僕のマグノリアレーン

2011.04.07

【第12回】
ダフリがイヤなら、トップを打てばいいじゃない。

僕のマグノリアレーン

マスターズを目指す! そう宣言したジャーナリスト・上杉隆と、上杉をサポートするプロゴルファー・中井学が繰り広げる二人三脚空想ゴルフレッスンドキュメント、それが本連載「僕のマグノリアレーン」。今週は、アイアンでダフらないための、意外な練習法が明かされます。

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 コースでは、タイガーもニクラスも
ボビー・ジョーンズでも力むもの

上杉 いや~、中井プロのレッスンのおかげで、アイアンのダフリが激減した気がします。いいですね、重力に任せて切り返すイメージと、胸とお尻をどうにかするイメージは。

中井 「胸とお尻をどうにかする」という表現はどうにかなりませんか、上杉さん。正しくは、テークバックでは胸を開き、ダウンではお尻をターンさせる意識です。

上杉 そうでした。ともあれ、さっきから数十球打っていますが、球が高くなり、飛距離も出るようになっています。

中井 重要なのは、その状態をキープし、さらに磨き上げることです。というわけで、今週は「ダフらずにキレのいいアイアンを打つ」ための、とっておきの練習法をお伝えします。それは……。

上杉 まさか、「トップさせればいい」なんて言うつもりじゃないですよね、中井プロ。

中井 ……。

上杉 なんですか、その沈黙は。もしかして、正解?

中井 ……正解です。

上杉 あの~、「ダフリが嫌ならトップを打てばいい」とは「パンがないならブリオッシュを食べればいい」と言った、マリー・アントワネットにも匹敵する暴言だと思えるのですが。

中井 わかりにくいたとえですね。でも、本当なんですよ。ダフリが嫌ならトップを打つしかないんです。

上杉 だ~か~ら~、荒川の河川敷にある赤羽ゴルフクラブを攻略するならともかく、私はスキー場なみに起伏が激しく、かつピンポイントにグリーンを狙わなければ勝負にならないオーガスタ攻略を目指しているんですよ、中井プロ。たとえば12番ホールでトップなんて打とうものなら、手前を流れるクリークめがけて一直線じゃないですか! 風向きを読むのがポイントとされるあのホールで、風もなにも関係ないじゃないですかっ。

中井 まあ、説明を聞いてください。そもそも、上杉さんはコースでダフリを連発していましたが、ふだん練習場ではナイスショットを連発していますよね?

上杉 ええ、まあ、へへへ。でも、それは、練習場では天然芝ではなく、少々ダフってもソールが滑ってミスにならない人工マットの上から打つからではないでしょうか。

中井 それもありますが、もっと根本的な理由があります。まず認識しておいていただきたいのは、コースに出たら、いくら「力まず打とう」と思っても、人間なら誰でも絶対に力んでしまうということです。タイガーでも、ニクラスでも、ボビー・ジョーンズでも、誰でも絶対に力む。それは仕方がないんです。そして、上杉さんがコースでダフるのも、やはりこの力みが原因です。

上杉 それが、トップを打つ練習をすることと、どういう関係があるんですか?

中井 力むと、インパクトが厚くなるんです。インパクトが厚くなるとは、入射角が鋭角になるということ。プロの場合、ほんの1~2ミリ打点が変わる程度の違いですが、アマチュアの場合その傾向がより顕著になり、大ダフリになってしまうんです。

上杉 なるほど~。コースだとダフリ気味になるぶん、ふだんの練習ではあえてトップを打っておく、と。

中井 そうそう。「トップを打つ」を言い換えれば、「薄く打つ」ということです。練習場で薄く打つ意識を体に染み込ませておけば、本番ではちょうどいいインパクトになるというわけです。

 高めにティアップして、
トップボールを打ってみよう!

012
力みがダフリの原因。「トップを打とう!」くらいの意識で、コースではジャストインパクトになる
上杉 そういえば昨年、全米オープンを取材したとき、最終日を首位で迎えたダスティン・ジョンソンが、スタート前の練習でトップばっかり打っていました。あのときは、「ド下手!」と思ったものですが、もしやそれも……。

中井 ええ、間違いなく、本番でアイアンが厚く入ることを見越した練習だと思います。残念ながらジョンソンは最終日に大崩れしてしまいましたが、タイガー・ウッズもそのような練習をよくしています。世界のトップは、このように、常に本番を想定して練習をしているんです。

上杉 なるほど、世界のトップが――。ということは、自ずと私にもそのような練習をする必要が出てくる、ということですね。

中井 え~、それは誤解です。ともあれ、力みの量が大きいアマチュアほど、このような本番に即した練習が効果的なのは間違いありません。まあ、試しに打ってみたらどうですか。ちなみに、高めにティアップして打つと、打ち込む意識が減るので、より効果的です。番手は7~8番くらいの打ちやすい番手でお願いします。

上杉 了解。とにかくトップを打てばいいわけですよね(と、打つ。7番アイアンで放たれた球は地表1メートルの高さで、真っすぐ糸を引くように飛んでいく)。

中井 なぬっ!? ものすごく上手いじゃないですか!

上杉 私を誰だと思っているんですか。高校時代、赤羽ゴルフ倶楽部をアイアン1本でラウンドしていた私にとって、ティショットで飛距離を稼ぐためにあえてトップボールを打つのは朝飯前です。

中井 いや、驚きました。でも、なんでわざわざクラブ1本でラウンドを?

上杉 それは、「ゴルフの図書館」で連載している私のゴルフコラム、「前略、芝の上から」第18回をご覧になってください(※「前略、芝の上から」へのリンクはプロフィールにあります)。

中井 了解しました。

上杉 そんなことより、いいことを思いつきました。トップを打つのは、「アレ」にも応用できますね。

中井 なんですか、「アレ」って。

上杉 「水切りショット」ですよ。マスターズの練習日では、16番の池越えのパー3で、マスターたちが水切りショットを披露してパトロンを湧かせるのが恒例です。日ごろからトップを打つことに磨きをかけておけば、本番でも成功間違いなしです。

中井 よくぞまあ、そんな余計なことばかり思いつくものですね……と、今回ばかりは言い切れません。いいところに気がつきましたね、上杉さん。

上杉 あれ? 突っ込まれると思ったのに。

中井 実は、水切りショットには傾斜地からの打ち方のヒントが詰まっているんですよ。来週、詳しく説明しましょう!

 
お約束のボケとツッコミで終わるかと思いきや、次週への「ヒキ」のテクニックを使った中井プロ。「水切りショット」に学ぶ、傾斜地からの打ち方のコツとはいかなるものか? 秘密は来週明かされます。というわけで、また来週。目指せ、マスターズ!

※来週は、上杉によるマスターズレポートもお伝えする予定です。



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