僕のマグノリアレーン

2011.04.22

【第14回】
「水切りショット」に学ぶ左足下がり攻略法~Part2

僕のマグノリアレーン

マスターズを目指す! そう宣言したジャーナリスト・上杉隆と、それをサポートするプロコーチ・中井学の二人三脚空想ゴルフレッスンドキュメント「僕のマグノリアレーン」。今週も先週同様、マスターズ取材の余韻がいまだ覚めない上杉による、マスターズレポートからはじまります。

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 なぜ左足下がりの傾斜から
ミスショットが出るのか?

中井 上杉さん、「前略、芝の上から」(上杉が執筆するWEB連載)を読みましたよ! 出場選手しか通行を許されない、マグノリアレーンをくぐったらしいじゃないですか。

上杉 そうなんですよ。木曜日に現地入りしたんですが、オーガスタに到着したのは夜の9時過ぎ。選手も宿舎に帰っている時間で、誰にも迷惑はかからない。そう考えて、警備員に「お願いだからマグノリアレーンをくぐらせてくれ」と頼んでみたんです。「僕は日本でマグノリアレーンに関する連載も持っているんだ」と言って。しばらく交渉したんですが、最終的に「ルールだから、どうしてもダメだ。諦めて、クラブハウス前でUターンして帰りなさい」と言われたんです。

中井 マグノリアレーンはクラブハウスへの進入路ですから、クラブハウス前でUターンするためには、マグノリアレーンを通るしかない……イキな計らいですね。

担当編集者 先に現地入りしていた週刊ゴルフダイジェストの記者が腰を抜かしていましたよ。「プレスという立場でマグノリアレーンをくぐったのは、マスターズの歴史上おそらく上杉さんだけだ」って。ある意味快挙です。

上杉 快挙なう。というわけで、私、上杉隆がマグノリアレーンを目指すという本連載の趣旨は、無事達成されました。みなみなさまにおかれましては、なみなみならぬご声援、ありがとうございました。おわり。

中井 「おわり。」じゃないですよ、「おわり。」じゃ。まったく、そうやってすぐにラクをしようとするんだから。ほら、早くレッスンをはじめますよっ。
……というわけでここからが本番。先週に引き続き、「左足下がりからの打ち方」編、後半をお届けします!
中井 先週は、左足下がりから打つコツはふた通りあるとお伝えしました。ひとつは、傾斜に沿って体を傾けるやり方。もうひとつは、オープンスタンスに構えるやり方です。

上杉 マスターズの練習日、16番ホールでパトロンへのサービスとして行われる「水切りショット」は、傾斜に沿って体を傾けるやり方で打っている、あのことですね。

中井 ええ。そうすると打ち出しが低くなり、スピンも通常通りかかりますから、水面を跳ねる球が打てるというわけです。

上杉 そこで思ったんですが、私も左足下がりでは、傾斜に沿って構えるイメージを持っているんです。なのに出るのはスライスにチョロにプッシュアウトといった惨憺たる球筋ばかり。これはいったい、どういうことでしょう。

中井 これは、「ギャップ」の問題ですね。

上杉 ギャップ、ですか。たしかに、私はよくイメージと実際に会った印象にギャップがある、いや、あり過ぎると言われます。まさか、左足下がりから上手く打てない理由がこんなところにあったとは……。

中井 政治、メディアといった巨大権力にひとり立ち向かう硬骨のジャーナリスト。そういったイメージから、もっと寡黙な人物を想像していました、私も。まさかこんなに愉快な人物だとは……って違います。そのギャップじゃなくて、イメージしているアドレスと実際のアドレスのギャップです。

上杉 不愉快な人物? なんですか、それ。

中井 愉快です。上杉さんは「傾斜に沿ってアドレスしている」つもりでも、実際には平地のときのアドレスとほとんど変わっていないんです。先週もお話ししましたが、「左足下がり」は「右足上がり」とも言えます。クラブが下りてくる右足側が高いのに、ふつうに構えてふつうに振ったのでは、ダフるのも当然です。

上杉 なるほどな~。もっと、自分が思う以上に体を傾けなければいけないということですね。それで、スウィング自体はどういう意識を持てばいいんでしょうか?

中井 基本的に、アドレスをしっかりと変えれば、スウィング自体はふだん通りでOKです。ちょっと構えてみてもらえますか?

 スウィングは変えずに
スタンスを変えればいい!

014 
奥の中井のように傾斜に逆らって立つとダフってしまう。そこで、傾斜なりに立とうする上杉だが……
上杉 はい。こんな感じ?(と、左足下がりの傾斜に合わせて体を傾ける)

中井 まだまだ。もっと思い切って体を傾けるんです。そうそう、もっともっと!

上杉 うわ~、こんなに? これ以上体を傾けたら倒れそうなほどです。中井プロ! これでは水切りショットを打つ前に、私自身が転がり落ちて池ポチャしてしまいそうなんですけど。

中井 池田勇太選手は今年のマスターズで残念ながら池ポチャして予選落ちを喫しましたが、本人自らが池ポチャということになれば前代未聞の珍事です。よし、ではそれくらいで結構です。実際に球を打ってみてください。

上杉 分かりました。池に転がり落ちないように気をつけて……(と、打つ。7番アイアンで打たれたボールは、通常よりも低い球筋ながら、真っすぐ飛んでいく)。

中井 ほら、いい球が出るでしょ?

上杉 たしかに。左足下がりなのに、まるで平地で振っているようにクラブが気持ち良く抜けました。しかも、意外なことに飛距離が落ちていませんね。

中井 体を傾けたぶん、クラブのロフトが立ちますからね。打ち出しが低くなるぶんと相殺されて、飛距離自体は平地でのショットとほとんど変わらないはずですよ。さて、次はオープンに構えるやり方を試してみてください。ボールを中心に、反時計回りに回り込む感じです。

上杉 了解(と、構える。バンカーショットのような構え)。

中井 そのように構えたら、あとはスタンスなりに振るだけです。そうすると、結果的に軌道はカットになります。通常のスタンスだと右足側が高く、ダフリの危険性がありますが、オープンに立つことにより、傾斜に沿って振るイメージになり、ダフリにくくなるというわけです。よし、では実際に打ってみてください。

上杉 (打つ)お~、さっきよりはるかに高い球が出た! カットに振ったぶん、左に出てターゲット方向に戻ってくる、スライス系の球筋です。まさしく全盛期のリー・トレビノもびっくりです。スタンスでこんなに球筋が変わるものですか。

中井 そうなんです。左足下がりに苦手意識を持つ人は多いですが、スウィングをいじるのではなく、構え方をちょっと工夫するだけで、かんたんに打てるんです。

上杉 実は、左足下がり以外に、もうひとつ苦手意識を持っているものがあるんですが。

中井 ほとんどの苦手意識はイメージひとつで解消できますからね。今週はもう字数オーバーなので、来週レッスンするとしましょう。ちなみに、それはなんですか?

上杉 「部屋の片づけ」です。なにしろ部屋が片づかないから同じマンションにもうひとつ部屋を借りたくらいで、かなりの苦手意識なのですが……。

中井 いい加減にしなさい!

 
というわけで、左足下がりからの打ち方。お役に立ったでしょうか? 来週は、マスターズ帰国後、久しぶりに自らプレーした上杉の身に起こった、ある恐るべき変化の模様をお伝えします。目指せ、マスターズ!



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