僕のマグノリアレーン

2011.06.02

【第20回】
もし上杉隆がジカドラを打ったら。

僕のマグノリアレーン

ジャーナリスト・上杉隆とプロゴルファー・中井学、ふたりの男が二人三脚、夢のマスターズを目指す、空想ゴルフレッスンドキュメント「僕のマグノリアレーン」。亡きセベ・バレステロスの遺志を(勝手に)受け継ぎ、今週もマスターズ目指してレッスン中!

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忙しい上杉のために中井が考えた
スペシャルメニューとは?

上杉 いや~、中井プロ。この連載もスタートしてもう半年、このペースで連載が続いていけば、やがては書籍化も夢じゃありませんね。

中井 あ、そうか。書籍化なんて考えたこともありませんでした。異色というか、前代未聞のレッスン書になりそうですね。ははは。

上杉 そこで私、タイトル案を2つほど考えてきました。

中井 ずいぶんと気が早いですね。そこまで連載が続くかどうかも分からないのに……。ちなみに、どのようなタイトルですか?

上杉 教えてほしいんですか。どうしようかなぁ。中井プロは教えるのは上手くても、教えてもらうのは上手そうじゃないからなぁ。

中井 意味不明なことを言っていないで、お願いします。

上杉 そう。ではまず1つめ。私の著書「暴走検察」に引っかけて、「暴走レッスン」。

中井 ……。

上杉 続いて2つめ。同じく私の著書「ジャーナリズム崩壊」及び「記者クラブ崩壊」「官邸崩壊」の通称“崩壊シリーズ”に引っかけて、「レッスン崩壊」。

中井 あの~、上杉さん。「暴走」に「崩壊」って、そんな役に立たなそうなレッスン本、誰が買うんですか、一体全体。僕のレッスンが暴走した挙句に崩壊した、と言わんばかりではないですか。

上杉 ダメ?

中井 ダメです。そもそも、「マスターズを目指す」という連載の趣旨が微塵も感じられません。

上杉 あ、そうか。それは言えますね。うーん、「暴走」も「崩壊」も使えないとなると、困りましたね。あっ、そうだ。これまた僕の著書「上杉隆の40字で答えなさい」にかけて、「上杉隆の40打で上がりなさい」にしよう。実はこれ、タケ小山プロのオリジナル案なんです。

中井 人のアイディアをパクッて、しかもハーフで40打ってるようではマスターズには行けませんよ、上杉さん。というか、ただご自分の著書の紹介をしたかっただけじゃないかという疑念を覚えるのですが。

上杉 今日はいつになく鋭いですね、中井プロ。いずれも好評発売中です。以上、宣伝を終了します。

中井 ……では、レッスンいきましょうか。

上杉 そうしましょう。まったく、前置きが長いんだから。

中井 誰がやねん! と、一応つっこんでおきます。さて、今回は練習法の話をしたいと思います。上杉さん、最近ものすごくお忙しいですよね。でも、忙しいからといって練習しなければ、やはり上達は望めません。そこで、忙しい上杉さんが、短い時間で上達するためのスペシャルメニューを考えてきたんです。

上杉 いいですね~。震災以降、取材活動に忙殺され、練習はおろかラウンドにすらほとんど行けていませんから、助かります。

中井 今週はいきなり球を打ってもらいます。使用クラブは、ドライバーです。

上杉 ドライバーですか。なるほど、最近の私のドライバーショットは絶好調。その精度をさらに高めようというわけですね。よし、じゃあティアップして……。

中井 ちょっと待った! ティアップはしないで、マットの上からじかに打ってください。

上杉 直接打つんですか! 中井プロ、私はいわゆる「ジカドラ」はやったことがありませんし、コースでも試す予定はありません。ゆえに、この練習にはあまり意味がないように思えるのですが。

中井 まあまあ、いいから打ってみてください。

厳しい環境でやってこそ、
練習の効果は上がる!

