僕のマグノリアレーン

2011.02.17

【第6回】
「フェースリフト」で放て! ふんわりロブ その1

僕のマグノリアレーン

マスターズを目指す! そう宣言したジャーナリスト・上杉隆。見果てぬ夢に向かって走り続ける上杉をサポートする理論派プロ・中井学は、オーガスタ攻略法その1として、飛距離アップを上杉に課す。レッスンの甲斐あってある程度の飛距離アップには成功した、が……。

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※マグノリアレーンとは……ゴルフの祭典「マスターズトーナメント」が開催されるオーガスタナショナルGCへの進入路。ここを通り抜け、マスターズに出場するのがすべての男性ゴルファーの夢なのだ。

 オーガスタでのアプローチに
必要不可欠なものとは……?

中井 この連載に関して、ツイッター上で面白い意見を目にしました。曰く、「バカためになる」とのこと。言い得て妙、ですよね。

上杉 なるほど、「おバカな読者にだけはためになる」というわけですね。

中井 違います。「馬鹿馬鹿しいけど、(一応)ためにもなる」というニュアンスです。

上杉 心外ですね~。中井プロをなんだと思ってるんでしょうか。

中井 ええっ、僕!? 主に私ではなくてもう一方の出演者の方の“暴走”が原因な気がしなくもありませんが、まあ、いいや。今週もレッスンをはじめましょう。

上杉 お願いします。あ、今週はマジメにやってくださいね。私のツイッターにもふざけすぎだという苦情が寄せられていますから。

中井 それ、僕ですか……。まぁ、いいです、努力します。さて、今回はちょっと目線を変えて、アプローチのレッスンをしようかと思っています。

上杉 先週までは飛ばしのレッスンだったのに、いきなりアプローチですか。もちろん異論はありませんが、それはつまり私の飛距離がもはやオーガスタを十分に攻略できるレベルに達した、と受け止めていいわけですね。

中井 断じて、違います(即答)。ほらずっと飛ばしばかりだと読者も退屈かな~、と。

上杉 ちょっと待ってください。この連載は誰のためにあるか考えてくださいよ。それは断じて読者のためではなく、私がオーガスタの地を踏むためにあるんですよ。

中井 それは、ちょっと傲慢なような。

上杉 いや、だって、上杉隆がマグノリアレーンをくぐるという最初の公約があるじゃないですか。それをごまかして、国民、じゃなかった読者を欺こうとする方が、むしろどこかの国の総理大臣のような方針転換といえます。

中井 そういう危ない話題は避けてください。ともあれ、レッスンをはじめます。

上杉 あ、そうそう、早くお願いします。

中井 ……。実は今回は上杉さんの教えを大いに仰ぎたいんですよ。というのも、私は物心ついてからマスターズ中継はすべて欠かさず見ていますが、現地に行ったことがない。アプローチは繊細な技術ですから、上杉さんの現地情報を元にレッスンを行いたいんです。

上杉 なんだ、それを先に言ってくださいよ。私は一昨年、昨年と2年連続でマスターズを取材し、生えている芝の一本一本にいたるまでコースを熟知している男です。で? 何が聞きたいのかな? 中井くんは。

中井 驚くほどの上から目線ですね。でも仕方ない。一言でいうと、オーガスタナショナルGCではアプローチに何が一番求められるか、です。

上杉 いい質問ですね~。求められるもの、それは……。

中井 それは……?

上杉 気持ちですよ、気持ち! 松木安太郎さんもいつも言ってるじゃないですか、「やっぱり気持ちですよ、気持ちだッ」て。

中井 えーと、松木さんはゴルフではなくサッカーの解説者ですし、そもそもそういう答えは必要ありません。

上杉 すみません、冗談を終了します。マジメな話、これは現地に行かないとわかりませんが、オーガスタのグリーンはテレビで見るよりはるかに傾斜がきついんですよ。だから、転がしのアプローチがほぼ通用しないんです。マスターたちも、多くの場合ロブショットで寄せてきます。

 フェースが常に自分を向いている
イメージでスウィング!

0062度のマスターズ取材の経験を活かして対策を考える上杉だが……
中井 なるほど。転がしでは距離感に加えてラインまで完璧に読み切らなければいけませんし、ほんの少しオーバーしたりショートしただけで、とんでもないところまで転がってしまいますもんね。

上杉 そうそう。フワッと上げて狙った場所にボールを運び、そこから球の重さで傾斜なりに転がすという高度な技術が求められます。空中と、グリーン上、両方を読む必要がある。「空と、緑と、オーガスタ。」まぁ、そんな感じといえば、分かってもらえますかね。

中井 そのポエムは今ひとつ理解できませんが、ロブショットでピンポイントに狙う技術が必須なことはよく分かりました。よし、今週のテーマは「フェースリフト」にしましょう。

上杉 フォークリフト? 中井プロ! また奇抜なことを言っちゃって、ファンからの支持を獲得しようと見え透いたことしているんだから。あのですね、オーガスタにはゴルフをしに行くんであって、コースの改造に行くわけではないんです。

中井 はい、はい。そんなことばっかり言ってるから「タメになる」に「バカ」がつくんですよ、無視して進めます。

上杉 賢明な判断です。で、なんですか、フォークリフト、じゃなくてフェースリフトって。

中井 フェースリフトとは、文字通り、バックスウィングでフェースを高い位置に上げ、フォローでも高い位置に振り抜く打ち方のことを言います。意識的にコックを使うことで、柔らかい球質が打てるのが特徴です。

上杉 ちょっと質問。中井プロの理論では、スウィング中、手はまったく使わないんじゃなかったでしたっけ。

中井 いい質問です。ショットに関してはその通りなんですが、アプローチは例外なんですよ。特に繊細さと柔らかさが求められるロブショットでは、ハンドワークが必要な場合も多々あります。

上杉 なるほど。でも、なんだか難しそうですね。

中井 そんなことありませんよ。コツは、テークバック、フォローともにフェースを高い位置に持っていく意識を持つことと、ここは非常に大事なポイントなのですが、スウィング中は、フェース面が常に自分のほうを向いている状態をイメージすること。この2点だけ頭に入れて、まずは打ってみてください。

上杉 フェース面を自分のほうに向ける……? いまいちしっくりきませんが、とにかく打ってみます(と、打つ)。あっ、トップした!

中井 言い忘れてました、アドレスでフェースを思い切り開いてください。あと、フェースを開く分、オープンスタンスにもしてください。

上杉 先に言ってください。いまのショットでは7番ミドルホールのアプローチでグリーン手前のバンカーの餌食ですよ。頼みますよ、真剣なんですから。

中井 すみません。では、もう1球。

担当編集者 あの~。

上杉 あっ、またトップした! 人がアドレスに入ってから声を出すとは、マナーの悪い人ですね。それではオーガスタのパトロンとして認めるわけにはいきません。

担当編集者 申し訳ありません。連載の文字スペースが埋まってしまったものですから。

中井 あら、残念。では、続きはまた来週ということですね。

上杉 なんという……まるであの総理大臣のような問題の先送りです!

 
というわけで、今週はここまで。次週、オーガスタを攻略するための、そしてもちろん週末のゴルフにも役立つアプローチの秘技「フォークリフト」じゃなかった「フェースリフト」の全貌が明かされる。待て、次週! 目指せ、マスターズ!



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