった、腕を体の前で固定し、ボールを体の中心より左に置いて、みぞおちを左右に30度ずつ回す「クレイグ・スタドラーアプローチ(※詳しくは前回参照)」を、北海道でゴルフをした際に試してみたんですよ。そうしたら、最初の9ホール、すべてのアプローチが4~5メートル、ショートしてしまったんです。

中井 ええっ。本当ですか? それは大変。では、もう一度しっかりとレッスンをやり直しましょう。

上杉 話は最後まで聞いてください。ショートしたといっても、決して打ち損じたわけではありません。狙い通りの場所に落ちているのに、スピンがかかって、「ピタッ」と止まってしまったんです。

中井 ああ、なるほど、そういうことか。

上杉 いや~、本当に参った。ピンをめがけて一直線に飛び出したボールが、グリーンに着弾するや否や、あたかも己の意思を示すかのように、その場で、あるいは低くワンバウンドしたのちにピタッと止まっちゃうんだもんなぁ。いや~、本当、困りましたよ、ははははは。

中井 うーん、なんだかまったく困った感じがしませんね……ところで上杉さん、そういうことなら飛距離も伸びたんじゃないですか?

上杉 えっ、なんで分かったんですか? それも言おうと思っていたのに。まさか中井プロ、先週北海道にいましたか?

中井 いません。むしろ、炎天下の千葉県で必死にレッスン活動をしていました。

上杉 ではなんで私の飛距離アップが分かったのでしょうか。

中井 上杉さん命名の「クレイグ・スタドラーアプローチ」は、スウィングに好影響をもたらすアプローチだからです。ボールを体の中心より左に置き、体の前傾角度通りにスウィングする。そうすると、球がつかまり、スピンの効いたアプローチになります。そして、同じ動きをドライバーで行うと、球がつかまると同時に、ティアップしている分フェース上部に球が当たり、今度はスピンが減って、飛ぶ弾道になるんです。アプローチとショットは別物と思われがちですが、アプローチって、意外とスウィングに影響するんですよ、実は。

上杉 なるほどな~。なんだか妙に飛ぶなあと思っていたんですよね。前夜に食べたジンギスカンの影響かと思っていましたが……。

中井 ジンギスカンと飛距離の相関関係については、未だ研究が待たれるところです。確実に言えることは、「飛ばせる動きを小さくすると、スピンの効いたアプローチになる」ということです。

上杉 なんでそんな大切なことを、私がゴルフを始めた30年前に教えてくれなかったんです。

中井 30年前、私は8歳。まだゴルフを始めていません、残念ながら。まあいいじゃないですか。ゴルフは何歳になっても上達できるスポーツですから。さて、スピンの話も出たことだし、今週は「スピンコントロール」をレッスンしたいと思います。

上杉 官僚が機密情報をマスコミの記者に流し、偏向報道をさせることで霞ヶ関を利するような世論を形成するというアコギなやり口ですね。しかし、なぜそれを中井プロが私にレッスンするのでしょうか?

中井 「情報操作」という意味での「スピンコントロール」ではありません。私がレッスンするのは、もう少し牧歌的というか、ゴルフのボールのスピン量を操る、そういった、なんというか「そのまんま」の意味でのスピンコントロールです。

上杉 なんだ、そっちか。それを先に言ってください。

「スピンコントロール」は
決して難しいことではない!

中井 スピンコントロールって、上杉さんどういうことだとお考えですか?

上杉 スピンをかける、減らす、そういうことですよね?

中井 たしかにそうです。しかし、それでは半分しか説明できていません。私の考えでは、「距離を揃える」「高さを揃える」「速度を揃える」この3点を総称して、「スピンコントロール」と呼びます。

上杉 なんか、難しそうな話ですね。

中井 単純な話ですよ。たとえば30ヤード先の、あの旗を狙うとしますよね。そのとき、「高く」「ゆっくり」飛ぶ球を打つのか、「低く」「速く」飛ぶ球を打つのか――その違いです。

上杉 要するに、ロブショットか転がしか、ということですか?

中井 その通り。そして、距離と高さ、そして速度が決定すれば、自ずとスピンも変化するわけです。たとえば、30ヤードをなるべく低く、なるべく速く寄せようと思ったら、どうしますか?

上杉 うーん、その場合、サンドウェッジのロフトを立てて、上からカツンとハーフトップ気味に打つしかないですかね。

中井 そんなに難しく考える必要はないんですよ。たとえば、9番や7番アイアンを持てばいい。あるいはフェアウェイウッドでもいいし、パターだっていい。パターで打ったら、スピンなんて全然かかりませんよね?

上杉 あ、そうか。

中井 スピンコントロールというと、どうしても難しいイメージがあります。でも、打ち方をいろいろ覚える必要はないんです。もちろん、かけたいスピンの量によって、多少セットアップやスウィングを変える必要はあります。しかし、基本的には先週お話しした通り、ボールは体の中心より左。そして、前傾角度を崩さずに、体の回転で振る。この基本は変わりません。

上杉 転がしでも、ボールはやっぱり左足寄りなんですか?

中井 とっておきの話があります。私が青木功プロに直接聞いた話です。青木プロといえば、転がしの名手じゃないですか? でも、私が見たとき、青木プロはつねに体の中心より左側にボールをセットしていたんです。それに気づいて理由を伺ったところ、「右足寄りじゃヘッドが抜けねえだろ」って、おっしゃったんですよ。

上杉 うーん、地味に聞こえますが、なかなか凄い話ですね、それ。

中井 ええ。この青木プロの言葉は、冒頭に述べたような、ショットとアプローチの相関性を、見事に一言で表していると思います。アプローチというのは、ショットとかけ離れた特殊技術ではないんです。というわけで、来週は「高く」「ゆっくり」飛ぶアプローチ、つまりロブショットをレッスンします!

上杉 あんまり「というわけで」になっていない気がするんですけど……。

 
というわけで、今週は珍しく「座学」でした! 来週は実戦的なアプローチテクニックをみっちりレッスンします。乞うご期待。というわけで目指せ! マスターズ!



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