僕のマグノリアレーン

2011.07.14

【第26回】
スウィングは「タテ」じゃなくて「ヨコ」がいい!

僕のマグノリアレーン

マスターズを目指す! そう宣言したジャーナリスト・上杉隆と、それをサポートするプロゴルファー・中井学による二人三脚ゴルフレッスンドキュメント「僕のマグノリアレーン」、通称「僕マグ」。今週は、飛距離を伸ばすダウンスウィングのコツ、「その2」

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上杉主催のセベ追悼コンペで
中井の優勝を阻んだのは……。

上杉 中井プロ、先日は私が主催した「セベ・バレステロス追悼ゴルフコンペ」に参加いただき、ありがとうございました。

中井 とんでもない。尊敬するセベの追悼コンペを、その名を冠したセベ・バレステロスGCでプレーできて、大変光栄でした。

上杉 中井プロは見事に2位に入賞されたんですよね。

中井 ええ、プロなのにしっかり賞品までいただいちゃって、恐縮でした。

上杉 惜しかったですよね~。あと一歩で優勝だったのにな~。

中井 まあ、プロが優勝したら興ざめですからね。

上杉 そうはいっても、優勝者とはネットスコアで4打差がついていましたからね。まあ、優勝者が強過ぎた、ということでしょうか。

中井 うん、新ペリア方式ですから、ネットスコアは時の運です。ははははは。

上杉 ちょっと、中井プロ! 運も実力のうち。それに、これだけ「前振り」しているのにことごとくスルーするとは、もしかして何やら不都合な情報を隠蔽しているのではないですか、日本政府のように。

中井 はいはい、分かりましたよ。優勝おめでとうございます、上杉さん。

上杉 ふふふ。いや~、そんなことないですよ。たまたま同伴競技者に恵まれず、体感温度40度の猛暑と天候にも恵まれず、ただ僕の実力だけで優勝したという話ですから。たまたまです。

中井 相変わらず、驚くほど謙虚さをお持ちでない。グロス86でネット68だから、ハマりましたね、“隠しホール”が。

上杉 なんという負け惜しみですか。新ペリア方式という競技方法においては、運すらも実力のうち。しかも、私はIN、OUTともにドラコンを獲得するというおまけつきでした。

中井 それは素直に素晴らしい。たしかに、コンペに参加していた上杉さんのお友達の間でも、「ウエスギの飛距離が圧倒的に伸びた」「なにか秘密を隠匿しているに違いない」「むかつく」と話題でした。

上杉 そうでしょう、ふふふ。でも、本当に中井プロのレッスンの影響は大きいですよ。忘れもしない、あの日のレッスンで――(※読者のみなさまへ。突然ですが、ここから回想シーンがはじまります。セベ追悼コンペから遡ること一週間――)

ダウンスウィングでの
上杉の間違った思い込みとは?

026ダウンスウィングは「水平素振り」(左)を前傾してやるだけ(右)という中井……
中井 今日は、ダウンスウィングの秘訣その2をお教えしますよ、上杉さん。

上杉 よろしくお願いします。セベ追悼コンペにはゴルフのライバルたちが集まりますから、ぜひ飛ばし屋になった自分を見せたいと思います。

中井 「マスターズを目指す!」という目標から順調にかけ離れている気もしますが、分かりました。先週、上杉さんはダウンスウィングで「インから下ろす」という意識が強過ぎる、と指摘しました。実は、もうひとつ、上杉さんには間違った思い込みがあります。

上杉 ええっ。本当ですか。日々、「プルトニウムは飲んでも安心です」といった間違った思い込みを撲滅するために取材及び執筆活動を続けているというのに……。

中井 その活動には心から敬意を表しますが、残念ながらこれはゴルフの話です。上杉さんの間違った思い込みその2、それは「クラブは立てて下ろす」というものです。

上杉 またまた~。「クラブは立てて下ろす」というのは、ゴルフ界の常識じゃないですか。「菅直人さんはお遍路さんです」と言っているようなものですよ、それは。

中井 菅直人さんは、現在はお遍路さんではなく日本国の内閣総理大臣な気がしますが、まあいいでしょう。とにかく、それは大きな誤解なんですよ。これは簡単に証明できます。クラブを体の前で構えてください。

上杉 はい。

中井 そうしたら、実際のスウィングのように、体を左右に回してください。その際、以前教えたようにアームローテーションを行うことも意識してください。水平に素振りをする感じです。

上杉 はい。

中井 どうです? 「クラブを立てる」必要性を感じますか?