020
多忙を極める上杉隆に、中井学は「直(ジカ)ドラ練習」を指示。その意図とは――?
上杉 しょうがないなあ(と、打つ)。あちゃ~、当たりはしたけれど、どスライス

中井 ジカドラだからといって、無理矢理当てにいくと、今のようなミスになります。よし、もう一球いきましょう。

上杉 了解です(ふたたび、打つ)。お、少しトップ気味ではありますが、真っすぐ飛んだ。

中井 飛距離もそこそこ出ていますね。でも、まだ物足りません。ジカドラだからといって、打ち方を変える必要はありません。先週までにお伝えしたように、バックスウィングで手首を左手親指方向にコックし、それによって右手の甲にできるヒンジ角をインパクトまで維持する「ヒンジ&ホールド」、そしてクラブを手で上げず、バックスウィングでは右胸を開き、ダウンでは左胸を開く動きを意識して打ってみてください。

上杉 よ~し、今度こそ。とりゃ~(と、打つ)。

中井 OK! ナイスショットです。球もしっかり上がっているし、飛距離もティアップした状態と変わらないくらい出ています。

上杉 意外と、打てちゃうもんですね。ところで中井プロ、この練習にはどのような意図があるんですか?

中井 答えは8番アイアンにあります。上杉さん、ちょっと8番アイアンを打ってみてください。

上杉 相変わらずもったいぶりますね、まったく(と、打つ)。あれっ? なんだこれ。信じられないくらい簡単に感じる。

中井 でしょ?

上杉 この世の中で8番アイアンでミスショットする人が存在することが信じられません。

中井 言い過ぎです。それはともあれ、ジカドラは「練習場でできるもっとも難しいショット」です。そして、練習場では、ジカドラのようになるべく難しい環境で球を打つことが必要なんです。

上杉 そうか。そうすればほかの番手が簡単に打てるのか。

中井 そうです。練習場って、足場は真ったいらだし、ボールはダフっても問題ないフカフカの練習マットに乗っています。しかも、練習ボールはコースボールに比べてコアが軟らかく、潰れやすい分スライスしにくい。つまり、練習場の打席は、ゴルフ場には決して存在しない、天国のように打ちやすい環境なんです。ですが、だからこそ、ただ「ナイスショットを打つ練習」をしてもあまり意味はありません。

上杉 なるほどな~。

中井 お忙しい上杉さんは、練習に多くの時間を費やせませんよね。だからこそ、難しい環境を自分から作って、効率の良い練習をして欲しいんです。

上杉 しかも、ジカドラを練習すれば、オーガスタのロングホールで2オンを狙う可能性も増えますね。そういえば今年のマスターズでも、石川遼くんが、たしか8番のセカンドをジカドラで打っていました。

中井 そうそう、グリーン周りにウォーターハザードが絡む13、15番ホールでは使いにくいですけど、遼くんが狙ったようにオーガスタでも使える場面はありますね。そういう意味では、実戦的な練習法でもあります。

上杉 わかったッ!

中井 どうしたんですか、上杉さん。なにかスウィングの秘訣をつかんだんでしょうか?

上杉 違いますよ、中井プロ。この連載の本のタイトルを思いついたんです。「もしオーガスタを目指すジャーナリストがゴルフ練習場でジカドラを練習したら」、通称“もしドラ”。どうです?

中井 思いっきり、「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」(通称“もしドラ”)のパクリじゃないですか……。

上杉 ばれた。しかも、これも思いっきりタケ小山さんのパクリなんです。

中井 怒られますよ、タケさんに。

 

というわけで、今週も上杉隆と中井学によるレッスン漫談「僕のマグノリアレーン」、楽しんでいただけましたでしょうか? ジカドラ練習、忙しいみなさんには心からオススメです。ポイントは、とにかく当てにいかないこと。それではまた来週。目指せ、マスターズ!



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