僕のマグノリアレーン

2011.06.30

【第24回】
フェースも記者会見もオープンがいいのだ!

僕のマグノリアレーン

マスターズを目指す! そう無謀な宣言をしたジャーナリスト・上杉隆と、それをサポートするティーチングプロ・中井学による二人三脚まったりゴルフ連載、「僕のマグノリアレーン」。今週からは、さらに深くスウィングを磨き上げる作業がスタート!

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バレステロスにあって、
上杉にないものとは?

中井 さて今週からは、再び私と上杉さんのふたりで、マスターズ目指してじっくりとレッスンをしていきましょう。

上杉 そうですね、マスターズ出場に「一定のメド」が立つまで、ぜひお願いします。なにしろ、アジア太平洋アマチュア選手権、あるいは全英・全米アマで1位にならなければマスターズに出場できませんから。

中井 「2位じゃダメ」ですもんね。それまでこの連載が「事業仕分け」の対象にならないように、ともに頑張りましょう。私も「一兵卒」として力になる所存です。

上杉 では私も中井プロへのレッスン不信任案の提出を見送って、地道に一歩一歩進んでいくことにします。まるで「お遍路さん」のように……。

担当編集者 えーと、お楽しみのところ申し訳ありませんが、そろそろ本題に入ってください。

上杉 なんですか。せっかく盛り上がってきたところなのに。

中井 まあ、この連載はあくまでゴルフの連載ですから仕方ありません。よし、今週は上杉さんに欠けているものを補うようなレッスンをしたいと思います。上杉さん、ご自分に欠けているもの、なんだか分かりますか?

上杉 世間からの信頼、ですかね……。

中井 突然そんな寂しいことを言うのはやめてください。大丈夫、上杉さんを信頼している方は、私を筆頭にたくさんいます。大丈夫、ひとりじゃない……って違います。そういった人格面ではなく、スウィングの欠点の話です。

上杉 なんだ、そうならそうと先に言ってください。スウィングの欠点かぁ。なんだろう、自分ではセベ・バレステロスのように振っているつもりなのですが。

中井 セベにあって上杉さんにないもの。それは、「フェースローテーション」です。おそらく、無意識に作り上げた部分なのでしょうが、上杉さんはスウィング中にフェースの開閉が少ない、いわゆる「シャットフェース」の状態で振っています。上杉さん、ご自分のミスショットの傾向を分析してもらえませんか?

上杉 はい。まず、ターゲットに真っすぐかつ力強く打ち出された弾道が上空で進路をやや右に変更し、ゆるやかな放物線を描いて意図せぬ方向に落ちていく場合がある。あるいは、低く打ち出された完璧な低スピンボールが、あたかも獲物を狙う猟犬のように左の林へ突入していく場合もありますね。

中井 ……要するに、スライスとチーピンという理解でよろしいでしょうか。

上杉 文学性を排除して言えば、そうなります。

中井 この原因のひとつが、上杉さんのフェースの使い方、つまりはシャットフェースにあります。先ほど指摘したように、上杉さんは、スウィング中フェースを開かずに、終始シャットに使っていくクセがあります。その結果、フェースが閉じたままインパクトを迎えればチーピン、閉じた反動でフェースが開けばスライスのミスになってしまうんです。クラブフェースは体の動きと同調して開いて、閉じる動きが自然。今週はそこを身に付けていきましょう。

上杉 うーん、自分ではあたかもセベのような自然なフェースローテーションで球をとらえているつもりだったのに。セベの魂を背負った男として、是非身に付けねばなりません。

中井 上杉さんに限らず、多くのアマチュア、とくに最近のつかまりにくい大型ヘッドに慣れ親しんだゴルファーは、シャットフェースになりやすいという傾向があります。フェースをシャットに使うと、球がつかまるような気がしますからね。

上杉 うーん、自分で意識していない部分だけに難しいですね。どうすればいいんでしょう。

中井 ある程度、意識してフェースを開くことですね。上杉さん、普段から記者会見をオープンにしろって言ってるじゃないですか。それと同じですよ。

上杉 やや強引な気もしますが、なるほどと言っておきましょう。

中井 ポイントとなるのは、「腕とクラブの運動量」です。何度も言っていることですが、上杉さんのスウィングは腕の運動量が多く、クラブヘッドの運動量が小さい。これが飛ばない原因であり、曲がる原因であり、シャットフェースになってしまう原因です。

上杉 なるほど。では私が大手メディアから干された原因は?