上杉 それはまあ、感じません。

中井 ほら。だから「クラブを立てる」必要なんてないんです。

上杉 あの~、中井プロ。ボールを乗せるティが1メートル50センチくらいの高さであれば納得しますが、実際のゴルフは地面にあるボールを打つんだから、水平素振りと比較しても意味がない気がするのですが。

中井 それが誤解なんです。実際のスウィングと、今やってもらった水平素振りとの相違点は、「前傾しているか、していないか」だけ。あとは一切同じなんです。

上杉 むむむ。でも、セベ・バレステロスのスウィング写真を見ると、ダウンではシャフトが立っています。まさか中井プロ、偉大なるセベを否定するつもりじゃないでしょうね。

中井 たしかに、セベに限らずプロのスウィング写真を見ると、ダウンでシャフトが立っているように見えます。しかし、それはまさに「そういうふうに見える」だけなんですよ。プロたちは、ダウンでシャフトを立てているのではなく、構えたときの前傾角度を崩さずに、体の動きでクラブを動かしている。だから、前傾した分だけクラブは立って「見える」。

上杉 うーん、なるほど。

中井 それなのに、上杉さんはダウンでなんとかクラブを立てようとしている。その結果、手元ばかりが先行してしまう。それが原因で、プッシュスライスやダフリのミスが生まれ、同時にクラブヘッドにブレーキがかかり、飛距離を損しているんです。いいですか、ココは最重要ポイントですからよく聞いてください。スウィングは、断じて「タテ振り」ではありません。絶対的に、物理的に動かし難く「ヨコ振り」なんです。クラブを立てて下ろす。その意識をなくすだけでも、必ずや飛距離は伸びますよ。

上杉 いや~、これは目からウロコが落ちました。よし! 中井プロ、頑張って「ヨコ振り」でドラコンをとります!
上杉 ――いや本当に、あの日のレッスンのおかげですよ。ドラコン賞を独占できるなんて。

中井 そう言っていただけると、レッスンしたほうとしても嬉しいです。飛距離アップは成功です。そろそろ、次なる現実を見ないといけませんね。

上杉 なんですか、現実って。

中井 ズバリ、スコアです。86は寝る間を惜しんで働いているアマチュアの上杉さんにとって、もちろん悪いスコアではありません。しかし、上杉さんの目標はあくまでマスターズですからね。

上杉 たしかに。

中井 セベ・バレステロスGCは関東でも屈指の難コースのひとつ。とはいえマスターズ用セッティングのオーガスタであれば、特別ラフを伸ばしたり、グリーンを刈り込んでいない通常営業のセベGCのスコアより、軽く20打は悪くなるはずです。

上杉 となると、100を超えるという計算になるじゃないですか。それはさすがに恥ずかしい。

中井 そうなんです、残念ながら。

上杉 困りましたね、それは。どうしましょう。

中井 本当に、どうしましょう。

上杉 う~ん。まあ、まずは、せっかくセベ追悼コンペでワンツーフィニッシュしたわけですから、今日は細かいことは抜きにして、ノンアルコールビールで乾杯しましょう!

中井 スコア100はぜんぜん細かくない話なんですけど……。

 

――というわけで喉を鳴らしてノンアルコールビールで喉をうるおす上杉を、スコアという現実が追いつめる。次週、そんな上杉にスコアアップの救いの女神が訪れる? なにしろ目指せ、マスターズ!



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