僕のマグノリアレーン

2011.06.16

【第22回】
遠くに飛ばす「ラジオ体操」

僕のマグノリアレーン

ジャーナリスト・上杉隆がティーチングプロ・中井学と二人三脚で夢のマスターズを目指す本連載。先週から、中井学のもとにレッスンに訪れた初心者の女性とともに、上杉もスウィングの「原点回帰」を図ることになったが――。

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スウィング作りに欠かせない
中井考案のオリジナルドリルとは?

女性 中井プロ、先週クラブの握り方を教わりましたけど、次はどうしたらいいのでしょうか?

中井 先週はロクにレッスンできず、大変失礼しました。次は、いったんクラブを置いて、ゴルフスウィングの基本的な体の動かし方を覚えましょう。

上杉 クラブを持ったり置いたり、忙しいですね、中井プロ。いずれにしても、スウィングの基本的な動きであれば私は既に習得済み。私は自主練習をすることにします。というわけで、今週の「僕のマグノリアレーン」はこれにて終了。読者のみなさん、また来週。

中井 なんでいつもそうやってラクをしようとするんですか、上杉さん。今から説明する体の動かし方は、初心者の方にはもちろん、今の上杉さんにも是非とも覚えてほしい内容です。

上杉 なんと! マスターズを目指す私が、初心者と一緒に、身体の動かし方から習いなおす。しかも相手は女性。それは、レディスティから打たされるような屈辱。でも美しい。いや美しい女性ならばいいではないか。中井プロ、どうして早く一緒に教えてくれなかったんですか。

中井 はいはい。いいから、説明をはじめますよ。

女性&上杉 よろしくお願いします。

中井 ああ、こういう素直な生徒さんばかりだったら本当に幸せなのに……。と、愚痴を言っても仕方ない。ではまず、両足を肩幅くらいに開いてください。

上杉&女性 はい。

中井 そうしたら、両腕を左右に広げます。

上杉&女性 広げました。

中井 いいですね。そうしたら、まず上半身を90度右に向け、右に向けたらリズムよく、今度は左に90度向けます。そして、これを連続して行うんです。

上杉 ちょっと、中井プロ! 「スウィングの基本」なんていうから一応マジメに聞いていれば、なんのことはない、これはただの「ラジオ体操」じゃないですか。

中井 違います。あくまで「ラジオ体操」によく似たオリジナルのスウィングドリルです。ボクは、スウィングの感覚作りに一定のメドが立つまでは、クラブなど持たずにこの体操だけやっていればいいと思います。

上杉 ……菅直人首相のような言い訳をする人ですね。たしかに体をターンさせるという共通点はありますが、これがなぜスウィングの基本なんですか。わかった、具体的なスウィングを教えずにこの体操だけを繰り返させることで、ティーチングプロという地位の延命を図るという策略ですね?

中井 もちろん違います。論より証拠、上杉さん、一緒にこの体操をやってみましょう。はい、腕を広げて~、体を右に向けて~、はい続いて左に向ける~。これを何回か繰り返して~、よし、そのまま上半身を前傾させてください!

体のエネルギーを出し切れば
もっとかんたんに飛ばせる!

022

これが中井学考案(?)「ラジオ体操によく似た体操」だ! 腕を大きく振ってのびのびと体を回してください。ただし、下半身リードで!
上杉 あ、体を前傾させると、たしかにスウィングのイメージに極めて近いですね。

中井 しかも、「手を使う」感覚がまったくないでしょ?

上杉 まったくありません。だって、前傾したまま体を回しただけですから。

中井 ですよね。これこそ、ゴルフスウィングの基本中の基本、「手を使わずに体の回転だけで振る」感覚です。上杉さんは、まだどうしても手でクラブを上げるクセが残ってしまっている。そのせいで、体そのものがもっているエネルギーを100%出し切れていないんです。そして、体の回転だけで振る感覚を身に付けるには、この「ラジオ体操によく似た体操」が最適。最初にこの感覚を身に付けておけば上達は格段に速いですから、初心者の方にも最適というわけです。

上杉 うーん、なるほど。すごいですね、「ラジオ体操によく似た体操」は。

中井 ポイントはみっつ。スウィング中、「みぞおちの位置を左右に向ける」意識だけで振ること。体を右から左に向けるとき、「下半身から先に動き出す」こと。そして、腕とクラブは「上げる」のではなく、上半身の前傾と体のターンにより「腕の位置が上がる」のだということ。このみっつの感覚を体操で身に付ける。これが今の上杉さんに必要なことなんですよ。ちょっと、見ていてください
(中井プロ、キャディバッグからドライバーを取り出す)

上杉 おっ。珍しいですね、デモンストレーションですか。

中井 はい。サンドウェッジで30ヤードを打つくらいの振り幅で、ドライバーを打ってみます。あくまで意識は、みぞおちを左右に向けるだけ。手は一切使いません(と、打つ)。

女性 すごーい!

上杉 すごい、すごすぎる。本当に、まるでアプローチのような腰から腰くらいの振り幅にも関わらず、200ヤードは飛んでいる……。中井プロ、今はもうルール違反となった、高反発クラブを使っているんですね?

中井 ああもう面倒くさい。もちろん、使っていません。体のエネルギーを出し切れば、本当にかんたんに飛ばせるんです。

上杉 スウィング自体もゆったりしているし、これは本当に驚きです。

中井 このドライバーのハーフスウィングはいい練習法なので、後日詳しく説明しますが、「手を使わない」ことで、むしろ弾道は力強くなり、正確性もアップします。上杉さんも、先ほどの体操の感覚を持ったまま、一球打ってみてください。ハーフスウィングではなく、ドライバーのフルショットで構いません。

上杉 うーん、今のショットのあとに打つのは気が引けますが、いいでしょう。えいっ(と、打つ。レッスンの成果か、十分にナイスショットといえる弾道が飛び出す)。

女性 すごーい!

上杉 ふふふふふ。惚れるなよ。まあ、私もマスターズ出場を目指す男。これくらいは当然……。

女性 すごい「音」がするんですね! 上杉さんのクラブ。

上杉 ……音。うん、たしかにすごい。すごいですよね~、このクラブ。ははははは。

中井 なんか、日に日にマグノリアレーンが遠ざかっていく気がしてきました……。

 

中井プロのドライバーでの「200ヤードアプローチショット」は本当に凄かった! 果たして上杉もこの弾道を手に入れることができるのか? 来週も、目指せ、マスターズ!



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