僕のマグノリアレーン

2011.02.24

【第7回】
「フェースリフト」で放て! ふんわりロブ その2

僕のマグノリアレーン

マスターズを目指す! そう宣言したジャーナリスト・上杉隆。彼をサポートする理論派プロ・中井学は、オーガスタ攻略法として、第一に飛距離アップのレッスンを開始。しかし先週、突然ロブショットのレッスンがはじまった。中井によると、オーガスタ攻略にはふわっと上がるロブが打てる「フェースリフト」という技術が必須だと言うのだが……。

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※マグノリアレーンとは……ゴルフの祭典「マスターズトーナメント」が開催されるオーガスタナショナルGCへの進入路。ここを通り抜け、マスターズに出場するのがすべての男性ゴルファーの夢なのだ。

 セベのように構え、
ミケルソンのように打つ!

上杉 今週は、先週の続きで「フォークリフト」のレッスンですね。

中井 え~、一応お約束として突っ込んでおきますが、「フォークリフト」じゃなくて、「フェースリフト」です、上杉さん。それはともかく、今週から読み始める読者の方のためにも、「フェースリフト」について、まずはしっかりおさらいしておきましょう。

007-1上杉 お願いします。

中井 イメージ的には、フィル・ミケルソンのロブショットです。手元の動きを抑え、フェースだけを大きく動かして、ロブを打つ。開いたフェースをリフト(上下)させることで、エネルギーを前ではなく上に使い、球を舞い上げるわけです。

上杉 ミケルソンか~、それはちょっと難しいですね。

中井 えっ、どうしてですか。

上杉 ミケルソンは左打ちじゃないですか。私はゴルフをはじめてこの方ずっと右打ちです。第一、私は左用のクラブすらも持っていません。

中井 ……説明を続けます。フェースリフトのコツは、オープンスタンスかつフェースを開いて構え、フェース面が常に自分のほうを向くように、コックを意識的に使ってスウィングすること。ちょっとお手本を見せますね(と、打つ)。

上杉 お~、すごい!  通常のロブショットよりはるかに球が高いのに、飛距離はほんの数ヤードしか出ていません。なるほど、まさにミケルソンのイメージですね。

中井 ありがとうございます。これなら、オーガスタのガラスのグリーンでも転がり過ぎず、ピンに寄せることが可能なはずです。さて、ここからはこの球を打つためのコツをお話しします。まずは構え方ですが、ズバリ、「セベ」になってください。

上杉 えっ? セベって、私の少年時代のアイドルであるスペインの英雄、セベリアーノ・バレステロス(マスターズ2回優勝)のことですよね。ミケルソンのイメージなのに、なんでセベが出てくるんですか?

中井 理由は後で説明します。ほら、上杉さんラウンド中によくセベの物まねをするじゃないですか。あの感じで構えてください。

上杉 まあ、セベの物まねをさせたら日本で私の右に出る者はいません。左ならいるかもしれませんが……。いや、前か……。いや、何よりお安いご用です(と、構える)。

中井 まさにそんな感じです。ヒザを柔らかく曲げ、腰を落として体の重心を低くした状態でアドレスする。しかし、いつ見ても上手いですね、セベの物まね。

上杉 私は高校時代、生徒手帳にセベのブロマイドを挟んでいたほど、セベには憧れていましたからね。広尾のセベリアーノといえば私のことです。ま、広尾にセベリアーノがたくさんいるはずもありませんが……。まぁそれはそうと、セベの物まねとロブショットにどんな関係があるんですか?

中井 ロブショットを打つには、セベのような重心の低いアドレスが必要なんです。重心が高いと前傾姿勢が浅くなり、体の回転でクラブが上がらなくなるため、手でクラブを引き上げてしまいます。結果、クラブをボールをにぶつけるだけになってしまい、柔らかい球が打てないどころか、ダフリ、トップの原因になってしまうんです。だからこそ、「セベのように構え、フィルのように打つ」のがコツなんです。

 フェースリフトを学べば、
飛距離も伸びて一石二鳥!

007-2中井の指導でフェースリフトを実践する上杉だったが……
上杉 なるほど~。よし、ではこの構えで打ってみます。(打つ)……うーん、トップはしなかったけど、中井プロのような高い球になりません。

中井 ここからが核心部分です。上杉さんの打ち方は、「フェースリフト」じゃなくて、本当に「フォークリフト」になってしまっているんです。フェース「だけ」を上げるのがフェースリフト。それに対して、上杉さんの場合手元ごと浮き上がってしまっています。まるでフォークリフトのように……。

上杉 なんですか、その「上手いこと言った」という悦に入った表情、俗に言う“ドヤ顔”は。仮に私の打ち方がフォークリフトだとして、どうすればフェースリフトになるのか、そこを教えてくれなきゃ困ります。ドヤ顔してる場合じゃありません。

中井 シーソーを思い浮かべてください。シーソーは、片方の位置が下がると、もう片方が高い位置に移動しますよね。あれと同じく、手元を「上げる」のではなく、むしろ「下げる」意識でスウィングするんです。手元を下げることでフェース「だけ」がリフトされ、高い位置に移動します。そして、手元を低い位置に保ったまま、フォローまで振り抜いてください。

上杉 やってみます……おおっ! ものすごい高い球が出た。なんだ、こりゃ!

中井 大成功ですね。では上杉さん、今のイメージのまま、今度はドライバーを打ってください。

上杉 ドライバー? なんだかいきなりですね。まあいいや、打ってみます(と、打つ)。あれっ? ……もう1球いいですか?

中井 どうぞどうぞ。

上杉 いや~、すごい。2球とも明らかに球が高く、ボールの勢いも増しています。どういうことですか、これは。

中井 上杉さんのスウィングには、①アドレスで重心が高すぎる。②手元が動きすぎる。という問題点があったんです。「フェースリフト」は、体の重心を低くし、手元の動きを抑えるのがコツ。つまり、上杉さんの悪いクセを矯正するにはもってこいの打ち方なんですよ、実は。

上杉 なるほど~。突然ロブショットのレッスンになったのには、理由があったんだ。

中井 そうそう。実は、飛距離アップレッスンの続きだったんです。アプローチの球筋も増えて、一石二鳥でしょ?

上杉 いや、一石三鳥ですよ、こんなに高い球が打てるとは……。これなら13番ホールのティショットで思いっきりで左の林越えのショートカットルートも選択できるかもしれません。うーん、悔しいけど、見事なレッスンでしたね。

中井 でも、球が高過ぎるのも考えものかもしれませんね。

上杉 ん? なぜでしょうか。

中井 上過ぎ高し(ウエスギタカシ)! なんちゃって。

担当編集者 うわぁ……。

上杉 せっかくのレッスンも台無しですね……。

 
ミケルソンもびっくりの鋭いダジャレで幕を閉じた僕のマグノリアレーン第7回。ちなみに、今回のレッスンは上杉氏に限らず、手元が動きすぎる多くのアマチュアにおすすめ! 目指せ、マスターズ!



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