僕のマグノリアレーン

2011.03.31

【第11回】
「お尻」と「胸」で、ナイスショット!?

僕のマグノリアレーン

ジャーナリスト・上杉隆がマスターズを目指す! それをサポートするプロゴルファー・中井学との二人三脚空想ゴルフレッスンドキュメント、「僕のマグノリアレーン」。今週も、先週に引き続き「キレのいいアイアンショットを打つ方法」第三弾。

※前回同様、今年2月に取材した内容を元にしています

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 ニクラスのフライングエルボーは、
本当に悪い見本なのか?

上杉 たしか、先週はゴルフの話から突然離れ、中井プロがお尻がどうだ、胸がどうだと卑猥なことを言い出したところで終わった、と記憶していますが……。

中井 そうそう、私も単身赴任生活が長いんで……ってちゃいます!

上杉 さすが、中井プロ。関西人ならではの鋭いノリ・ツッコミですね。

中井 いやいや、それも上杉さんの切れ味のいいボケがあってこそ……ってもう、やめさしてもらいます。え~、本題に入ると、先週僕は、切れ味のいいアイアンショットを打つためには、「お尻」と「胸」がキーワードになる、という話をしたんです。

上杉 そうでした。でも、ゴルフでは「肩」とか「腰」の動きは多くのプロが解説していますが、「お尻」とか「胸」について解説する人は少ないですよね。やっぱり、中井プロはそういった部分に格段の興味が?

中井 だから違います。たしかにお尻とか胸の動きは日本ではあまり語られませんが、それはあくまで日本国内に限った話なんですよ。僕がゴルフ理論を学んだアメリカでは、当たり前のように使われます。たとえば日本ではお馴染みの「ボディターン」という言葉がありますが、アメリカでは「ヒップターン」と言うほうが一般的だったりします。

上杉 日本のマスコミでは当たり前になっている「記者クラブ」という言葉が、海外ではまったく通用しないようなものですね。あ、今は「KishaClub」という単語になっているのか。ちなみに、「世界でも類を見ない閉鎖的な制度」の代名詞です。

中井 え~と、上杉さん。本コラムはゴルフコラムですので、切れ味鋭いメディア批判は控えていただけますでしょうか。

上杉 はい。確かにこれを言い出すと余計な敵が多くなるので、お尻と胸の話に戻しましょう。

中井 そうしましょう。基本的に、テークバックでは胸を、ダウンスウィングではお尻を意識すると、いい球が打てるんです。詳しい説明は措いておいて、上杉さん、テークバックのときって体のどこを意識していますか?

上杉 う~ん、少なくとも、胸は意識していないですね。わきを締めることは意識していますが。

中井 なるほど、でも、わきを締める意識は不要です。

上杉 そんなわけないでしょう。現に、全英オープンを2連覇した名手、パドレイグ・ハリントンの師匠であるボブ・トーランス翁を取材した際、「とにかくわきを締めろ」と教わりましたよ。グローブを両わきに挟んだまま打つドリルを教わったりして。

中井 でも、上杉さんの大好きなジャック・ニクラスはテークバックで右わきが開きますよね?

上杉 う~ん、たしかに。でも、あれは、確か、悪いスウィングの見本だと教わったような気がしますが……、では、ニクラスのほうが正解なんですか?

中井 上杉さんの世代のゴルファーは、とにかくわきを締めろと教わった人が多いんです。同時に、ニクラスのスウィングの特徴である、テークバックでわきが開く「フライングエルボー」は真似をしてはいけない動きと言われていましたよね。しかし、その結果、「わきを締める」ではなく、「わきをくっつける」になってしまうんです。そうすると、テークバックが窮屈になり、エネルギーの溜まったトップが作れないという弊害が出てしまいます。上杉さんも、残念ながらそのひとりです。「わきを締める」が悪いとは言いません。しかし、少なくとも過剰な意識は不要です。

上杉 なんと~。ということは、今まで飛距離が今イチだったのは、ボブ爺さんに忠実だったからなんですね。尊敬していたのに裏切られた気分です。最低ですね、ボブ爺は!

中井 ボブ・トーランスに八つ当たりしても時すでに遅しです、どう考えても。それに、ボブさんの教えは、プロに対するアドバイスとしては有効なものですから。ともあれ、今からでも遅くないので、「わきを締める」という意識を、「胸を開く」という意識に切り替えてみてください。テークバックで右胸を開くことを意識すると、可動域の広い肩甲骨が大きく動き、スウィングのエネルギーがより大きくなります。

 お尻を90度左に回すイメージで
一気にターンさせる!

011
アイアンはもちろん、ドライバーでもトップでは胸を「開く」意識を持とうという中井学
上杉 胸を開くか……。なるほど。それが「胸」の使い方というわけですね。試してみると、体感的にはいつもよりはるかに体がねじられている感じです。でも、こんなに大きく体をねじったら余計にダフりそうなんですけど。

中井 そこで、お尻の出番です。

上杉 ついに来ましたか、お尻の出番が。

中井 来ました。先週、トップの位置までクラブが上がったら、一瞬の間をおいて、重力で腕とクラブが落下する力で切り返す、と説明しましたが、お尻の出番はその次の瞬間です。左のお尻を開く、つまり、90度左に回すイメージで、一気にターンさせるんです。そうすることにより、ダウンで上体が突っ込むこともなく、手打ちになることもありません。同時に、重力の力とヒップターンによる回転の力が合わさることで慣性の力が働き、遠心力が発生します。遠心力は末端にいくほど強く働きますから、切り返し以降はスウィングの末端部にあるヘッドがグングン加速し、インパクトで最大のエネルギーを発揮する、というわけです。遠心力により軌道も安定することから、ダフリの心配も無用です。

上杉 ……完全に、見えましたね。

中井 えっ? なにがですか?

上杉 オーガスタナショナルGCの12番ホール、通称「ゴールデンベル」。世界でもっとも美しいパー3とも言われるあのホールで、バーディを奪う私の姿です。

中井 (無視して)来週はさらにアイアンの切れ味を磨くための、かんたんで効果抜群の練習法をお伝えしたいと思います。読者のみなさん、お楽しみに!

上杉 これ、僕がマスターズに出場するための連載なんですけど……。

 
さて、実際に中井プロの教えの通りに打ってみると、7番アイアンで打ったのに、6番アイアンの飛距離と8番アイアンの高さが出たこを報告しておきます。いつの日か、オーガスタの12番でティショットを放つ日を夢見て、来週も目指せ、マスターズ!



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