僕のマグノリアレーン

2011.05.19

【第18回】
「セベドロー」を手に入れろ!

僕のマグノリアレーン

マスターズを目指す! そう宣言したジャーナリスト・上杉隆と、それをサポートするプロコーチ・中井学の二人三脚空想ゴルフレッスンドキュメント「僕のマグノリアレーン」。レッスンに励むふたりの元に飛び込んできた、スペインの英雄、セベ・バレステロス死去の報に触れ、上杉は「セベの遺志は自分が継ぐ!」と宣言したが――。

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セベ・バレステロスにあって、
上杉にないものとは?

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ドローを打つにはコックが不可欠だと中井は言うのだが……(写真は完全にイメージです)
上杉 いきなりですが、私、上杉隆は5月7日に亡くなった不世出のゴルファー、セベ・バレステロスに心からの弔意を表し、「グラシアス、セベ!」と称する追悼イベントを立ち上げ、その実行委員長に就任しましたことを親愛なる「僕マグ」読者の皆様に報告します。

中井 セベが日本に遺してくれた名コース、セベバレステロスGCとタッグを組んで、ロングラン追悼イベントを行うんですよね。

上杉 あれ? 詳しいですね、中井プロ。まだ公式発表していないのに。

中井 あの~、僕、上杉さんに頼まれて競技委員長を引き受けたんですけど。

上杉 あ、そうだった。とにかくオープンコンペやセベを語る夕べなど、いろいろなイベントを考えていますので、ご期待ください。以上、宣伝を終了します。

中井 さすが、「もしかしたら世界で一番セベのことが好きかもしれない男」。イベントの成功のため、私も全力で協力します。さて、そろそろレッスンいきますか。

上杉 お願いします。今週はいよいよドローボールの打ち方ですね。ドローを修得できれば、ほぼ「セベになった」と言えますし、オーガスタを60台のアンダーパーでラウンドすることも可能になったと言えます。

中井 もちろんどちらも言えませんが、セベのようなゴルフスタイルを目指し、同時にオーガスタを攻略するために、ドローの習得を避けては通れないとは言えます。

上杉 セベへの道は遠いですね。

中井 そりゃそうです。では、今週も質問からはじめましょう。問題です。セベにあって、上杉さんにないもの、それはなんでしょうか?

上杉 私になくてセベにあるもの? ……わかった、スペイン国籍!

中井 正解! な、わけないでしょう上杉さん。……あれ? でも、たしかにスペイン国籍は「セベにはあって上杉さんにはないもの」か。ということは、正解? って、なんでやねん!

上杉 「ノリとツッコミ」が冗長ですね、中井プロ。「球はつかまるが話はすべる」そう言われた経験はありませんか?

中井 断じて、ありません。面倒くさいんで正解を言ってしまいます。セベにあって上杉さんにないもの、それは「コック」です。

 ドローを打つための絶対条件は、
「ライ角を維持する」こと。

上杉 コック、ですか。たしかにスウィング中、手首の動きは意識していません。でも、手首は意識的に動かしてはいけないとよく言われますが……。

中井 手首を動かさないのもひとつの方法です。しかし、ドローボールを打つためには手首のコックが必須なんです。そして、セベは手首の使い方がもの凄く上手なプレーヤーでした。だから、自由自在に球を操ることができたんです。

上杉 それは聞き逃せませんね。左の林から、右の駐車場から、あるいはアゼリアの花壇の中からピンに寄せてくるセベの技術は、手首の動きに秘密があったのか。それはさておき、ドローとコックにどういう関係があるんですか?

中井 少しマニアックな話になりますが、コックの役割は、「ライ角を維持する」こと。そして、インパクトまでクラブのライ角を維持することが、ドローを打つための絶対条件なんです。つまり、コックによるライ角の維持により、ドローは可能となるのです。

上杉 ……何を言っているのか全然わかりません。

中井 わかりました。もっと噛み砕いて説明しましょう。まず、ドローとはどんな球なのかから説明します。ホンモノのドローボール、それは、真っすぐに打ち出され、落ち際に左に切れる球筋のことを言います。

上杉 右に出て、左に曲がるフックボールとは違う、ということでしょうか。

中井 その通り。そして、真っすぐ打ち出すための条件は、インパクトでフェース面がほぼスクェアであること。さらに、落ち際で左に切れる、ほんのわずかな左回転をボールに与えるための条件が、ライ角の維持なんです。ここまではいいですか?

上杉 たぶん。

中井 ここでポイントとなるのは、ライ角を維持するとなぜドローが打てるのか? という問題です。これは逆を考えるとわかりやすいのですが、スウィング中、ライ角が維持できないと、クラブのトウ側が下を向く動きが起こります。そうすると、クラブの構造上フェースは開く。開いて当たるからインパクトで当たり負けを起こし、さらにフェースが開いて、スライスになってしまう。ドローは
その逆です。ライ角が維持されることでインパクトでスクェアに当たり、その一瞬の間にフェースがわずかにターンした分だけの左回転がボールに与えられることで、落ち際で左に切れるドローボールになるわけです。

上杉 なんか、難しそうなのでドローはパスしたくなってきました。

中井 では、セベになるのも諦めるということですね。

上杉 痛いところをつきますね、中井プロ。「セベの魂を背負った男」としては、続きを聞かざるを得ません。

中井 では、ここで一回冒頭で話した内容に戻りましょう。上杉さん、覚えていますか?

上杉 はい。私がセベ追悼イベントを立ち上げた話ですよね。さすがに忘れないですよ、自分で考えたことだし。

中井 え~と、そこではありません。セベにあって上杉さんにないもの、それはコックだという話です。しかし、残念ながら今週は既に文字数オーバー、続きは来週となってしまいました。というわけで、それではみなさん、また来週!

上杉 なんか、眠くなってきました……。

 
ドローを打つためにはコックが必須――中井学の理論の極みが次週、明かされる。その長い説明に、果たして上杉隆は眠気を抑え切れるのか!? というわけで、来週も目指せ、セベ。そして目指せ、マスターズ!



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