中井 それは存じ上げません。さらに少なくともシャットフェースと関係ありません。ともかく、シャットフェースを直すには、「腕の運動量が小さくて、クラブヘッドの運動量が大きい」スウィングに改造する必要があります。ちょっと、構えてトップの位置を作ってみてください。

上杉 はい(と、体をぐーっとねじる。腕の位置は肩より上で、頭の横。ヘッドは時計の文字盤の11時半あたりの位置にある)。

腕の運動量を小さくし、
ヘッドの運動量を大きくする!

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腕の運動量にくらべてクラブヘッドの運動量が小さいのが上杉の欠点だと中井プロは指摘した……
中井 これが、現状での上杉さんのスウィングイメージです。この感覚を忘れずに、再度クラブを持たずに構えてください。

上杉 はい(と、構える)。

中井 その状態で、まず右手首を親指方向に曲げてください。いわゆる、コックの動きです。

上杉 はい。

中井 次に、左腕を右に90度、回してください。

上杉 回しました。

中井 あ、その回し方はダメです。それではひじから先を回しただけ。左腕の付け根からグーッと曲げる感じです。

上杉 さっぱりわかりません。

中井 そうですか。うーん、そうだなぁ。そうだ、ボクシングでパンチを打つときをイメージしてください。あれって、ただ腕を前に出すだけじゃなくて、腕を内側に旋回させながら伸ばすんですよね。肩甲骨を動かすイメージで腕を回すとも言えますが、要するにあの感じです。

上杉 なるほど。私の弟は元・プロボクサーですからね。なんとなく要領はつかめます。こんな感じ?

中井 そうそう。それができたら、今度は骨盤を右に旋回させるイメージで、体を右に向けてください。

上杉 あれっ? すごい! トップの形になっている。さっきと全然違いますね。

中井 非常にいいトップです。先ほどのトップでは時計の11時半の位置にあったクラブヘッドが、今は1時半の位置にあるにも関わらず、腕はほぼ右肩の高さに収まっています。つまり、腕の運動量が減ったのに、クラブの運動量が増えているんです。

上杉 うーん、意外です。ひじや、腕の上下動を一切意識していないにも関わらず、ヘッドはより大きく動くんですね。

中井 そうなんです。そして、このときフェースは構えた状態と比べて約90度、開いた状態にあります。この状態から下半身を先行させてダウンスウィングすれば、遅れてきたフェースがインパクト直前にかけて急激にローテーションし、ボールとコンタクトする瞬間にスクェアに戻るわけです。ちょっと、7番アイアンくらいでボールを打ってみてください。

上杉 はい(と、打つ)。

中井 OK! ナイスショットです。いや~、飛んでますよ、上杉さん。150ヤードの看板を軽々と越えていきました。

上杉 う~ん、これは凄い。弾道や飛距離もさることながら、とにかく手が軽い! しかも、インパクトの音が今までと全然違う気がします。

中井 今まで上杉さんは、スウィング中、手を上から下に動かしていました。その結果、過剰なダウンブローになって、ドーン! という衝撃が手に伝わっていたんです。それに対し、この「手の運動量が小さい」スウィングだと、ボールだけをクリーンヒットし、その惰性でターフがとれるような軌道になりますから、「手が軽い」と感じられるんです。クラブとボールの当たり方が変わっていますから、当然インパクト音も変わります。

上杉 また、球が高くなりますね。明らかに。

中井 シャットでもオープンでもなく、スクェアにインパクトすることでロフト通りに球が上がり、かつしっかりとスピンがかかりますからね。この打ち方を身に付ければ、パー3でピンを狙っていけますよ。

上杉 よし、決めました。

中井 なにをですか?

上杉 オーガスタの名物パー3、16番ホールの予選2日目の攻め方に決まっているじゃないですか。今までは、安全策をとってグリーン左の「安全地帯」へ打っていく予定でしたが、このスウィングができれば、自信を持ってバンカーを越えてすぐに切られるピンを攻めていけます。……そうだ! 石川遼くんも16番のパー3をやや苦手にしているところがあるから、この打ち方を教えてあげようかな。

中井 たぶん、余計なお世話だと思います……。

 
今週は、中井プロよりメッセージ。読者の皆様におかれましても、思った以上に手の運動量は小さい! ということを意識しつつ練習していただければ幸甚至極でありますとのこと。それではまた来週。目指せ、マスターズ!



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