僕のマグノリアレーン

2011.01.26

第3回
クラブは「置き忘れ」でいいんです。

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2011年初頭、ジャーナリストにしてゴルフ狂・上杉隆が掲げた目標は、「マスターズ出場」というとんでもないものだった。知己のレッスンプロ・中井学は、上杉に、そのためにはまず飛距離アップが不可欠と指摘。夢のオーガスタに向けてのファーストステップ、飛距離アップレッスンがスタートした――!

※マグノリアレーンとは……ゴルフの祭典「マスターズトーナメント」が開催されるオーガスタナショナルGCへの進入路。ここを通り抜け、マスターズに出場するのがすべての男性ゴルファーの夢なのだ。

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 クラブはトップの位置に
「置きっぱなし」でいい!?

中井 下半身をどっしり安定させて、上半身をバックスウィングでねじり、ダウンでは逆にねじり戻す。そういったイメージだと、手先がスウィングの支点になってしまい、飛距離が出ないと先週お伝えしました。

上杉 そうそう。そこまではわかったんですが、具体的なレッスンを受ける前に焼肉を食べに行ってしまったんですよね。本場の味っていう感じがして、おいしかったなぁ。

003-1中井 おいしいんですよ、あのお店。そもそも、赤坂はおいしい韓国料理のお店がいっぱい、ってイメージがありますよね。……そうだ、今週はこの「イメージ」という言葉を軸に考えていきましょう。

上杉 なんか、強引ですね。焼肉を食べた影響ですか?

中井 違います。えーと、今までの上杉さんは、バックスウィングで体をしっかりねじって、切り返し以降、それをねじり戻すことでクラブを素早く引き下ろせる。そういう“イメージ”を持っていましたよね。

上杉 まさに。っていうか、それしか考えてないくらいです。ゲーリー・プレーヤーだって、そうやって打っているはずですし、実際に、クラブは体の捻転で引き下ろすものだと思っています。

中井 そこなんです。いくら体だけ回すイメージを持っていても、「引き下ろす」と考えた瞬間に、手が“仕事”をしてしまうんですよ。実際、上杉さんのスウィングを拝見すると、とくにダウンスウィングでは紛れもなく腕の力でクラブを引き下ろしています。その結果、手元が先行してフェースが開いたり、それを嫌がって無意識にフェースを返し、チーピンが出たりするわけです。

上杉 うーん、なるほど。じゃあどうすればいいんですか。

中井 簡単です。クラブを置いてきちゃえばいいんです。

上杉 だめでしょう、置いてきちゃ。この前も、前夜に手入れをしていて、そのままクルマにゴルフクラブを積み忘れて、ゴルフ場でトランクを開けてみてビックリ! なんてことがありました。置き忘れはまずいですよ。

中井 なんか、めんどくさいですね。あくまでイメージの話なんです。いいですか、トップの位置にクラブを置きっぱなしにするイメージで、体だけ戻してみてください。

上杉 それじゃあ振り遅れちゃうじゃないですか。

中井 まあ、だまされたと思って1球打ってみてください。

タメを作ろうと考えると
逆に手打ちになってしまう

上杉 (実際に打つ)おお! ……ちょっと、もう1回打ってみていいですか?

中井 ええ、もちろん。

上杉 (とまどいながらも、もう1球)おおおお! うーん、念のためもう1回いい?

中井 お好きなだけどうぞ。

上杉 (にやにやしながら打つ。力強いボール)いや~、いいですねこのイメージ、へへへ。

中井 でしょ?

003-2

上杉 でも、イメージだけでこんなに変わるもんですかね、ふふふ。

中井 その不気味な笑いはいいですから、上杉さん、聞いてください。スウィングの前によくダウンスウィングの形をチェックするでしょ。クラブを立てて、右腰のあたりにグリップを持ってくる。いわゆる「タメ」の形を作ろうとしている。

上杉 セルヒオ・ガルシアの連続写真ではそうなっています。まさしくそのイメージを思い出しているんです。

中井 いや、実は、慣性エネルギーが働く実際のスウィングでは、手の力であの形を作ろうとしても絶対に無理なんです。

上杉 ええ、そうですか?

中井 はい。そうするイメージを持つことで、手打ちをしているつもりはないのに手打ちになってしまう。それは、意識してタメを作ろうとしたり、体の力でクラブを引き下ろそうとしたりといった、ほとんど無意識の考えの結果として起こるものなんです。クラブを置いてくるって考えると、手なんかまったく使いようがないですよね。結果的には、手打ちが改善されるというわけです。これがイメージの力。

上杉 すごいですねえ、イメージは。なんというか、体の力は抜けているのに、クラブヘッドだけが走っていくような感覚でした。しかも、案外、やってみると振り遅れることもないんですね。あれっ?(打つ。右にミスショット)

中井 いま手で振ろうと意識して力が入りましたね。

上杉 はい。油断しました。振り遅れないように腕を振ってしまった。

中井 いいですか。それは不要なんです。ほら。ヘッドスピードを見てください。上杉さんの7番アイアンの普段のヘッドスピードはドライバー換算で40~42m/sですが、45近くまで上がってますよ!

上杉 おお、それは凄い! ちなみに、マスターズ出場選手の平均ヘッドスピードってどれくらいなんですか?

中井 う~ん、細かいデータはわからないけど、50~52、くらいですかね。クラブによって違いますけど。

上杉 え~と、まだまだ全然だめじゃないですか。

中井 そうなってきますね。

上杉 どうしてくれるんですか。

中井 大丈夫、責任は持ちます。まだまだ飛距離アップのコツはありますから。

 

「クラブを置いてくる」イメージで、ひとまずの飛距離アップに成功した上杉。しかし、求める300ヤードクラスの飛距離にはまだまだ足りない。飛距離アップのさらなるコツとはいかなるものなのか。それを上杉はモノにできるのか――。続きは次週。目指せ、マスターズ!



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