僕のマグノリアレーン

2011.06.23

【第23回】
ハーフショットは「目」が命!

僕のマグノリアレーン

ジャーナリスト・上杉隆がティーチングプロ・中井学と二人三脚で夢のマスターズを目指す本連載。今週も先週に引き続き、中井学のもとにレッスンに訪れた初心者の女性とともに、上杉もスウィングの「原点回帰」を図っております。

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大幅な飛距離アップを
可能にするドリルとは?

女性 あの、中井プロ。

中井 なんでしょう。なんなりと、お聞きください。

女性 打つときって、ボールはずっと見続けるんでしょうか?

上杉 出ましたね……ゴルフの初心者が誰でも必ずする質問。これにはゴルフ歴30年の私が回答しましょう。断じて、ボールを見る必要はありません。

女性 なぜですか?

上杉 それはまあ、あまりにもボール見つめると色々問題が発生するんですよ、たぶん。……ほら、僕のこともそんなに見つめないでください。色々問題が発生しちゃうじゃないですか。

中井 上杉さんを見つめてもとくに問題は発生しないと思いますが、たしかにボールを凝視するのは考え物ですね。ボールは「周辺視野で見る」。こう覚えておいてください。

上杉 周辺視野? どういうことでしょう。

中井 目の筋肉は首の筋肉に、首の筋肉は肩の筋肉に、肩の筋肉は腕の筋肉につながっています。つまり、目に力が入ると上半身の力みにつながってしまうんです。だから、一点を凝視するのではなく、「視界の中にたまたまボールがある」くらいの意識、つまりは周辺視野でボールをとらえてほしいんです。

上杉 なるほど。政権維持という一点だけを見つめて、国家を取り巻く危機的状況に目がいかない、どこかの国の菅直人首相に聞かせたいお言葉です。

中井 「どこかの国」と言っておきながら、思い切り実名が出てます、上杉さん。まあいいや、本連載はゴルフの連載です。さて、Aさん(女性)、周辺視野でボールをとらえることを心がけて、一球打ってみませんか? 先週お教えしたように、構えたらみぞおちの位置を左右に動かす意識だけで振ってみてください。

女性 はーい。構えて、みぞおちを左右に動かす意識で、と(打つ)。

上杉 おおっ、ナイスショット! やりますね。初めてとは思えない鋭いスウィング。これは、私も負けてはいられません。中井プロ! なにか、いい練習法を教えてください。

中井 なんという他力本願な……。まあいいでしょう、せっかくだから、先週ちょっとお話ししたドライバーでハーフショットするドリルを解説します。

上杉 先週のこの連載で、中井プロがアプローチの振り幅で200ヤード飛ばしたアレですね。是非、お願いします。

中井 そもそもこの連載の趣旨は、上杉さんがマスターズで戦うための技術を教える、というもの。連載も半年が過ぎ、上杉さんのスウィングはずいぶん良くなりましたし、飛距離も伸びました。

上杉 その通りです。

中井 お願いだからもう少し謙虚になってください。ただ、スウィングがよくなったとはいえ、まだまだ一発の飛距離も足りませんし、スウィングの再現性も低い。マスターズに出る選手たちが5000ccクラスの排気量だとしたら、上杉さんの排気量はまだ1300ccクラスしかないんです。

上杉 失礼なことを言うのはやめてください。僕の愛車・レクサスHS250hは排気量2362cc。それでいながらカタログ値ではリッター23キロ走る高燃費を誇ります。

中井 え~、あくまでたとえ話です。

上杉 知っています。

中井 ……ともかく、今からお伝えするドライバーのハーフショットドリルは、その排気量自体を上げるためのドリルだと考えてください。とりあえず、やってみましょうか。

上杉 了解。ハーフスウィングだから、要するに振り幅を半分にすればいいんですよね。こんな感じ?(と、打つ)

ヘッドを走らせるための
ポイントは「目の脱力」!

023中井は"排気量アップ"のために「ドライバーのハーフショットドリル」を上杉に提案したが……
中井 うーん、ちゃんと当たってはいますが、それではダメですね。と、いいますか、典型的なアマチュアの「勘違いハーフスウィング」です。

上杉 なんと失礼な。なにが勘違いだというのですか。私の人生そのものですか、それはあまりに言いすぎだ。

中井 そんなこと言っていません。ハーフスウィングって、意外とその人のスウィングの欠点が炙り出されるんですよ。上杉さんの欠点は、「腕を振って当てにいく」というクセ。今のスウィングも、ハーフスウィングだからと油断して、体が止まって手だけを動か
し、ボールにヘッドを当てにいくスウィングになっていました。

上杉 むむむ。言われてみると、たしかに……。

中井 先週もお話ししましたが、腕というのは体の動きにつられて動くだけ。ハーフスウィングだからといって、「腕の振り幅を半分にする」と考えるのは、大いなる勘違いなんです。手の動きは考えず、体の動きだけを「ハーフ」にする意識で、もう一度打ってみてください。

上杉 了解しました。どうだっ(と、打つ)。

中井 うーん、惜しい。手で当てにいく動きは収まりましたが、今度は体全体に力みが生じていました。やはり、意識のなかで「当てたい」という気持ちが残っているんですね。その結果、せっかくドライバーを使っているのに、ヘッドが走らず、球をつかまえきれていません。そして、ここでポイントとなるのは「目線」です。

上杉 あ、冒頭の話に戻った。

中井 そうそう。上杉さんはご自分で「ボールを見る必要はない」と言っておきながら、目に力が入っていました。

上杉 いわゆる、「目力(メヂカラ)」ですね?

中井 違います。「当てたい」という潜在意識が、ボールを凝視することにつながっているんです。目に力が入ると、前述したように上半身全体が力んでしまいます。必要なのは周辺視野でボールを見ること。そして、「目の脱力」です。

上杉 目の脱力。私は「東京脱力メールマガジン」という名前のメルマガをやっていますから。脱力するのは大得意です。よし。腕を動かさずに体を動かして、目を脱力させて……とりゃーっ(と、打つ)。

中井 ナイスショット! 低いドローボールで飛距離もランを含めて180~200ヤード。この感覚を忘れないでください。

上杉 いや~、驚いた。アプローチくらいの振り幅でもこんなに飛ぶとは。いままで力んで振っていたのはなんだったんでしょう。ところで中井プロ、ハーフショットドリルといえば、短いアイアンを使うのが定番ですが、なぜドライバーなのですか?

中井 かんたんです。ドライバーが、14本のなかでもっともヘッドが効くクラブだからです。短いアイアンでは、ヘッドを効かせる、走らせるといった感覚が身に付きにくい。その点ドライバーなら、
ヘッドを効かせる
ヘッドを効かせることによって、球をつかまえる
そのための、体の動き
この3点が同時に身に付くんです。それに、飛距離が出るから気持ちがよくて、飽きがこない。一石三鳥、四鳥の練習法なんですよ。

女性 中井プロ、私もやってみていいですか?

中井 もちろん。ぜひ、どうぞ。

女性 えーと、手を使わないで、目の力を抜いて……(と、打つ)。

中井 おおっ、ナイスショット! うーん、なかなか筋がいいですね。

上杉 ちょっと待った! 私も打ちます。どうですか? 中井プロ。僕のほうが筋がいいでしょう! どう考えても。

中井 マスターズを目指す人が、初心者の女性に対抗意識を燃やすのはやめてください……。

 

というわけで、上杉隆の「初心者と学ぼう」コーナーは今回で終了! 来週からは、マスターズ目指してさらなるマニアックなレッスンがリスタートします。なにはともあれ、目指せ、マスターズ!



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