僕のマグノリアレーン

2011.05.06

【第16回】
手打ちが直る魔法のドリル「背面打ち」

僕のマグノリアレーン

マスターズを目指す! そう宣言したジャーナリスト・上杉隆と、それをサポートするプロコーチ・中井学の二人三脚空想ゴルフレッスンドキュメント「僕のマグノリアレーン」。今週は、連載スタートから約半年弱にして、上杉のゴルフに明らかな変化が訪れます!

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中井プロのレッスンの成果!?
上杉にゴルフに変化が……。

上杉 中井プロ、恐ろしいことが起きましたよ。

中井 どうしたんですか、上杉さん。まさか、ついに……。

上杉 なにを想像しているかわかりませんが、違います。私のゴルフに、恐ろしいことが起こったんです。

中井 恐ろしいこと……わかった、イップスですね。上杉さんのパットは、パチンと打つタップ式。入りはじめると止まりませんが、外れだすと底なし沼。うーん、困りましたね、それは。

上杉 それも違います。なんというか、余計なことを言うのはやめてください。忘れちゃうじゃないですか。あ、そうそう、実は、飛距離が強烈に伸びてしまったんです。先日のラウンドでは、ピッチングウェッジで150ヤード、7番アイアンで190ヤードくらい飛び、すべてのホールでグリーンをキャリーでオーバーしたほどです。

中井 なーんだ。どうせ、いま流行りの「飛び系アイアン」に替えました、っていうオチでしょう?

上杉 断じて、違います。本当に、急激に飛距離が伸びだしたんですよ。アイアンだけでなく、ドライバーも30ヤードは余計に飛んでいます。

中井 またまたあ。わかった、ドライバーを48インチにしたんですね?

上杉 自分でレッスンしておきながら弟子の飛距離アップが信じられないとは、情けない男ですね。では、証拠を見せましょう(と、ドライバーで打つ。クラブも確かに変わっておらず、年季の入ったテーラーメイドの「r7ドロー」のまま)。

中井 なんと……。読者のみなさんにご報告すると、球筋はやや高めの中弾道、軽くドロー回転したボールが、250ヤード先に消えていきました。うーん、すごい。教えておいてなんですが、にわかに信じられない弾道です。

上杉 でしょ? 自分でもビックリです。なにしろ、いつもラウンドしている写真家の野村誠一さん、俳優の乃木涼介さんといった飛ばし屋ゴルファーをアウトドライブしたほどでしたから。ムッとした顔してたなぁ、ふたりとも。うふふふふ。

中井 その不気味な笑いはいただけませんが、飛距離アップに成功したのなら、コーチとしては嬉しいですね。

上杉 本当に大したもんです、あなたは! テークバックでは右下にしゃがみ込むようにしながら右の胸を開き、トップではクラブを置き去りにするイメージで重力のままに切り返し、フォローでは左の胸を開く。実際は、「しゃがむ」「右胸開く」「左胸開く」くらいしか意識していませんが、飛距離が30ヤードは伸びました。誓っていいますが、これは誤報でもデマでもありません。

中井 それは、私も証明します。よし、ではこの飛距離にさらに磨きをかける魔法のドリルを、今週は伝授しましょう。

上杉 なんと。それは聞き逃せませんね。早く伝授しましょう、早く。

中井 なんか、挑戦的ですね。まぁ、いいです。やることはかんたん。「背面打ち」です。

上杉 背面打ち? なんですか、それ。こうやって打てというんですか?(と、腕を背中側に回してクラブを持ち、背中の後ろでクラブを振る)

中井 お見事! と言いたくなるくらい不正解です。正しいやり方を教えます。まずは7番アイアンを持って打席に立ってください。そのままアドレスすれば、普通にボールを打てる位置です。位置が決まったら、ボール方向ではなく、僕のほう(飛球線後方)を向いてください。ターゲット方向に背を向け、打席の後ろに立っている人と正面から向き合う感じです。

 手打ちを矯正するための
最強のドリルとは?

016
ターゲットに背中を向けて打つ、「背面打ち」ドリル(写真右)。写真左のように背中側でクラブを持つのは誤った背面打ちなのでマネしないでください……
上杉 はい。でもこんなふうに向き合って、いったいなにをしろと言うんですか。男同士で見つめ合ってもなんにも楽しくないんですけど……。

中井 それは私も同感です。では、そこからクラブを胸の前あたりに構えてください。

上杉 はい。

中井 そうしたら、体を左に90度、グーッとねじって、ボールに対してクラブをセットしてください。

上杉 うーん、けっこうキツイ体勢ですね。

中井 これで準備は完了。あとは実際にボールを打つだけです。

上杉 中井プロ、体勢はかなりキツイですが、念のためこれが一体なんのための練習なのか教えてください。今のところ、飛距離アップの魔法のドリルどころか、ただの罰ゲームにしか思えません。

中井 この背面打ちドリルは、通称「手打ち絶対できないドリル」と言います。上杉さんは、トップからまだちょっと手で打ちにいっている。それがなくなればもっと飛距離は伸びます。この体勢で打つと、手で打ちにいくとまず絶対にマトモに当たりません。手打ちを矯正するための、最強のドリルなんですよ、これは。

上杉 「手打ち絶対できないドリル」。なんというダサいネーミング。まぁ、それはともかく、趣旨は理解できました。では実際に打ってみます(と、打つ)。あ~、チョロだ。

中井 体勢がキツイからといって、手で当てに行ってはダメです。意識するのはボディだけ。その他いっさいの意識を捨てて、ボディを回すことだけ考えてください。振り幅は腰から腰で十分ですから。

上杉 わかりました。手の意識を捨て去って、ボディだけを回して……とりゃ~。

中井 ナイス! その無理な体勢で、100ヤードくらい飛んでます。

上杉 なんか、不思議な感触です。手に力を入れてないのに、しかもこんなにキツイ体勢なのに、意外と飛ぶもんですね。

中井 その感覚が大事なんです。わずか50グラム程度のボールに対し、アイアンという鉄の塊を高い位置から振り下ろすわけですから、それだけで飛距離は出る。クラブにはロフトがついていますから、球も自然に上がってくれる。そのクラブの動きを邪魔しないことが、もっとも飛ばすコツなんです。

上杉 手というのは、クラブの動きを邪魔する存在に過ぎない、と。クラブの動きをジャーナリズムに、手を記者クラブに置き換えると、よく理解できますね、中井プロ。

中井 お願いだからそういう危ないネタを僕に振らないでください、上杉さん。いずれにせよ、オーガスタで戦うにはまだまだ飛距離も足りませんし、スウィングの完成度も求められます。よし、来週からはさらにスウィングを磨き上げていきましょう!

 
取材陣全員が驚いた、上杉の飛距離アップ! このまま順調に飛距離は伸びるのか? 来週も乞うご期待。目指せ、マスターズ!



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